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エキストラ編第一話

彼女には特異な趣味がある。

それは、『毎週末刺激を求めて街に出る事』だ。


平凡すぎる生活を送っている彼女は人生の中で刺激を求めて

普通では体験する事の出来ない事をする為に街に繰り出す。


この話は日常の中にある「非日常」な「日常」ストーリー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「バス停までもう少し! というか、もうバス来てるじゃん」


寝癖の残ってるショートヘアと流行りの肩掛けカバンを持ちながら

停留所に停まっているバスを目掛けて彼女は突っ走る。


「等々力12系統成城学園前駅行き、まもなく発車します。」


ーーさすが日本のバス! 定刻通りの発車偉いじゃん! って何感心してるんだ馬鹿!


彼女-桜井美羽は今、急募の映画エキストラの撮影に参加するためにバス停へと向かっている。

今日は日曜日、後を逃すと次のバスはなかなか来ない。


「あら? 美羽ちゃんじゃない。 今日はどこにいくのかい?」


近所に住んでいて、猫を沢山飼っている優しいおばあちゃん

通称”ねこばぁ”が走ってくる美羽に声をかける。


美羽の住んでいる地区一帯は都内でも数少ない

“ご近所付き合いの良い街”となっており、かく言う美羽もそんな街に住みたくてやってきた。


「おはよー! ごめん、今急いでるからまた今度!」. ビューン


「おやおや、今日も何か用事があるのかな」


ーーやばい、このままだと間に合わない、、、!


急いでいる彼女の目の前に突然黄色い旗が出てきた。


「赤信号を渡るつもりか?」


「え、信号はまだ青、、じゃない赤だ!」


「ごめんなさい! 信号おじさん。」


信号機で美羽を止めてくれたのはいつも信号機に立っている”謎”のおじさん。


ーーあっぶな- 赤信号に突っ込むところだった、、、 よかった…..


「バス発車します」


「青信号だ、まだ、まだ間に合う」


青信号になった途端彼女はバス停に向かって走り出す。


「すみませーーーーん! のりまーす!!!」


精一杯大きな声を出しながらバス停に滑り込む。

それと同時に、カバンの中から華麗な手捌きでパスモを取り出す。


ーー慣れたもんだ、学生の頃寝坊常習犯だった私はすぐにパスモを取り出すことなど容易だ笑


ブーー


「残高が足りないみたいですね、チャージをお願いします」


「ごめんなさい、今します」


ーーそうだった、この間飲み物買って綺麗に残高がなくなったんだった。 恥ず


出発間際に滑り込み乗車してきてさらに残高不足のチャージをする美羽。

車内の乗客の目線が痛い。


ーーいや、ほんとごめんなさい!!


「出発します」


無事? 定刻通りに出発したバスは映画の撮影場所があるスタジオに向かう。

今回はあるアクションアニメの実写化のエキストラとして応募した。

彼女自身、初めての映画の出演の為とても緊張している様子。


ーー急いできたから髪の毛やばいことになってる! 後で直さなきゃ


日曜日ということもあり、途中で乗ってくる人もあまりいなくスムーズにスタジオ前の停留所に着いた。

彼女と一緒に数名がバスを降りて同じ方に向かって歩いて行く。


ーーみんな撮影に参加するのかな?


そんな事を思っているとスタジオの入り口に着いた。


「撮影に参加する方はこちらで手続きをしてくださーい」


スタジオの中に入ると急に人でごった返していた。

そんな人の圧倒されながらなんとか受付の方に向かっていく。


「すいません、エキストラで応募した桜井です」


かなり緊張気味に声をかける。


「桜井さんですね! こちらを首にかけてお進みください」


想像の何十倍も簡単に受付を通った。


ーーもっと厳重なものだと思ってたけど、こんなに簡単でいいのかな?

意外に映画のエキストラって簡単な仕事? 残念


人が集まってきたところでスタッフから声を掛けられた。


「皆さんには今日、ここを歩いてもらいます」


見せられた光景に美羽を含め、何人かは驚きを隠せていなかった。


「え、、、想像よりもやばいんだけど!!!」


そこは人工的に作った砂漠の部屋で灼熱地獄だった。

何人かは諦めの顔をしていたが美羽は違かった。


ーーすごくおもしろそう!


彼女の初めての”映画撮影体験”が始まる。


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