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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第2章ゲームに慣れてきたころ
9/132

9 馬車は襲われるのがお約束

定番中の定番。

 ゲーム内時間の12時に馬車は出発した。


 馬車の中にはNPC以外に、白夜と同じ乗客のプレーヤーと護衛のプレーヤがいる。

 護衛はもちろん盗賊やモンスターから守るために雇われている。

 また、乗客のプレーヤーが戦いに加勢すると護衛の儲けが減るので、助けを求められない限り助けないという暗黙の了解もある。そのため…


「ただただ、暇でしょうがない」

「まあまあ嬢ちゃん、そこは根気強く我慢しろ」


 暇だと騒ぐのも迷惑になる。お隣さんの言う通りちょこんと座る。ちょこん、といっても小さいこの体はゲーム内だけだ。現実ではちゃんと147㎝はあるんだぞ…。


 暇つぶしに、リアル・ライト本体の機能を使ってみる。

 ゲームをプレイ中でもネットにつながるようなので、購入してた電子書籍を読む。


 それからしばらくすると馬車が止まった。外からは剣が交わる音がするので、盗賊と戦っているのだろう。


 だが戦いは数分で終わる。


「はあ…やっぱ俺も護衛に参加すりゃよかったかな」

「暇ですか?」

「それもあるけどよお。知り合いが護衛に参加してるんだが、そいつにばっか守られてる気がして申し訳ないんだよ」

「まあそこは根気強く我慢しましょう」


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 予定どうり、夕暮れ時に野営の準備が行われ始めた。

 このゲームには空腹度が存在しており、何か定期的に食べる必要がある。


 だが今回は護衛を除き、炊き出しが行われる。

 護衛は護衛で自前のものを食べる。


 白夜は一足早く食べ終わると周りを見渡す。

 周りは針葉樹の林。野営用のならされた平地と雨よけの屋根があるこの場所で夜を過ごす。


「野営場所が決まってるんだな。でもこれって待ち伏せされてたら…」


 ふと嫌なことを想像してしまう。気を取り直すためにお代わりをもらいに行った。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 《深夜2:00》


 フクロウの鳴き声と、焚火の音だけがする。


「さすがに眠い…」

「おいおいよせよ。現実(リアル)はまだ昼前だろ」

「おれ昨日からずっとゲームしてたから」

「…寝落ちとかしないでくれよ?」

「でもさあ、ゲーム内つってもこうもリアルだとさあ…」


 ヒュッ!


「眠く…ぐほっ!?」


 護衛の1人に矢が命中しガラスのように砕け消える。


「なっ…敵襲ー!敵襲ー!魔法使いのグリコがやられた」


 ほかの護衛も跳ね起き、周りを警戒する。


「なんでグリコが撃たれる前に呼ばなかったのよ」


「即死クリティカルだ。不意打ちで頭をやられてた!」


「まじ!?」


 護衛の魔法使いがランタンで辺りをてらす。照らされる範囲は焚火より広い。


「見つけたぞ!4人…いや5人いるぞ」


「嘘だろおい…あれはプレーヤーだ!」


 盗賊ではなくプレーヤー。PKを狙って来たのだろう。


 こちらは既に1人やられてるため、現状3人になっている。


「どうするの?絶対不利だよ!」


「やむおえん。だれか、助っ人に来てくれ」


 乗客プレーヤーに応援を要請する。


「よしきた!」


「俺らはナイトだから前に出る。くれぐれもランタン落とすなよ」


「わ、わかってるわよ!」


 これで3人パーティーに2人加わる。

 人数的には五分五分。あとは実力勝負だ。


「いいか!決して先走るなよ。あくまで馬車の護衛だからな」


「おう」「うん」「ああ」「ほむ」


 皆が一斉に返事するが、セリフがそろわず気が抜けてしまう。

 ちなみに白夜だが、寝坊し出遅れてしまった。加勢したいがやることがない。


(何事もなければいいが…いや待てよ。奇襲に成功したのになぜ追い打ちをかけなかった?)


 まさか陽動!と考えたが遅かった。背後から矢がはなたれランタンに命中する。


「な!しまっ…」


 ガシャン!


 ランタンが破壊され、砕け消える。

 周りは再び、闇に染まるのだった。

あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。


投稿日は、毎週土曜朝5時に変更いたします。楽しみにしててね(*^-^*)

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