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リア充RPG  作者: 秋華(秋山 華道)
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二つ目

 このゲームは必ず、本拠地で起動して、プレイを開始しなければならない。

 本拠地とは、最初にゲームを開始した場所に設定される。

 俺の場合は、俺の家の部屋。

 此処に来れば、ステータスも全て回復し、万全の状態になる。

 そしてゲームを開始したら、スマートフォンの電源を切ったりしてアプリケーションを終了するか、死亡するまでゲームが続けられる。

 俺は毎朝通学路で死んでいる為、学校から帰ってきて、この部屋に戻るまで、ゲームを再開する事ができないわけだ。

 学校帰りにでも、友達と一緒に冒険に出たいわけだが、今はすぐに帰ってきて、近所の公園でレベル上げをする毎日を送っていた。

 もっとも、友達もみんな通学路で死んでいるので、今では、誰が最初に通学路のヌシを倒すのか、競っているわけだが。

 それにしても、このゲームは健康的だ。

 レベルを上げる為には、ザコのモンスター、通称「ザコモン」を倒さなければならないから、実際に公園をウロウロ歩いたり、商店街を歩いたり、とにかく歩いたりしなければならない。

 だから、ドンドン体力がついてくる。

 誰だよ、こんな疲れるゲームを考えた奴は!

 このままだと、俺は競歩の選手になってしまうぞコノヤロー。

 と言うか、俺はもう既に、体育会系のゲーマーという、新たな人種になってしまっているのかもしれない。

 そんな事を考えて町を歩いていると、前方に人だかりが見えた。

 今日も今日とて相変わらず、此処はゲーマーが集まっているようだ。

 俺はスマフォを通して、その場所を見た。

 すると沢山の勇者たちが、そこに映し出されている。

 その場所は、リアルでは交番なのだが、バーチャルに映し出される看板には、「アイテム屋」と書かれていた。

「なんで交番がアイテム屋なんだよ?」って思うわけだが、全国に必ずあるものでなければ、アイテム屋としては成り立たない。

 他にも郵便ポストなどは、アイテムを預かってもらえる「倉庫」になっていたり、消防署はステータス回復の「教会」になっていたりで無茶苦茶だ。

 まったく可哀相に、警察官は群がる勇者たちに、どうして良いか戸惑うばかりだった。

 そんな警察官を憐みの目で見つつ、俺も集う勇者たちの中に入ってゆく。

 スマフォを操作し、此処までに手に入れたアイテムやモンスターを確認。

 いらないアイテムやモンスターは、ドンドン売ってゆく。

 もうすぐ「ちょっとだけ良い剣」を買う事ができそうだ。

 此処までずっと「ネギ」で戦ってきたから、この剣が手に入れば、きっと俺様は一気に強くなる事間違いなしだ。

 いやね、まめに買い替えて、弱い武器を徐々に強くしていくより、一気に良いアイテム手に入れた方が、良いと思うよね?

 なのにこのゲームは、まめに買い替えて徐々に強くする方が、良かったりするんだよな。

 そんな事を友達に言ったら、バカにされた。

 この剣が手に入ったら、俺はまめに買い替える事にしよう。

 さあ、もう一頑張りだ。

 俺はいらないアイテムたちに別れを告げると、再び、日の沈む町へと、徘徊という名の冒険の旅に出発した。

 夜の十時を過ぎた頃、ようやく「ちょっとだけ良い剣」が買える見込みが立ったので、俺は交番へと赴いた。

 すると残念な事に、警察官に「さっさと帰れ!」と怒られてしまった。

 くそっ!そういう事だったのか。

 アイテム屋を交番にする事で、夜遅くまでゲームができないようにしていたとは。

 恐るべしゲーム制作会社。

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