エキストラ編第二話
◇◆エキストラ編第2話◆◇
彼女、桜井美羽が参加した映画撮影は著名な女優の作品の記念すべき第十回作品。
その為、撮影スタッフの非常に緊張している雰囲気に包ている。 しかし
ーーなんかスタッフの人たちが慌ててる?
セットの準備が完了し、後は主演が来るだけのはずだったが場内の雰囲気がおかしい。
無線でやり取りをしている人もいれば、場内を走ってやり取りをしている人もいる。
ー「なんで主演の女優が来ないんだ? もう時間だぞ!」
おそらく監督だと思われるヒゲを生やしたおじさん? が怒鳴る。
「すみません。 今全力で探していますが、どうやら楽屋にいないそうです」
ーー成る程、主演が行方不明 って訳か。
驚くべきことになんと、主演が”行方不明”となってしまった。
主演が居なければ撮影を進めることも出来ない。
そして主演がいなくなった事も十分大問題だが、”もう一つ”大きな問題が出てきてしまったようだ。
「既に撮影が押してるのに、、、 今日のカットの撮影を終えないと映画の公開が延期になるぞ、、、」
なんと映画の撮影スケジュール自体も遅れているというのだ。
ーーそもそもスケジュールが遅れている時点でどうなのよ、、、
監督が威張り散らかしてるっていう噂を聞いたことあるけど。
「これで公開が延期になって俺の顔に泥がついたらお前ら責任取れるのかー!!!」
ーー確かにこんな感じの監督だったら職務放棄したくなるのもわからなくもないかも。
噂もどこから出てくるのかは分からないが、あまりあなどる事もできないようだ。
実際、こちらの映画監督はかなり行動や言動が厳しい人のようでパワハラで訴えかけられたこともあるとかないとか。
そんな事は置いておいてもなかなかに大変な状況である。
・主演の女優は行方不明になってしまっており撮影は難航中。
・その結果監督の”イライラ”がたまって来ており周りに当たって来ている。
ーー極め付けは、私ら”エキストラ”が待機をずっと命じられているせいで、”一時間以上”熱い砂漠にずっと放置されていることだ。
このスタジオ内の気温は、春だというのにも関わらず監督の作品に対する熱量のせいで
約30度。 おまけに熱風が吹き荒れている。
さすがのエキストラ達にも不満が出てくるのもしょうがない。
「すらわせてくださーい」
「いつになったら始まるんですかー?」
「訴えるぞぉー!」
中には訴えるという人まで出て来てしまったようだ。
ー「私も楽しみにはしていたけれど、ただ待つのはつまらないなー」
ついに桜井にも不満が出て来てしまった。
この撮影どうなることやら、、、
「皆さん、今主演を探しています。 もう少しだけ待ってていてくださ・・・い?」
ーーん? どうしたんだろう、 えなんか私の方に歩いてくるんだけど。
「すみません、えっと、桜井さん? とても大切な仕事を頼んでもいいですか?」
「は、はい?」
どうしたのだろう、急に現場の流れが変わってきた。
「あなたに主演の代理をやって欲しいのですが」
「ん_?」
ーーしゅ しゅえんの代理?!
なんと、主演の代理が桜井に頼まれてしまった。
この映画、どうなることやら、、、