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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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92 盗賊の意地

 眠い集中できない。そんな中書いた割にはまあまあのできです。


 どうぞごゆっくりお読みください( ˘ω˘)

 《スラム街北部》


 青空騎士団による襲撃はすでに始まっていた。

 遠くを見やれば炎の円柱が立ち上り、建物ごと多くを燃やし尽くしているのがわかる。

 そこと比べ、他の区画は基本静まり返っていた。


「なあリース。確かに向こうは揺動として動いてるとはいえ、あまりにも静かすぎやしないか?」


「奇遇ね、プレーヤーどころかNPCも見当たらない。暗いぶん索敵も難しいしね」


「へっ、情けねーな。まあ、俺みたいに夜目がないならしかたねーか」


 彼らは青空騎士団の干支群である前に、現実での幼なじみである。

 そのため、戦いの中でも仲の良い会話が弾む。


 そうは言っても、決して警戒を怠ってるわけではない。


 リースが突然立ち止まり、肩にかけた弓を手にして構えた。他二人も何かを察したのか、立ち止まるものの、会話を続けるようだった。


「どううしたんだリース。適当に打ったって当たるわけ無いだろ」


「それとも何だ?幻覚でも見たか?少なくとも俺の索敵には何も感知できてねーがからな」


「大丈夫。ちょっと()()()()()()()()()()


「そうか、鳥なら仕方ない」


 会話が止まった次の瞬間、風の魔法を帯びた矢が空高く放たれた。後にそれは闇夜に消えるも、落ちてくる鳥の姿は一切ない。だが次の瞬間、分裂した魔法の矢が雨のごとく降り注いだ。


「な、何だ!?」


「ぐあっ!痛い」


「くっそ、バレてんのかよ!?」


「会話はフェイクかよ」


 散らばる矢は屋根の上に潜んでいたであろうプレーヤーめがけて降り注ぎ、瞬く間に瀕死へと負いやった。


「くっそ、被害が少なかった者は直ちに降りて時間を稼げ!その間、残りの者は回復を優先しろ」


 次々と屋根から飛び降り、襲いかかって来る。

 それでも三人は至って冷静だった。


 弓使いのリースは後ろへ跳び、田中とランマは左右へ展開した。一直線に攻めてきた彼らを瞬時に挟み込む構図だ。


「ハッ!不意打ちなんて卑怯な真似、俺らには通用しねぇんだよ!」


 ランマは、手の甲に付けられた鉤爪で次々とプレーヤーの足を削りダウンさせた。


「同感。せめてもっとまともな戦略ねってこいよっと」


 田中は懐から手裏剣を取り出し、これまた、相手の足を切り裂く。


「くっそ、動ける者は……皆んなやられたのか!?」


「残念。動かない相手なんて絶好の的よ」


 最後にリース放った矢が地面ごと倒れるプレーヤーごとえぐり、とどめを刺した。


「このまま、上に残った奴ら討ち取るわよ」


「「了解!」」


「クソッ、皆んな後退しろ!」


 スラムを守るため、不意打ちを仕掛けるもののあっさり返され、多くのプレーヤーを失った。

 ここで追いつかれるのも時間の問題かと思われたが、ある人物が立ちはだかった。


「止まれい!」


 途端に、追う三人の足が止まり一人のプレーヤーに釘付けとなる。


「我は灰色装束の親分。名をバルス申す」


「灰色……しかもその親分が一人で何してんだ?」


「しかも悠長に自己紹介。何を企んでるのよ」


「なに、俺の質問に答えるだけでいい。見えるか、この耳につけられた赤いピアスを」


「犯罪プレーヤーの証。それがどうした。自慢できるものではないだろ」


「これを俺らに付けた、否、付けさせるシステムを生み出したのが青空騎士団って言うのは本当か!」


「は?」


 その発言に理解できないのか、問われた三人は顔をしかめ、逃げてたプレーヤーもその場で立ち止まった。


「ふむ、やはり気づいていないのか。だが、これはほぼ事実に等しい。貴様らギルドの影響力はこういったシステムにまで干渉するほど、膨大なのだ。それのせいでどれほどの者が傷つき身を隠したのか理解できぬのか!犯罪者である前にゲームを楽しむ一般人だっていうのに」


「そ、そんなこと言ったって、今まで多くの人の楽しみやらを奪ったお前らに裁きを下すのは当然だろ」


「そうか。そもそもが理解できていないのか。これだから餓鬼は。いや、俺もそうか」


「何が言いたいのよ」


 バルスは大きく息を吸い叫ぶ。心の底から大いなる言葉を……


「俺は悪人だ。だが、それを裁かんとする者が決して善人であるとはいえない。そう、貴様ら青空騎士団みたいにな!!」


 理解は難しいが、何かと考えさせられるその言葉に皆は息を呑んだ。


「さあ、武器を取れ。これは善と悪の戦いではない。意地と意地のぶつかり合いだ!」


「何ふざけたことをほざきやがって。そんなこと言って何も変わらねーだろ。ここで死んでスラムを失って、牢屋行きだよおめーらは!」


 ただ一人、ランマは意味ある言葉を受け止めず走りだし斬りかった。その表情は最初から最後まで変わらず血肉を求めた獣のようだった。人によってはここで恐怖を覚えるであろう。


 それでも、バルスのその目にゆらぎは無かった。

 あるのは強い決意と、意地であった。

次回、土曜……もしくは一日分休むかも?

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