85 嘘の恐怖
不思議な少年。
だけど二人目。
買い物途中のホーに呼び出された狐影は、案の定荷物持ちとなっていた。
ただ、いくらなんでも前が見えなくなるぐらい買うものだろうか。
「ホーさん。これ、中身何が入ってるんですか」
「レアとはいえ、スラムで買えるものはろくなものじゃないよ。名前読んだら呪われるアイテムとかあるさね」
「どおりで箱にいくつも札が貼られてるわけだ」
そんなものをよく他人に持たせれるな。
「ところで、ジェフリーは上手くやれてるのかね?頭は切れるようだが、ガキに好かれる要素は少なそう見えるねぇ」
「案の定、好意は見せてませんでしたよ。あのラットという人。むしろ、予想外な様子でした」
「予想外?」
狐影立ち止まり、一度荷物を置くと背伸びをした。
一息ついたところでまた、話し始める。
「混乱。ありえない状況に困惑していましたね」
「それのどこが予想外なんだい」
「普通じゃないんです。自分も経験したことなのですが真意を一切見抜けない、そこに恐怖すら抱く。そんな感じです」
「そんなのはっきりわからないのは当然だろうに」
「わかることを当然とした人物。それの前に現れる例外。これ恐らく、自分しか共有できないことですがね」
そう。信じがたいが、彼は何かしら人の内心を突き止める能力があるということ。
「よく分からないがそうなんだね。さあ、そろそろ行くよ」
「はい」
だが、やはりこれ考えすぎだろうか。
=☆☆=☆☆=☆☆=
「君は、嘘を見抜く技能を持ってるんだネ。それともスキルかナ?」
「スキルではない、現実でも嘘は見抜ける」
「そういうのはあれかナ。やっぱり、表情とか仕草でわかっちゃうものなノ?」
「いえ、ほとんど直感的に感じる。でも、外したことはない」
「へ〜不思議だね〜、面白いね〜」
嘘を見抜けると言われたのにも関わらず、ジェフリーはケラケラ笑う。相変わらず、そういったところはぶれない。
「あの、聞いてるんです。何故そんなに嘘を言わずして、話すことができる」
「なーに、簡単さ。嘘なんてつく必要ないからネ」
「え?」
「笑顔のために笑う。笑顔のために動く。生半可な努力じゃ実現できないことサ」
「そう」
「言ったからには実現する。約束を反故にしない。努力しても無理なことは、正直に断る。意外にに多くの人ができず何かしらミスすることだネ」
「でも、それは辛いことのはず」
「ホントは辛いヨー。でも、笑えばそれを忘れられる。笑顔ってね不思議でネ、笑えば自然と楽しくなるし周りに感染する魔法なノネ」
「魔法……」
魔法。このゲームでは当たり前の単語なのに何故かひかれる。ラットは、目を輝かせ少し身を乗り出す。
「とりあえず、今日はここまでにしようカナ。騎士団にはどんなプレーヤーがいたか正直に話していいよ。どこまで話すかは君に任せるよ。信頼してるからね」
「多分また来ます」
「いつでもおいで。歓迎するヨ」
一礼し、ラットはその場を離れていった。
狐も鼠もお互いすごい技能持ってるが、どういった経緯でそれを得たのかね〜?




