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自作小説倶楽部 第23冊/2021年下半期(第133-138集)  作者: 自作小説倶楽部
オープニング
1/26

00 奄美剣星 著  『五輪が嫌ならケーキを食べればいいのに/画塾講師Amami 』

挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「自画像(大嘘)」

 リビングでスマホを開く。フォロワーさんが少し増えていた。そこに……。


 「針鼠男」/DMしない、エロ・儲け話禁止。誹謗中傷するクズ野郎、どこまでも咬みつくからな。――ツイッターのプロフィールに、こんな取り扱い説明書を書く人がいる。それでいて私の垢にフォロー。……あのお、怖いのですけど。前半は判るけれど、後半がね。こっそりブロックすればいいのに。/(「呟き小説」8月1日)


 アントワネット様化した私は、ブツブツ言いながら、スマホを閉じる。

 それから。


 家族がワクチン接種会場に行くので車を運転。帰りに書店に寄る。包装で内容は判らないが、インパクトのある題名作品『空手バカ異世界』『JKハルは異世界で娼婦になった』を書架でみかける。/で結局、購入したのは『葬送のフリーレン』『東京芸大』『ミステリという勿かれ』……私は保守層。/(『呟き小説』7月31日)


 東京オリンピック開催期間は連日猛暑だ。本日も屋外は蝉しぐれで、熱中症アラートが報じられる。クーラーをつけて家に引き籠り、先日購入した漫画3冊、各1巻を読むことにした。


 まず『葬送のフリーレン』だ。

 昔、魔王を倒したパーティーは、凱旋後、メンバーが老衰逝去していく。不老長寿のため取り残されたエルフのヒロイン、フリーレンは、一緒のとき仲間について無知だった自分を恥じ、知りたくなって、昔の旅路をたどっていく。一種の教養小説のようだ。/(『感想』8月3日)


 次に『最後の秘境 東京芸大』。アラサー作家が、妻が現役芸大生であることから、芸大を取材。そこには、確かに天才だが浮世離れした変な人ばかりがいた。オムニバス。/(『感想』8月3日)


 最後に『ミステリと言う勿かれ』。これは逸話2つで構成されている。第1話がオープニングで、探偵役の学生が冤罪で逮捕、取り調べ室で小刑事たちに尋問されながらも、巧みなロジックで逆に翻弄、遂には真犯人を炙りだす。第2話がバスジャックで、第2巻に続くとなる。……大のカレー好きなところが萌え。/(『感想』8月4日)


 漫画本を自室の書架に戻す。それから私はダイニング・キッチンに向かった。流し台には大昔に買った日本製ステンレス水筒がある。中に、日東のアッサム茶を入れ、湯沸かしポットの熱湯を注ぐ。数分して、ステンレス・マグカップに氷を入れ、紅茶をいれる。

 読書後はテレビでオリンピック競技を視る。女子スケートボードだ。会場の床は山あり谷ありの複雑な地形で、各国代表選手たちは、滑空と飛翔を繰り返し、まるで燕が飛ぶようだった。彼女たちは、ライバルが競技を成功させれば称え、失敗すれば慰める。なんかいい感じだ。あるスケートボード教室は、競技直後に150人の会員登録があったのだとか。


 評論家先生たちが、東京五輪にまつわる、こんな裏話をYouTube動画に上げていた。

 コロナ禍のため、左翼系野党・マスコミは、中国・韓国の主張と歩調を合わせ、東京五輪開催に否定的だった。当初、日本国民世論もそれに沿ったものだった。ところが大会が始まってみると、アースリートたちの奮闘で、連日のメダルラッシュになった。それで国民の大半は手のひらを返して熱狂。すると野党・マスコミは梯子を外れた形になった。野党は五輪中止論の話題を変えて、政府のワクチン対応の遅れを攻撃した。他方、マスコミは、五輪に絡めた企業の広告収益を期待していたが、猛烈に五輪中止論を展開していたにも関わらず、手のひら返し、メダルラッシュに狂喜する報道をしたので、スポンサー各社は企業イメージの低下を恐れ、五輪バッシングをしたマスコミに広告依頼を出さない。このためマスコミは大損害を被ったのだそうだ。


 昼。御飯をつくるのが面倒になった私は、代わりに、冷蔵庫からケーキをだして食べた。


     ノート20210804



挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「スケボー」


挿絵(By みてみん)

挿図/Ⓒ奄美剣星「自画像(またも大嘘)」

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