表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ノクターンと千の歌】  作者: july❀
8/36

【ノクターンと体感男】

“可愛いお姫様”の一件で、【田中幸子】を怒らせたと心配していた翔平だったが、

その態度は、相変わらずの“いつも通り”で、逆に怖いものを感じだしていた。


「怒ってるよね?昨日のこと。」

「怒ってないよ。」

「明日絶対怒られるだろうなって思ってたけど。」

「なんで?」

「だって、前々から気になってたんだけどさぁ、なんで怒んないの?」

「はぁ?怒られたいわけ?」

「や、マゾじゃねぇから。なんか、絶対怒ってそうだなって思うことも、次の日普通にしてるじゃん?いつもなんでもない顔で。不思議だなって思ってさ。」

「あぁ。“どう感じる“とか”どう思う”とか苦手。「ダメ、ヤダ、それ意外」みたいな感じかな。」

「伝説のホストか。ふぅ~ん、そうなのか。」

「波風立てても仕方ないから。」

「大人よね。」


結局冬休みも春休みも田中さんと会うこともなかった。てかさてかさぁ!それどころか今だに音楽室だけじゃん!?進歩も進化もありゃしませんよ。なんて、おっさ…お父さんみたいなことを思いながら、翔平と田中さんは高校2年生になった。同じクラスになるように全身!全霊!で!祈りを捧げた翔平だったが、見事に玉砕した。

りんだがいない日にもっと色々しゃべれるようになりたいよなぁ~…。


「放課後って、何してるの?」

「翔平くんは?」

「お、俺?俺はバイトしたり、カラオケ行ったり…かな。」

「ふーん。高校生って感じだねぇ~。」


田中さんが大人のお姉さん口調で言ったのが1年の夏頃かぁ。


「うん…。じゃなくて、田中さんは?あ、今日の放課後は?」

「カラオケ行ってから、バイト。」

「や、それは、俺の話。」


突っ込む翔平に、田中さんは“あら、そう?”という表情でパッと口を開けて笑い驚く顔をした。

あの顔、可愛いかったよな。

豆柴レンズに焼き付いた想い出のアルバムの1枚に、ヘラヘラしやがる。←お口がお汚い


「お家どこ?」

「秘密。」


田中さんの相変わらずの冷えた無表情が2学期だろ?

仲良くなった“つもり”でいたけど、そういえばなんも仲良くなってねぇ!ことに今さら気がついてしまった。


「お家でいつも何してるの?」

「勉強してる。」

「それは、嘘だな。」

「今のは、嘘だね。」


和やかに話はするのだけど、出会いからもうそろそろ1年経とうとしているにもかかわらず、会話は“音楽室限定”。それも当たり障りのない内容がないよう。俺にとって【田中幸子】は、相変わらず謎のままってことだよな。


「今日の放課後さぁ、一緒に帰ろう?」

「ヤダ。」

「なんで?」

「なんでも。」


なんたる冷えた声。あーたには冷凍庫が標準搭載されてるざますわね。


「じゃあ、休みの日は?何してるの?」

「寝てる。」

「…寝てそうー。うん、わかるわぁ~。うんうん。」

「ちよっと…?」

田中さんは、突っ込むような顔で、目を細めてメンチをきった。


「まぁまぁまぁまぁ。あ、今度の日曜さぁ…一緒に遊ぼう?」

「ヤダ。」

「なんで?」

「なんでも。」


先生がいないとこうも違うんだよなぁー。“ピアノにうっとり会話”とは、やっぱり全然違う。

【田中幸子】のことを聞こうとすると、全然会話にならん。いっつもこんなもんで終わっちゃう。



『前奏曲 第15番 雨だれ(Raindrop)』


ピアノの詩人・ショパンが3年に渡って書きあげたという『24の前奏曲』は、肺結核を患っていたショパンが死の淵をさまよいながらも、作曲の筆を止めることはなかったという前奏曲集。

24曲中『雨だれ』にだけ標題が付けられた、ショパン入魂のプレリュード。


「先生の密かな楽しみなんだ。」

「え?」

翔平は、いつも通り準備室のドアのところから田中さんの演奏を聴いていたが、

先生に話しかけられ、少し歩み寄っていった。


「今日はショパンの何弾くのかなー?って。」

「俺も楽しみっす。この曲は?」

「これは『雨だれ』。綺麗な曲だよねぇ~…なんとも胸にポタポタと、雨粒が落ちてくるような切ないメロディ…。窓際で寄り添う男女は、外の雨模様を静かに見つめている…ポタポタポタポタ…雨音の涙を響かせながら…」


―すぐにスイッチ入っちゃうのね。―


「どうしてこんなに大人っぽい歌い方できちゃうんだろ…。」

先生は切なそうに微笑んだまま話を続けた。


「初めて田中さんのショパンを聴いた時は、鳥肌がたったわ。凄すぎて。プロだよ。その時に弾いたのがショパンの『ノクターン2番』だったんだよねー。技術的には難しい曲じゃないんだけどさ、もう最初のタッチで、惚れ惚れするわぁ~…!って。なんて雑みのない歌い方するんだろ!って。音大にもこんなに人の心を引き込む子はいなかったなぁ~。才能か…宿命なのかな。」


「あ、わかる。俺もそうでした。全身に鳥肌。」


わからんくせに。←あなたこそ


「その腕を信じないとかじゃないんだけど、“もう1曲弾いてくれないかな!?”って、先生おもわずお願いしちゃったんだよね!笑うわ。そしたら、田中さんチョット戸惑った顔して、微笑みを滲ませた顔っていうのかな?そっと鍵盤を撫でたのよ…。その表情に先生ゾクゾクしちゃったわよ!16歳でなんて妖艶なのよ!って。」


先生が興奮して楽しそうに話すから、翔平もなんだかワクワクして、紙芝居を楽しみにしていた昭和の子供のように目を輝かせて食いついてしまう。


昭和。←もう令和


「え、で?で?2曲目は何を弾いたんですか?…まぁ、聞いても俺知らないだろうけど!」


「そうそう。先生も何弾くのかな?って凄いワクワクしてたの。『9-2』のあとだから、ショパン以外のもっと技巧が難しい曲弾くかな?技術的なとこ見せつけるかな?っておもったからさ。でも、田中さんは…田中さんがピアノを弾くのって、そういうことじゃないんだって思った。…田中さんはねぇ、またショパンの甘くて優しい旋律『子守歌』って曲を弾いたの。『子守歌』は、もうその名の通りのすごーく優しい歌なのよ。」


不思議だけど、田中さんが“お母さん”に見えたのよ。愛情が滲む母の顔!本当に赤ちゃんに子守唄を聴かせるみたいにさぁ~…囁くように…歌うのよ。自然の中のログハウスで、静かな木漏れ日に暖かく包まれて、ロッキングチェアに優しく揺られながら…母と抱く子とのあたたかい時間がゆっっったりと流れる…赤子は母の腕の中で眠りに落ちてゆく…。んまぁ~あのタッチにしびれたなぁ~…!て、コレは先生の勝手なイメージだから意味分かんないよね?笑うわ。


―今日のうっとり加減はいつもの100倍だな、りんだ。―


「“お母さん”て。そりゃ笑うわ!」


「ねー。今は練習か気晴らしなのかわからないけど、その日の気分で1曲弾いてるみたいだけど、ショパンだけを。すごく大人の顔…というか、悟ったような表情で弾くから余計に鳥肌が立つのかも。怖いというか。飛んでくる音の粒が、良くも悪くも感情を丸出しにして歌う。」


「なるほどぉ~。感情を丸出しで歌う…か。なんか俺には全然わからん世界だけど、同じピアノから色んな音が出てすげぇとは思ってたけど。歌と同じなのかぁ~。」


「だからかな。田中さんの音色ってなんか眠くならない?良い意味で。」


「あ、わかるわかる。麻酔銃打ち込まれたみたいな?」


「んー…打ち込まれ…まぁそんな。もう眠ってしまいそうなのに起きて聴いていたい…矛盾した気持ち。除夜の鐘を待つ小さな子供が眠気眼をこすって…みたいな感じに近いかとおもったけど、違うんだよね。あれは、あのタッチは、眠りを誘う子守唄だわ。」


「子守唄か…。なんか可愛いっすね。わかる気がする。睡魔が襲う感じ。」


「睡魔…そうだね。艶っぽい…睡眠薬。」


「艶っぽい睡眠薬か。なんか危険だなぁ。」


「佐伯くんは、あんまりピアノわからないかもしれないけど、田中さんのピアノは本当にスゴイよ。“音楽の先生”の私なんかが言うのがおこがましいくらい。プロのピアニストの演奏を生で聴かせてもらってる感じだよ。このピアノじゃもったいなさすぎるわね。」

そう言うと、先生は少し残念そうな顔で苦笑いをした。


「こういう『雨だれ』みたいな大人な顔も好きだけど、やっぱり田中さんは『ノクターン2番』が1番似合うな♪」

りんだは思いきり伸びをしながら笑った。


わかる。田中さんには『ノクターン2番』が本当に良く似合う。って、こうやって、りんだから田中さんの情報聞くしかないんすかねぇ~。


「先生がさぁ、「田中さんはプロのピアニストだ」って言ってた。」


まるで自分が褒められたかのように嬉しそうに豆柴が田中さんに伝える。

並んで歩く距離は、少しづつ…少しづつ伸びていた。


「先生は大袈裟に言ってくれるから。」


―なんというシラけた笑い。―


「またまたぁ~。謙遜しちゃってぇ~。」

「セールスマンか。」


田中さんの冷えた無表情に、いつも通りに顔面が寒くなる感覚を覚える翔平であった。

まぁ、もう慣れたけど。



「あのさぁ今日さぁ、近くで聴いてていい?」

床でのお昼ご飯を食べ終わり、ピアノに向かう【田中幸子】に翔平の目が追う。


「…べつにいいけど?」


豆柴はニコッと笑った。


「…チョット、近くない?」


翔平は、田中さんの左真横に椅子を持ってきて座った。


「1回間近で聴いてみたかったんだよね!プロの演奏!」

「は。あ、そう…。」

「弾きにくい?」

「まぁ、チョット…いいけど。」

「さすがプロ。」

「バカ。」

田中さんは、チョット嬉しそうに小さく笑った。


「何か聴きたい曲とかあるの?」

ふと、彼女が翔平にたずねる。


「え…?そりゃあ、もちろん『きゅうのに』でしょ!」

「…それしか知らないもんね?」

「ちょ、毎日聴いてるんだよ?さすがに色々覚えました!」

「あら、スゴイ!」

「“『ノクターン』ていうのは『夜想曲』のことで、もちろんショパンに限ったものではなくて、リストやドビュッシーの名曲も有名なのは言うまでもないの。ショパンの『ノクターン』は、全部で21曲もあるんだよ。”…どや?」

「すーごい記憶力。そんな話したね。」

「でもやっぱり、田中さんには『ノクターン2番』が1番似合ってるなって…思うから。って、先生も言ってたし。」


―1番最初の想い出の曲だからね。―


「なんだ…それ。…まぁ、いいけど。じゃあ『ノクターン2番』ね。」

「リクエスト聞いてくれるんだ?嬉しいな。」

「せっかく近くで聴くなら、聴きたい曲がいいかなって。」

「優しいぃ~ありがと!」


翔平は、嬉しそうに喜ぶ子供のような小犬のような豆柴顔で笑った。


シーソー…ファーソファーミ…

ふわっと身体が宙に浮く。午後の陽射しに力が抜けて、めまいのする意識が軽くなる。目がしょぼしょぼトロ~ンとしてしまう夢見心地。


「田中さんがピアノ弾きだすと、さびれた音楽室が突然コンサートホールに見えるから、本当に不思議。」


こんなに心地良いメロディだもんな。りんだが言ってたのって本当だな。翔平は先生の話をふわふわ浮かべて彼女の横顔を柔らかい微笑みで見つめる。


「音楽室とはとても思えない、綺羅びやかな空間を創りだしちゃうんだよね。壁や天井に、いくつものライトの光の粒が散りばめられて…シャンデリアが輝いて…ステージの女神にスポットライトがあたる…静かな笑みを滲ませて…」


りんだがうっとり言ってたのが、だんだんわかってきた気がするな。俺にもスポットライトが見える。

コンサートホールの客席には俺一人。白く輝く純白のドレスが、田中さんの表情をより豊かに輝かせる…その愛が歌いかけてくる…愛してるわ…私のこと愛してる?フッ、可愛いやつだな。あたりまえだろ…死んでも愛してるよ…俺に捧ぐリサイタル…!左手をグランドピアノについて、右手を胸にあて、にこやかに頭をさげる幸子…。拍手喝采!って、俺一人だけど。


りんだを超えとります。←変態ですね


「ブラボー…」

「何それ。何やってんの?」

「りんだのマネ。」

「りんだって…。」


翔平が胸に両手をあててうっとりしてるから、田中さんは、この不審者を通報するべきだと本気で思った。

ともあれ、この日から俺は毎日、田中さんの左真横で演奏を聴けるようになったわけだ。まぁ小さな進歩だな。


「佐伯くん、スゴイ贅沢なことしてるわねー!」

次の授業の準備を始めようと準備室から出てきた先生が冗談で笑って言うと、

翔平も「でしょぉおおお!?」と自慢げに笑った。


「一流のピアニストの演奏を、そんな距離で聴けることなんてないよ?」

「確かに!」


そんな2人のやりとりにも、田中さんは“はいはい”の顔で、

「もういいよ。褒めても何もでません。」

と言いつつ、なんだかまんざらでもなさそうねという嬉しそうな顔じゃんか。


それは、林田先生がいない、もう慣れた2人だけの昼休み。

いつものように田中さんはピアノへ向かう。するとこの日は、翔平が椅子を持ってくる様子がなかった。


「…今日は、いいの?」

「待っててくれてるの?」

「違うけど。」

「チョ待てyo…!や、いいこと思いついて。」

「何?」

「チョット…もうチョット右寄って?」

そう言うと、翔平は田中さんの肩をそっと押してピアノの長椅子の右に寄せた。


「は?」

「ほら。やっぱ座れた!」

翔平は彼女の左横のスペースに並んで座った。


「…は?ピアノ弾きたいの?」

「違います。弾いたことないし。」

彼女は、また“は?”の顔を向けた。


「や、この椅子横に長いから、2人座れるんじゃないかなぁ?と思って。」

しれーと言う翔平に、彼女はまだまだ“は?”の顔を向ける。


「ここで聴きたい。」

翔平は、嬉しそうな無邪気な豆柴スマイルで言った。


「は?無理。」

「弾きにくい?」

「弾きにくいよ。邪魔だし。」

「ハッキリ言い過ぎだろ!」

「本当に腕とか当たるし。」

「ぶつかってもいいよ?」

「頭大丈夫?」

「大丈夫じゃないと思う。」


翔平は吹き笑いながら、また無邪気に笑った。

すると、【田中幸子】は立ち上がった。


「え?ごめん!怒った!?」


翔平が慌てて聞くと、立ち上がったまま、彼女は真顔で翔平を見下ろした。


そして、ふんーと鼻でため息を吐くと、

「そうじゃなくて!」と、椅子を押すジェスチャーをした。


「え?」

何を言われてるのか理解できない翔平に、

「右すぎて弾けないんだけど!?」

「あ、位置!?ふんふんなるほど。」

翔平は納得して、慌てて立って椅子をずらした。


「こんなもん?」

「んー…チョット待って。」


田中さんは、なるべく椅子の右ギリギリに座って、ポジションを確かめた。


「おーけー?」

翔平は立った姿勢のまま、彼女の顔を覗きこむようにして言った。


「座ってみて?」

「え?あ、はい。」


翔平が座ると、彼女は自分の左腕を鍵盤の上で左右にブンブンと振った。

その後で、わざとバシンッ!と翔平の胸元に水平チョップをかました。


「いっっってぇ…!」

「ほら~、やっぱ無理だと思う。本当にぶつかっちゃうと思う。」

悶絶の翔平にかまわず、田中さんは何事もなかったかのように淡々と言う。

「あぁそうですか。良いです良いですよ…」

翔平も切り替えた。


「俺はぶつかっても…水平チョップじゃなきゃ!いいよ?」

「…演奏止まっちゃうよ?」

「ん…じゃあ、止まっちゃったらココに座るの諦める。」

「…まぁ、いいけど。じゃあ、やってみますか。」


田中さんが弾き始めると、確かに少しいつもと違うというか、動きも音色も少しぎこちない気がした。でも、だんだん先生が言うゾーンを捉えていくみたいだな。やっぱり俺の存在がないかのように『ノクターン2番』を奏でていく。


翔平もしかり、ゾーンを捉えられていた。ふわぁ~っとリクライニングが立ちくらみのように倒されていく。

あぁー…今度こそ、これは本当にヤバイかも。こんなに間近で響くピアノの音色は、吹き矢で身体中に無数の鎮痛針が四方八方から飛ばされてる感じだな。チクチクチクチク刺さってくるみたいで、痺れるような、耐え難い…襲われる麻痺。

『9-2』の懐の深さに狂おしいほど…包まれたい。


時々、身体が少し当たると我に返るような場面もあったけど、翔平もなるべく邪魔にならないように体勢を左後ろに引くようにしていた。正直、モヤシの腹筋がつるかと思った。

演奏を終えると田中さんは、手を鍵盤から離した勢いのまま自分の太ももにパタンと置いた。


「やっぱ…スーゴイ弾きづらかったわ。」

冷えた無表情で言ったあと、フフと少し笑った。


「でも…止まらなかったよね?」

「まぁね。気を使ってくれてたし、何より…スーゴイ気を使いましたので!」

嫌味な笑いで言いながら、ピアノの蓋を閉じた。


「あのさぁ…」


さっさと行こうとする田中さん。


「ん?」

「なんでそんなに普通なの?」

「何が?」

「近くで聴きたいとか隣りに座りたいとかって言ったら…座らせてくれたり。その…どう思ってるのかな?…と思って。」

「どうって…体感したかったんでしょ?ピアノの演奏。」

「はぇ?」


なんてマヌケな反応するのよ、翔平くん。


「離れて聴くのと間近で聴くのとじゃ、体感でも響きが全然違うから。」

「はぁ…。」


翔平は、【田中幸子】の疑う余地のない回答に、実際この近距離で見た指の動きや彼女の表現に圧倒されたのは事実であって、あの…その…状態に陥っていた。


「じゃあね。」

そのまま田中さんは先に音楽室を出て行った。


―あ、そういうふうに思ってたのね…。―

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ