表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/29

第11話 幼なじみって奴は厄介だ

「どうして私に呼び出されたのかわかる?」


 放課後、俺はさゆり姉ちゃんに呼び出され、教室に居残りをさせられていた。


「……わからない」

「水野さんのことよ」

「なんでだよ。俺はただ水野の前の席に座ってるだけだぞ」


 さゆり姉ちゃんは一枚の紙を見せた。


「私の机の上にね、これが置かれていたの。そこには『水野レイが来なくなったのは黒田誠太郎が関係している』と書いてあったわ」


 あのとき、視聴覚室には俺と水野以外いなかった。いや、もう一人いた。


 俺はさゆり姉ちゃんの横に立っているセーラを睨みつける。セーラは俺の視線に気づき、顔をそらした。このちくり幽霊め……。


「何か心当たりがあるんじゃないの?」


 さゆり姉ちゃんは俺の顔をじっと覗き込んだ。


 落ち着くんだ、俺。あれは学校にエロ小説を持ってきていた水野が悪いんだ。俺に全く非はない。ここはクールにやり過ごすんだ。


「べ、べべ、別に。な、なな、何もないよ」

「本当に? その割にはしどろもどろのようだけど?」


 さらに顔を近づけてくるさゆり姉ちゃん。

 ま、まずい! なんとか誤魔化さなければ!


「姉ちゃんは俺よりその紙切れを信じるのかよ!」

「信じたいけど、セイちゃんと水野さんよくけんかしてたじゃない?」


 さゆり姉ちゃんはじろーっと俺を見つめた。その目は「早く吐け」と言わんばかりだ。何が信じたいだ。百パーセント信じてないだろ。


「そのときに言いすぎたってことはないの?」


 俺はポリっと頬をかく。


「まあ? ちょっとけんかして、俺が言い過ぎたことが少しは関係しているかもしれないけど」

「何がけんかの理由?」


 俺は水野の涙目になった顔を思い出す。


「それはちょっと。個人のプライバシーに関わることなんで」


 さゆり姉ちゃんはため息をついた後、一枚の紙を俺に見せた。


「なにこれ」

「水野さんちの住所。セイちゃん、行ってきなさい」

「はあ!? なんで俺が!」


 俺はガタンッと椅子を鳴らして立ち上がる。


「けんかしたならちゃんと仲直りしてきなさい。それにね……」


 さゆり姉ちゃんはダンッと机を叩く。


「このまま水野さんが不登校になったら、私の担任としての評価が下がるでしょう!」

「また自分のためかよ!」


 俺がそう非難すると、さゆり姉ちゃんはとんでもないことを言い出した。


「うるさいわね! 行かないなら、セイちゃんの恥ずかしい過去を校内放送してくるわよ!?」


 さゆり姉ちゃんが睨みを利かせてそう怒鳴った途端、俺の額にはかなりの量の汗が滲んだ。


「ぐっ……、卑怯だぞ」


 そんなことされたら俺が今まで築き上げてきたイメージが壊れてしまう……。


「なんとでもいいなさいな! さあ、行くの? 行かないの?」


 ジットリと睨むさゆり姉ちゃんの瞳。俺はワナワナと拳を握りしめた。

 本当、幼なじみって奴は厄介だ。

 俺はさゆり姉ちゃんから紙を乱暴に奪い取った。


「……行けば、行けばいいんだろ!」


 そう言うと、さゆり姉ちゃんはニコッと笑顔になった。


「うふふ。素直なセイちゃん大好き♡」


 何が大好きだ。この腹黒教師め。




お読みくださり、ありがとうございます。


「面白かった!」「続きが気になる!」


と思ったら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。


面白かったら星5つ、面白くなかったら星1つなど。


ブックマークもいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ