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大学生ゾンビ

作者: 水無瀬雲丹
掲載日:2024/03/23

初投稿です。なにか間違い等ありましたらお願いします…!

 朝起きるとゾンビになっていた……。




「は?」




 朝起きて、SNSの通知確認のためにスマホを見る。スマホのロックを解除すると、知らないアドレスからメールが来ていたので開く。




From:ただ の■■■




あなたは今日からゾンビです。


https://www.zon■i.c■m/■e■rc■■q=■■


日付:20××年3月16日 0:00




「なんだこれ…」


 ただの■■■と書いてあるからにして、恐らくただのゾンビとでも言いたいのだろう。かなりしょうもない。

怪しさ満載ではあったが、リンクを押してみる。それは個人で作られたであろう、オカルトのようなサイト。そこには6月頃から現れだしたというゾンビについて事細かく書かれていた。


『発熱、運動神経の向上、日光による死滅が特徴としてあげられる。症状が進むと人を襲う可能性があるため、自衛の武器を持ち歩くことが必要である。』


 確かに、昨日は熱出して寝込んだし、とても体の調子がいいように感じる。とは言っても、日光で死んでしまうから、と外出できないのは辛い。

が、幸いなことに、我が家は親のかなり高級なマンションで、遮光カーテンもついているから、なんとか日光は凌げるだろう。それに、必要なものも配達サービスで頼めばいい。

─だが、大学はどうだろう?今週には早めに終わった、課題を出すつもりだったのに。


「今日、杏奈が来るって言ってたけどこんなんじゃあ無理だよなぁ…」


見た目も見た目。それなりにゾンビらしい見た目だし、匂いも正直臭い。消臭スプレーを効くかも分からないがかけておく。

流石にこのままじゃ、夜にも外出できないのでとりあえずサイトの続きを読む。


『ゾンビは、感染した3日後〜1週間後に生前と同じ姿に戻る。理由は不明。そのため、急に1週間ほど休み、夜にしか外出しないような隣人には気をつけよう。』

そういえば、とふと思い出す。友達の谷沢が、最近引き籠もるようになり、夜にしか外出しなくなっていたことを。

「谷沢…アイツもしかして…」

更に思い出してしまった。昨日は、谷沢の家で呑んでたんだった。流石にありえない、と気持ちをなんとか落ち着かせる。今日来ると言っていた幼馴染の杏奈に、「急で申し訳ないけど、今日来るのなしで。」と断りの電話を入れた。本人は残念がっていたけどどうしても無理なのだから。俺は今、緑色だし、明らかに病気で言い逃れることができないような見た目をしているし、何より臭い。消臭スプレーをしたからか、少し良い匂いにはなっているが。何もしなくては始まらないので、とりあえず数日分の食事と牛乳を注文した。


 4日が過ぎ、完全に元通りになれた。匂いもしないので、夜を待ってルンルンで近くのコンビニに行った。

久々の外出。なんとも言葉で表せないような嬉しさがあり、スキップでコンビニに行く。


 コンビニの漫画コーナーの前、谷沢が、いた。こちらに気づいた様子で話かけてきたが、なんとなく嫌な感じがした。人のことなど言うことはできないのだが、なんか臭いのだ。同族だからこそわかる匂い、みたいな。

「谷沢、お前なんか臭くねー?ちゃんと風呂入ってんのかよ。」

さりげなく聞いてみると、「入ってるに決まってんだろww」と小突かれた。暫く話したあと、谷沢が己の匂いを気にしだして、風呂に入るから、とアンパンとアイスを買って帰っていった。谷沢が、本当にゾンビなのか、ただの臭い引きこもり(俺もそうだけど)なのかはよくわからなかったが、楽しかったからよしとする。


 特にすることもなく、毎日大学に行っていたからか、単位が足りていたのでそれなりに余裕がある。

そのうち、俺は夜遊びに行ったり、バイトに行くのに慣れていった。

「おーい!佐々木!」

 振り返ると、谷沢がこちらに手をふっている。今日は、他の何人かとカラオケ。暫く歌って、楽しんだあともう日が昇る時間に近づいていることに気づく。徹夜は久しぶりだった。

「すまん!もう俺流石に帰るわ!金はここに置いとく!」

 本当に時間がギリギリだった。全力で走ってマンションの屋根のある場所に駆け込む。はいろうとしたが、鍵がなかった。振り向くと、キーホルダーついた家のカードーキーが日向の所に落ちている。

試しに日向に指をそおっと出すと、『ジュッ』とその指が消えた。あのサイトのことは本当だったのか、と今更ながら生命の危機を感じる。取ってくれるような人はいないだろうか、と周りを見渡すと、松葉杖を脇に置き、ベンチに座っている人が見える。声は届かないと思うし、怪我している人にそんなことを頼めない。かなり詰んでいる。


「あ、隣の佐々木さん。おはよー!!」

声に驚き、急いで指の欠けた右手をポケットに突っ込む。

出てきたのは隣の柳家の娘の恵那ちゃん…いや救世主だった。柳家とはそれなりに、お付き合いがあってかなり仲がよく、恵那ちゃんに会えたのはかなりラッキーだ。

「おはよう。そこのトマトのキーホルダーのついたカードキー、取ってもらえない?」

恵那ちゃんは少し怪訝そうな顔をしながらも拾って渡してくれた。

 恵那ちゃんにお礼を行ったあと、恵那ちゃんがマンション前の信号を渡っていくのを手を振りながら見守った。こっちに手を振ってくれているので、恐らく気づいていないことに俺は気づく。彼女にトラックが迫っていることに。最近、ラノベを読んでてみたような暴走トラック。

恐らく、恵那ちゃんを庇ったりしたら、俺はトラックに引かれる前に焼けて消えるだろう。

─それでいいのか?

そんなこと、無かった。俺はせめて、焼け切る前に助けなければと飛び出していた。


『発熱、運動神経の向上、日光による死滅が特徴としてあげられる。症状が進むと人を襲う可能性があるため、自衛の武器を持ち歩くことが必要である。』


運動神経の向上。それは本当だったみたいだ。

トラックよりも遥かに早く、恵那ちゃんを抱き締めて、トラックから逃れる。脚に硬い感触を感じたとき、その感覚さえも消えた。

ああ、俺は消えるのか。それも、日光で焼け死んで。眼の前の様子がゆっくり、見える。恵那ちゃんが目を見開いたとき、俺の意識はなくな



■ ■ ■


「続いての速報です─××市──町で発生した、ゾンビが少女を襲ったとされる事件。ゾンビが少女に飛びかかったところ、トラックが──を引き、少女は無傷でした─。警察は──」

カーテンの全てしまった暗い部屋の中、テレビのアナウンサーが速報を告げる。

「───は、特別にゾンビ対策本部長の多田紀之氏にお話を伺えました。」

多田紀之と呼ばれた中年の男性がカメラに向かってお辞儀をする。

「今回起こった事件ですが、最近、ゾンビが──と言われます。そして、そのゾンビ等は、皆様、──な方を襲い、大変事件が起こっているのです。」

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