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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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86 対極する姿

 アルデンもの街の中心部位置する場所にそびえる、大きな建物。一見城のようにも思えるそれは青空騎士団の本部であった。

 その壁には特徴的な旗が並べられてるが、その一つ一つの模様は違っていた。これは、十人いる幹部にそれぞれ与えられたランドマークであった。


 一番左端に存在する鼠のマーク。その裏から入れる秘密の入り口。クラリス・ラットは犯罪プレーヤーであるが故に、ここからでのみ入ることを許されていた。

 その入り口の先に繋がる部屋は、ソーラの椅子がある部屋であった。


「ソーラ様……まだ、ログインしていない?」


 普段ならいるはずの時間にも関わらず、誰もいないと思っていたのだが。


「そうそう。今日は部活が長引くそうだからソーラもダンテもまだ来ないよ」


「……グリコはサボリ?」


 ラットの肩に手を置き、意気揚々と話すグリコ。だが、返された辛辣なるセリフに精神的ダメージを受けた。


「グフッ!今のは効いたぜ。だが、俺の兄のようにここで倒れることはない!あと、俺は帰宅部だ」


「いや、あんたの兄。知らない」


「そりゃー、言ってねーからな」


「ところで、早く報告していい?」


「ソーラに直接話さなくていいのか」


「これでもけっこう忙しい」


「じゃあ聞くよ。それでも、後で報告書としてまとめて送ってね」


 そう言い、グリコはソーラの机に直接座り込んだ。

 本来、厳格を重んじる騎士団にとって言語道断な行動であるが、彼は何故か許された。


 それもそのはず。ソーラと同じβテスターであり、現段階でただ一人『奥義』を持つプレーヤーであるのだから。


 まだその実力は世間に知らされていない。これを知る者は幹部の中でも五人。ラットも数少ない知見者の一人であった。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 それぞれ仕事を終わらせ一息つくギルド狛狐のメンバー達。安らぎの空気の中で、ホーがジェフリーに寄って話しかけた。


「なあ、ジェフリー。あのラット君と上手く繋がりは持てたのかね?」


「そこに関しては、回答を控えさせてもらうヨ」


「へえ、なぜだい?」


 本来、ギルド全体に共有するべき重要事項であるのは間違いない。それをわざわざ控えるなど、ふざけてるとしか思えなかった。

 だが、ホーはその大きな懐で寛大に受け止めた。


「あんまり詳しくは言えないケド、これも、ワタクシなりの作戦ってわけだネ」


「なるほど。狐影に普通じゃないって言われるのもうなずける」


「ナント!そんなふうに思われてた!?心外!」


「そんなことはないさ。あの子なりにあんたを信頼しているだけさ。他と違うからこそ、この役を任された。誰にも変わりは認められなかった。違うかい?」


 ジェフリーは答えようとしたその口を一旦閉ざした。

 ふと狐影の方を見ると、双子によってたかられて椅子の上から落っこちていた。見慣れた光景であるが、相変わらず愉快で飽きることがない。だが、尊厳あるギルドのトップという印象はとうてい持てなかった。


 だからこそ、ついて行こうと思えた。


「……いや、間違いないネ。きっと」


「だからといって、無理は行かないよ。いつでも、私達に頼りに来な」


「ホント、心強いネ」


「それが、ギルドさね」


 ここを設立して日はまだ浅い。そのわりには波乱万丈が絶えない気もするが、それもまた楽しみだ。


 今更ながら、ここの設立を提案して良かったと思う。

 この繋がりは、すでに深く深く浸透していた。

 騎士団と狛狐の様子を書いてみました。雰囲気だけでも対極感が出ていれば嬉しいです。


次回、月

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