十六回目
さていよいよ、今日は三年第一グループとの、全面対決を決意していた。
パーティを組んで、荒川先輩に突撃する。
突撃は昼休み。
それまでに誰かが死ねば、作戦決行は明日に延期する。
しかし流石に俺たちは強くなっていた。
昼休みまでに死ぬ者はいなかった。
昼休みになると、俺たちは吉田のクラスに弁当などを持ち寄り、机をひっつけて、昼食を楽しんでいた。
最近俺たち六人は一緒にいる事が多く、なんだか不思議な気分だ。
だいたい女子と一緒にいるなんて、青春って感じだよな。
まあ俺の場合、さっちゃんがいたから、それなりに青春していたけれど、それ以外に女子の友達なんていなかったし、彼女とも学校ではほとんど一緒にいなかったはずだ。
これもリアの呪いって奴か。
こんなクソゲー一つで、俺の人生が華々しいものに変わりつつあるぞ?
どうしてくれるんだよ。
そんなわけで、みんなで笑顔と会話の飛び交う昼食を済ませた後、俺たちは一斉に立ち上がり、荒川先輩のいるであろう、三年の教室へと向かった。
戦闘をするには、荒川先輩、又はそれとパーティを組んでいるプレイヤと、我がグループのプレイヤの誰かが、二メートル以内に接近する必要がある。
教室内で食事をする荒川先輩の回りには、五人の仲間たちがそろっていた。
よし、真っ向勝負ができる状況だ。
吉田は意気揚揚と、三年の教室の入り口を開けた。
三年の生徒が、一斉に俺たちに注目する。
ゲームをしていない人から見れば、正に「やんのかこらモード」かもしれない。
三年生たちの視線が少し怖い。
だけど臆さず、俺たちは教室へと入っていった。
って、入っていってるの、俺だけだし。
まてよお前ら、三年の教室入るの怖いんだぞ。
振り返ると、みんなの表情から、俺への期待感がうかがえた。
仕方あるまい。
頑張って二メートル以内までいってやろうじゃないか。
俺はお花畑をスキップするように、バカな子を演じて、荒川先輩たちに近づいた。
そして二メートル以内確実なところまで近づくと、ダッシュで教室の外に逃げた。
ふぅ~、今日のミッションはかなり手ごわかったぜ。
みんなの輪の中に戻ると、みんなは笑顔で、俺をたたえた。
さっちゃんが俺に見せたスマフォを見ると、そこには無事勝利を伝えるメッセージが書かれていた。
よし、これで学校内に敵はいない。
要所に危険なモンスターを配置して、この学校は俺たちのものだ。
井上先生、仇はとりましたよ。
俺は一人、満足感にふけっていた。
しかし喜んでいるのもつかの間、こわもての三年生の皆さまが、いつのまにやら俺を取り囲んでいらっしゃいました。
仲間たちの姿を探したが、みんなは既にいなかった。
イジメ、かっこわるいよ。
今日の勝利の味は、血の色をしていた。




