十八回目
最近の登校は、リアグループで駅前に集合し、一緒に学校に向かっていた。
力の差は明らかなのに、荒川先輩の奴、パーティで倒した強いモンスターを、通学路にリリースしてやがるのだ。
もう俺たちには勝てないんだから、とっとと隠居しろよとも思うが、強いモンスターがあちらからやってくるのは、ある意味美味しい状況でもある。
強いモンスターってのは、街を探しても、そうそう見つかるものではないからね。
レベル相応の強さに調整される、「ザコモン」ばっかりだ。
ただし、一度倒したモンスターからは、良いアイテムをゲットする事はできないので、もうこちらからは、強いモンスターを相手にぶつける事はしない。
それを倒されて再配置されても、美味しくないからね。
だから、倒されるようなモンスターを配置するのは、あまり良い行動とは言えないのだ。
仲間登録をしていないプレイヤ同士で、お互いアイテムをゲットなんて事は、やっている人もいるようだけれど。
で、今日倒したモンスターが落としたアイテムは、なんと「ねこ耳」だった。
水属性が付与できるので、水属性の魔法を使う佐藤が、それを貰う事になった。
早速つけてみると、どうも低品質の「ねこ耳」だったようで、呪いがかかっていた。
残念な事に呪いは、教会に行くか、本拠地に戻らない限り、解く事はできない。
呪いを解く魔法もあるらしいが、そんなものを持っているメンバーではなかった。
呪いは、攻撃ができないってものだった。
我がパーティのエースでも、こうなってしまっては仕方あるまい。
足手まといはゴメンとばかりに、みんな無情にも、パーティから外すように操作していた。
誰か一人がやれば済む事なのに、凄く嫌われ者みたいじゃないか。
肩を落として歩く佐藤の後ろ姿、俺は一生忘れない。
苦しい時に思い出して、笑えるように。
間もなく佐藤は、死んだ。




