八つ目
今日は学校で、リア友に彼女を紹介していた。
リア友とは、リアル友達であり、リアルRPGをやっている友達でもある。
ぶっちゃけ、こいつらに彼女を紹介するのははばかれるが、この学校にはどうやら、リアのハイレベルプレイヤが何人かいるようで、共に対応した方が良いと決断した。
「彼女だから」
俺が紹介すると、リア友たちは、群がる虫のように彼女を取り囲み、早々に「仲間登録」をしていた。
仲間登録をすると、お互いが配置したモンスターに出会っても、それと戦わなくて済むようになる。
ただし、配置した宝箱も開ける事ができないので、良い事ばかりではない。
ちなみに宝箱を開けると、アイテムをゲットすると同時に、宝箱を配置する権利を得る。
権利を持つ者は、一週間以内に、何処かに宝箱を配置しなければならない。
もし放置すると、配置する権利は失効して、ランダムで何処かに配置される事になる。
宝箱を配置すると、配置した者や、その者と仲間登録をしていたり、パーティを組んでいる者以外は、誰でもその宝箱を開ける事ができる。
ただし、配置後一日以内に開けてもアイテムは入っておらず、宝箱を配置する権利も得られない。
開けられるまでの時間が長いほど、良いアイテムがゲットできるようなシステムになっているようだ。
だから、宝箱を見つけたら、誰にも取られないように守りつづけ、良いところで開ける人も多いとか。
だいたい、経過日数が、アイテムレベルに比例すると言われている。
レベル三百がクリアラインと言われているので、一年くらいとっておけたら、このゲームをクリアできるだけのアイテムが得られるわけだ。
後それと、宝箱は、誰もが入る事のできる場所にしか配置できない。
たとえば、学校や病院、駅ホームなんかはNG。
一方デパートや公園、無料美術館なんかはOKだ。
要するに、我々が仲間登録をするのは、宝箱の存在しない、学校内でうまくやっていく為と言えるかもしれない。
さて、とりあえず此処に集まっている五人と、今日から俺の彼女も含めて六人は、共同戦線をはって、共にクリアを目指す事になる。
クリアの仕方によっては、賞金を貰えるのは一人だけの場合もあるから、最終的には敵になるかもしれないが、まあ普通に考えて、俺達の中からクリア戦線に残れる奴が出てくるとも思えないし、深く考える必要もないだろう。
みんなのレベル、持っているモンスターを見せ合って、俺達は作戦会議をする事にした。
俺の彼女のレベルは、この中では二番目で、俺はビリの六番目か。
今だけは、みんなに先を行かせてやるが、このままで終わると思うなよ。
「坂本レベル低いな。仲間は彼女だけでいいかも」
ゲロゲロ!
すみません、仲間に入れておいてください吉田くん。
「きっと活躍してくれるよ」
流石さっちゃん。
腐っても彼女、ちゃんとかばってくれるんだよなぁ~
こんなところに俺は惚れたのかもしれない。
あっ、そうそう、俺の苗字、坂本だったみたいだから。
一応念の為。
「で、どうする?俺の調べたところ、この学校には、三グループほど確認はとれているが。」
三グループか。
この学校はやたらとでかいマンモス校だから、きっともっとプレイヤはいるし、グループもまだまだあるだろう。
此処に集まっている一年だけでも、みんなクラスが違うし。
俺のクラスにも、「ゾンビ」を飼ってる奴がいるはずだもんな。
結局、作戦なんて決まらずに、とにかくこっちも、モンスターを配置していこうって事になった。
せっかく集めた可愛いモンスターを、リリースするのは忍びないが、俺はよく考えたら全部売っていたので、特にやる事もなかった。




