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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
99/132

97 鍛冶師の目が光る

前回、投稿ができず申し訳ありませんでした。


やっぱ余裕持つべきですね…

 小さな頃から海賊のにあこがれていた。まだ見ぬ冒険と財宝が待っていると考えたとき、鼓動が早くなりウキウキとした気分となる。

 この感覚は大人になった今も変わらない。むしろ、グランド・エデンにて、より高揚したと言えよう。


 なのに現実は甘くはない。何事もうまくいくとは限らないからこそ仲間達とともに乗り越えてきたが、それすら跳ね除ける青空騎士団の精鋭に攻め入られた。


 もうほとんど壊滅状態。


 もし収集命令がもう少し遅かった場合、全滅もありえただろう


「たく、遅すぎるんだよ。青の鍛冶師さんよ」


「悪いね。思ったより敵配置がつかみづらくてね。その代わり、団長の位置は把握できたよ」


「そりゃ良かった。あんたらの顔を殴らずに済んで」


「おお、怖い怖い。そんなに仲間を見殺しにされたのが気に食わなかったかい」


「そんなことはねぇ。無駄死にじゃなけりゃ報われる」


「ならもっと頑張らなきゃね。踏ん張りどころだよ」


「おうよ!全員に告ぐ、この広場に出る道が最後の砦となる。早速大砲の準備に取り掛かれ!」


 流星海賊団の強みはやはりその連携力と技術力。みるみる砦が構築されていき、一つの壁が完成した。


「そういえば聞き忘れていたが。その長物の使い勝手はどうだったかね?」


「正直言って最高だよ、このスナイパーは。量産できず今この場にある二丁しかないのが傷だが、それでも十分活躍できる」


「ほう、ではその活躍を見せてくれよ。ついでに改善点があるなら言っておくれ」


「こんな戦場だっていうのに。あんたは生産者の鏡だぜ」


「そりゃどうも」


 お互いその手にスナイパーを担いでいた。ただその形はいびつで、なんとフックショットが取り付けてあった。それで高台となる屋根に乗り移り、暗がりの奥へと走るのであった。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 毒瓶をばらまき無双してた状況から一変、海賊どもの姿は忽然と消えてしまった。もちろん全滅させたわけではない。とびぬけた隠密能力を駆使し逃げられた次第だ。


「なぁミラ様ぁ、どうするだべ。見失ってしまっただよ」


「彼らの隠密能力、正直なめてたわ。私の()()()ですら見つけられない」


「キヒッ!ここからは不意打ちによる即死クリティカルに警戒するべきだね。奴らの得物ならそう難しいことではないだろうね」


「メービィーの加護が残ってるうちに見つけて殲滅しときたいわね。最悪一回までなら不意打ちを受けても耐えられるから」


「しかし、もうそろそろ魂が集まったのではないかね?奥義の発動条件ならこちらの区画だけで十分達成してるはずさ」


「確かに、必要分は確かに集めたわ。何か問題でも起こったのかしら」


 フォーミラはその手にモニターを表示し、グリコに対して連絡を試みる。

 幸い直ぐにつながりそのモニターには互いの映像と音声が流れる。


 そこにはソーラとダンテが共闘し、黒装束の狐と交戦してる風景が見られた。


『やっほミラちゃん。調子どうかな?こっちはね、すばしっこい相手に絡まれて苦戦してるんだよね』


「ちょっと待て、あの二人に苦戦を強いらせるなんてよっぽどの強敵じゃない!何であんたはそうのんきにしてるのよ」


『あきれるのは分かる。だが、奥義の術式を解くとせっかく集めた魂が無くなっちゃうんだよね。だから最低限の魔法しか使えないわけだが、ミラちゃんみたいな転移能力を持ってるらしくてね、僕の攻撃が一切当たらないってわけなんだ』


「まって、転移って言った?」


『言った。ほら、今転移しただろ。見たよな見えたよな?』


「同じ転移師として戦いずらい相手なのはよく分かるわ。正直仲良くしていきたいところだけど……じゃなくて、奥義はまだ繰り出せないの?」


『いくらか試みたけど、狐の…狐影って名前らしいが、そいつのガードが固くてろくに発動できない』


「防戦一方ってことね」


『できれば、ミラちゃんの転移で数人こっちに増援呼べないかな?加護が解けちゃったし、メービィーとかいれば助かるんだけど…』


「いいけど、まず先に合流してからになるよ。それまで耐えられる?」


『まだ余裕そう。でも、団長達の集中力が切れる前にお願いするよ』


「了解。聞いたわね二人とも、今からメービィー達と合流してグリコ達の元へ向かうわよ」


「キヒッ!了解」


「分かっただ……」


 刹那、マイクのその額が二つの閃光によって貫かれる。

 それは、メービィーの加護をも貫通し、あえなく彼はガラスのごとく砕け散るのであった。


「…!?転移」


 即座に危機を直感したフォーミラは、リースと共に建物へと避難するのであった。


「何事!?マイクは…彼はどうなったのかね」


「あんたが慌てるなんてらしくないわね。でも、分かるよ。予想だにしてない状況に陥ってるのは確か」


 そう、青空騎士団の全員にメービィーの加護が付与されている。それは例え爆弾が暴発しても、不意打ちで首を狩られても、あらゆる死を一度だけ回避できるのだ。


 にもかかわらず、マイクは死んだ。そうでなくても騎士団の中でトップのタフさを持つ彼があの一瞬の隙に倒されてしまったのだ。そんな攻撃を、騎士団ツートップの紙装甲である二人が耐えられるわけがない!!


「まずは落ち着きましょ。あの攻撃は、私の転移範囲よりもっと遠くから狙撃されてるっぽい。だから、今の時点で私達は何にも仕掛けることはできない」


「飛距離からしてスナイパーの類だろうか、どちらにせよ規格外な物を。かのスミス団長と共に研究してた頃を思いだすような奇想天外な発明だよ」


「狙撃手は少なくとも二人いる。さっきの攻撃は一撃目で加護を外し、二撃めでとどめを刺した…こうもタイミングを合わせて狙撃するなんて至難の業だけど、止まっている的には流石に当てれるっぽいね」


「どうします?」


「狙撃手相手なら北部にいるリースに頼まなきゃ無理よ。ここからじゃかなりの距離がある。分担したのがここで仇となってきたわね」


「ではここからは…」


「逃げの一手に賭ける、私達ならそう難しくはない。リードは煙幕の用意をお願い。開けたところに出る直前は合図するから、絶対射線を通しちゃダメ」


「キヒッ!了解」


 追い詰める側かと思いきや、追いつめられる側にいつの間に回っていた。詰まるとこそんな状況だろう。それでもなお、冷静に作戦を練りこの悪い流れを打破しようとする様子は流石上級ギルドの精鋭だといったところだろう。


 一つの失敗が、一瞬の判断が、勝敗を決める要因となってくるだろう。


 もうこれは、遊びの域を超えた本気の戦争だ。

次回、月曜投稿予定。


ただ忙しくて、前回みたく投稿がおろそかになるかもしれません。でも頑張る。

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