十三回目
今日もいつのもように、交番の前でアイテムを売っていた。
すると警察官の安藤が、俺に話しかけてきた。
「どうだ?調子は?」
俺はいつの間にか、この安藤ってのと、それなりに仲良くなっていた。
と言うか、この安藤は、すっかりアイテム屋のおっさんになっていた。
そして勇者たちより、このゲームの情報を持っていたりする。
そらそうか。
毎日勇者たちの会話を聞いていたり、俺に話しかけてきたみたいに、他のみんなとも話をしているのだろう。
「ぼちぼち」
俺はいつものように一言だけ返した。
するとこの後、何か情報があれば、聞いてもいないのに教えてくれるはずだ。
今日も当たり前のように、安藤は仕入れた情報を話し始めた。
「そういや、藤山さん家の陽菜ちゃんが、「人殺しのナイフ」手に入れたって喜んでたぞ」
「そ、そうか」
おいおい、警察官が、そんな事を笑顔で話して良いのか?
それに陽菜ちゃんって、まだ小学三年生だろ?
なんだか凄くまずい話をしているように見えるんじゃ?
辺りを見ると、買い物のおばちゃん達が、白い目でこちらを見ているように見える。
まあ、見られているのはこの安藤だから、俺には関係ないけれど。
「後な、今日、駅前の北武デパートの広場で、ゾンビ祭りやってるらしいぞ。百人殺せば、抽選で「切れる中二病ソード」が貰えるとか」
「はは」
なんだよそのネーミング。
前から思っていたけれど、このゲームに出てくるアイテムは、名前適当過ぎるだろ。
でも、なんとなく強そうな剣に感じるから不思議だ。
俺はなんだか、その剣が欲しくなってきた。
「じゃあ、ゾンビ祭りに行ってくるよ」
俺は安藤にそう言うと、逸る気持ちを抑えながら、北部デパートの広場へ、全力疾走で向かった。
全然、逸る気持ち抑えられてねぇ。
しかも、ゾンビ祭りとか、普通なら絶対参加したくねぇ。
広場につくと、勇者が集まっていた。
でも、数が多すぎて、現れる「ゾンビ」はすぐに誰かにやられる。
ここに入っていっても、「ゾンビ」を倒す事はできないんじゃないだろうか?
まあ考えていてもはじまらない。
俺は、ゾンビ祭りの会場に足を踏み入れた。
広場内をウロウロする事三時間。
ようやく百人倒す事ができた。
暇だったから、スマフォのディスプレイを見ながら歩いていたんだけれど、「ゾンビ」が襲ってくるのは、見ていて気持ちが悪いな。
俺はもう二度と、確認以外では、ディスプレイを見ないと心に誓った。
つかマジで気持ち悪い・・・
帰り際に交番に寄って、いらないアイテムを全部売ってから、俺は部屋で一人、ゾンビ祭りで貰った抽選券を使ってみた。
どうせ当たるわけがないと思っていたんだけれど、なんと、ぱぱらぱっぱらぁ~
当たってしまった。
「切れる中二病ソード」をゲットだぜ。
俺は早速、ステータスを確認する。
するとなんと、母さんから貰った「意外と強い剣」よりも良かった。
しかも、闇属性がついている。
これは、俺に闇に堕ちろという事か。
別に闇の属性がついているからといって、自分も闇属性である必要もないが、闇属性なら、この剣の能力をパワーアップさせる事ができる。
とりあえずこれで戦うなら、闇属性を付与してくれるアイテムが欲しいなと思った。
俺は装備を「切れる中二病ソード」に替えて、この日のゲームを終了した。
その後は当然、授業中のバトルを有利に進める為に、予習は怠らなかった。




