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第8話 ツンデレ風紀委員、登場

 教室の扉を開けると、さっきまで騒がしかった教室がシンと静まり返る。俺はその雰囲気を無視して、自分の席に向かい、座った。


「あらら。予想通りクラスで浮いているんですね、君」


 俺はセーラをジロリと睨みつけた。浮いているんじゃない。自分から距離をとっているだけだ。


「まあ、ピアスにその派手な金髪じゃしょうがないですよね。いかにも不良ですって、自己プロデュースしてる人に関わりたくないですし」


 そうだ。普通なら俺なんかに関わろうとする奴はめったにいないが、そんな物好きが一人いる。


「黒田!」


 そのとき、一人の女子生徒が俺の名前を叫んだ。俺はその女子生徒を見て、ため息を吐く。


 名前は水野レイ。肩につかないくらいの短めに切り揃えられたサラサラの黒髪。アイロンのかかった綺麗な制服。ブラウスはきちんと第一ボタンまでとめ、スカートは膝下の長さ。


 優等生を絵に描いたようなこいつは、風紀委員会に所属していて、俺の髪色や服装に文句をつけてくる、面倒な奴だ。 


 校門を通らなかったのも、こいつが風紀委員の活動で、校門前に立っているからだった。


「またそんな派手な服装して!」


 水野はツカツカと俺のところまで歩み寄り、ビシッと指差した。


「うるせえな。俺がどんな格好しようが自由だろ?」

「ここは学校なのよ! そんな不良みたいな格好をして恥ずかしくないの! それに、服装の乱れは心の乱れって言うでしょ!」

「その言葉になんの根拠もないだろ。真面目そうな奴でも犯罪犯したり、暴力振ったりする奴だっているし」

「屁理屈言わないでくれる!?」

「俺が言いたいのは見た目で判断するなってことだよ」


 キーーンコーーン、カーーンコーーン、キーーンコーーン、カーーンコーーン。


「はっ! あんたと無駄話してるうちにチャイム鳴っちゃったじゃない!」


 水野はそう言って、俺の後ろの席に着席した。


 ーーガンッ!


「いてっ! 何すんだ!」


 後ろから椅子を蹴られた。


「ふんっ!」


 水野は知らん顔で窓の外を眺めていた。

 こ、こいつ……。


「お友だちいたんですね! 安心しました!」


 セーラは嬉しそうに言った。


「今のを見て友だちだと思うのかよ……」


 俺は深いため息を吐いた。











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