二人の安否
クジライヌ内部の医務室に救助したティーンの男女が搬送された。ドルフィナとアスラとジェイソンは医務室に搬送された二人の方に向かった。
「あなた達、大丈夫?」
ドルフィナは搬送された二人に声をかけた。
「…悪い…、俺は…、もう…、助かりそうもない…。何故なら…、毒矢を…、撃ち込まれたんだ…。俺は…、BBB団の一員だった…。組織を脱けた報いで…。俺が…、望む事は…、『ジャスミーナ』が…、無事でいる事だけだ…。それ以外は何も…、望ま…な…い…」
創口に包帯を巻かれた男性はBBB団を脱けた事から毒矢を撃ち込まれた事と、何よりジャスミーナが無事でさえいれば何も望まないとドルフィナ達に伝えて息を引き取った。
「BBB団…、何故だ…?何故脱けただけで殺しにかかるんだ…?」
アスラはBBB団の所業に疑問を抱いた。
「BBB団に限らずブラック組織は裏切りを一切赦さない…。そういう物ですな。」
ジェイソンはアスラの問いに答えた。
「なるほど…。ところでだが、女性の方はどうだ?ドルフィナ。」
アスラは女性の安否についてドルフィナに振った。
「女性の方は大丈夫よ。とにかく今は安静にしておきましょう。」
ドルフィナは女性の方は大丈夫と答えた。
「じゃあ、彼女が目を覚ますまではわたしが面倒見るわ。あなた達は男性の遺体を棺に。」
ドルフィナはアスラ達に男性の遺体を棺に入れるよう促し、二人は男性の遺体を棺に入れて医務室を後にした。
それから数h後、医務室で女性が目を覚ました。
「…ここは…?」
「クジライヌという巨大カムイの中よ。あなたは海の中に沈んでいたの。…あっ…、わたしはドルフィナ。あなたは?」
「私…、ジャスミーナ…。」
女性はジャスミーナと名乗った。
「ジャスミーナね。」
「ねえ…、私と一緒にいた男性の方は…?」
ジャスミーナはドルフィナに男性の安否について尋ねた。
「…亡くなったわ…。あなたの無事を願いながら…。」
ドルフィナはジャスミーナに男性の死を伝えた。
「…そんな…。」
ジャスミーナは号泣した。ドルフィナはジャスミーナを抱擁した。
それから数h後、ドルフィナに呼ばれたアスラとジェイソンも医務室に来た。
「初めまして、君がジャスミーナだね。僕はアスラ=ルーン。」
「それがしはジェイソンという執事です。」
「…初めまして…。」
アスラ達はジャスミーナに自己紹介をした。
「ジャスミーナ…、早速で失礼だけど、遭難した経緯についてお話し頂けないか?」
アスラはジャスミーナに遭難した経緯について尋ねた。
「はい…。」
ジャスミーナは承諾した。果たして彼女の口からどんな事が語られるのか?