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リア充RPG  作者: 秋華(秋山 華道)
22/44

二十二回目

 次の日、俺たちは装備を強化して、再び「ピサの斜々塔」に挑んだ。

 今度はギリギリ勝利した。

「このモンスターほしいお。僕にくれだお」

 佐藤が何か言っていたが、俺には何を言っているのか分からないので、とりあえずゲットした「ピサの斜々塔」を与えておいた。

 で、落としたアイテムは、「天使の羽」だった。

 これは、装備すると光属性を得て、更にステータスの上昇も得られる良いアイテムだ。

 しかし、問題があった。

 まず俺は、闇属性の鎧、と言うかタイツを着ているから、つける事ができない。

 光と闇は競合するからだ。

「切れる中二病ソード」も使っているし、今更光属性になるつもりもない。

 俺は、闇の炎属性で、このゲームを進めていくと決めていた。

 でもこれは、俺だけの問題であるから、俺が装備しなければいいだけの話だ。

 それよりも、実はパーティとして、大きな問題があった。

 それは、光属性の人と、闇属性の人は、同じパーティにいられないって事だ。

 要するに、「天使の羽」を使う奴は、俺とは一緒にパーティを組めない。

 一応今までは、暗黙の了解で、闇属性で行こうみたいな雰囲気にはなっていたが、もし誰かが「天使の羽」を使いたいと言い出したら、どちらかが、出ていかなければならない事になる。

 又はパーティが別れる時が来たのか。

 そう言えば、このような事、昔あったな・・・

 あの時は、クラスのアイドルだったエリちゃんの親衛隊だった。

 俺たちは意味もなく、とりあえず可愛かったエリちゃんをアイドルにしたて、親衛隊とか言って、何かにつけて応援していた。

 テレビで見たアイドルの親衛隊が、何故か格好良く見えて、ちょっとマネしてみようってところから始まった遊びだ。

 テストがあれば答えを教え、体育の授業ではエリちゃんに変装して代わりに走り、カキが食べたいと言えば、近所の家の庭に生っているカキを取って、その場で新鮮なカキをエリちゃんに上げていた。

 今思えば、もしかしてこれって、イジメと変わらないような気もするが、俺たちはマジでエリちゃんを応援していた。

 そんなある日だった。

 クラスに可愛い女の子が転校してきた。

 名前は確か・・・リエコちゃんだったかな。

 俺たちは一気に浮気した。

 その日からエリちゃん親衛隊は、リエコちゃん親衛隊に変わっていた。

 あの日のエリちゃんの嬉しそうな笑顔、今でも忘れない。

 ってあれ?喜んでる?

 でも俺は知っている。

 あの後エリちゃんがポツリと、

「ちょっとさびしくなったかも・・・」

 なんて呟いていた事を。

 今日またあの時のように、エリちゃんが忘れられたようにハブにされた悲劇を、繰り返す事になるのだろうか。

 そして今度は、俺がハブられるのだろうか。

 ってあれ?エリちゃんとリエコちゃん?

 どっかで聞いた名前だな。

 まあいい、とにかくどうなるのか、俺は黙って見守っていた。

 すると南が、ゆっくりと手を挙げた。

 そして珍しく話し始めた。

「あのね、今このパーティはね、坂本くんだけが闇属性だけど、きっとこのパーティは闇属性だと思うの。だから、「天使の羽」は良いアイテムだけど、此処は使わないで、みんな今のまま頑張る方が良いと思うの。そこでなんだけど、「天使の羽」はトレードに出せば良いと思うの。きっと「天使の羽」があるんだから、「悪魔の羽」とかって闇属性の羽もあると思うの。だからきっと、等価交換可能だと思うの。どうかな?・・・なんだか分からないけど、光属性に浮気するのは、良くないと思うの。光属性も、きっと迷惑に思っていると思うの」

 相変わらず、南は喋りだすと、長いな。

 でも、良い事言った!

 流石リエコちゃん!

 ってあれ?

 あの時のリエコちゃんって、南か?・・・

 要するにあの時、俺たち親衛隊は、迷惑だったという事か。

 しかもハッキリ覚えていなくて、トラウマになっていると。

 悪かったな南、イジメのようにちやほやしちまって・・・

「そうね。奴隷がいなくなると、寂しくなるからね」

 なんだそれ・・・って、エリ・・・は、高橋だったか。

 高橋は、あの時のイジメのようなチヤホヤも、意外に楽しんでいたようだ。

 そう言えば、俺たちからやったんじゃなくて、全部命令されていた気もする。

 昔から高橋は、こんな奴だったのか。

「じゃあ決まりだな。とりあえずトレードの件は、言いだしっぺの南にやってもらおう。トレードが成功したら、そのアイテムは、その時に誰が貰うかまた相談しよう」

 みんなは吉田の言葉に頷いた。

 と言っても、別に吉田が言った事は、みんな思っていた事。

 吉田がリーダーっぽく言っただけで、一瞬吉田の元に集まって、リーダーとして認めているような雰囲気が出ていたが、危ない危ない。

 お前は別にリーダーでも何でもないからな。

 とにかく、仲間が此処で分裂しなくて良かった。

 この後俺たちは、いつものように街をウロウロし、日が沈む頃、ニヤリと笑顔をかわして、無言でそれぞれの我が家へと帰っていった。

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