エキストラ編第三話
◇◆エキストラ編第三話◆◇
映画のエキストラとして撮影所に訪れた桜井美羽。
しかし、映画の主演が行方不明になってしまい撮影が止まってしまった!
そんな中、スタッフの人に目をつけられた美羽はとてつも無いほど大きな仕事を任されてしまう!
果たして映画撮影は上手くいくのか!?
ハラハラドキドキのエキストラ編第三話スタート!
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「主演の代理ですか? この私が?」
「そうです。 エキストラの中で桜井さんが最も主演に似ている顔つきです。
今日は遠くからの撮影なので、どうにかなると思います!」
ーー どうんかなるって言ったて、私今日初めて来たのに良いのかな?
ここだけの話、まだちゃんと台本読んで無いからストーリーもよく理解していないんだけどな。
「お願いします桜井さん! この状況を打破できるのはあなたしかいません。多分。
監督の顔を見て下さい! あの不機嫌そうなつら(小声) この空気の流れを変えて下さい! お願いします」
ー「,,,,,,,,,,」
彼女-桜井美羽は困惑している
ように見せかけてそんな事はない。
むしろこの状況を喜びすぎて意識が飛びそうである。
桜井はあくまでも”エキストラ”として映画スタジオにやってきた。
それはもちろん特別な体験をしにやって来た訳だが、、、
普通なら、”絶対に体験する事ができない仕事”を頼まれていてさらに”この撮影の今後の流れ”が
全て”手のひらの上にある”優越感がとてつもない勢いで彼女の脳を駆け巡っている。
その結果、彼女の脳は処理限界を迎え「活動停止」状態になってしまっている!
ー「いさん 」
ーーやばい、やばい、やばい こんな事があっていいの!(歓喜)
私が映画の主役? (代理だけど) このスタジオの流れが全て手のひらの中に?!
「桜井さん、大丈夫ですか?」
ーーやっば、意識飛んでたかも
「はい! 大丈夫です!」
「本当ですか?! よかったです。 そしたらすぐに準備します!」
ー「ワカリマシタ!」
美羽の周りに待ってましたとばかりに怒涛の勢いでスタッフが沢山集まって来た。
スタジオ内の空気も急に代わり、再び作業する音が聞こえてくるようになった。
「桜井さーん ありがとうございます! メイク担当させていただきます」
「桜井さーん こんにちは! 台本確認していただけましたか? こちらが新しく追加されたところでですね…」
「メイク終わったら次はこっちの部屋に来て下さいねー」
「はっはい! 」
ーーなんだか凄く、とんでもないことになっちゃたな、、、 まぁ 楽しそうだからいっか!
桜井の周りには突如として一つの壁が建てられ、すぐにたくさんのメイク道具や衣装
そしてマネージャー? のようなものが沢山来て、次から次へと作業が進んでゆく。
そして気がついた時にはすでに撮影の準備が整っていた。
ーーもう準備終わったんだ、早っ
「桜井さん! 準備が終わったらスタンバイして下さい! まもなくリハーサルいきまーす!
準備ができたら挨拶お願いしまーす」
ーー深呼吸、深呼吸 こんなチャンスは2度と、いや多分もうこない! どうせなら良いものを作ってやろうじゃないか!
よし! 行こう!
「桜井美羽 準備できました!」
ーーこれでいい できるところまでやってみよう!
「リハーサル行きまーす。 3・2・1_」
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スタジオで撮影が始まったころ、本当の主演「佐藤由美」はタクシーに乗って郊外の道の駅のベンチに座っていた。
ー「ここまで逃げ切れば大丈夫だと良いんだけれど、
今回は何人亡くなるんだろうな…….」
その時、彼女の背後から近づく黒子3人に彼女「佐藤」は気がつくことができなかった。