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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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80 戦の予兆

 作戦は決まった。

 あれから日が変わり、狐白は普段と変わらぬ道で登校していた。

 学校へ着き戸を開ければ、野生の生徒が三人飛び出してくる。もうお決まりな光景だ。


「待っていたぞ、狐白ちゃん。さあ、答えを聞かせてくれたまえ」


「お断りすることにしました」


「そうか、やはり引き受けて……求めていた反応と違うな、もう一度聞かせてく……」


「お断りします」


「………まじか」


 あからさまに残念そうな表情で固まった煉。

 その傍らから大介が前に出てくると、その理由を説いてきた。


「狐白よ、悪いが理由を聞かせてくれないか?流石にソーラが()()()()()と言う理由以外をできれば聞きたいのだが」


 大介よ、その発言は煉に追撃を与えてるに等しいぞ。


「簡単な理由です。スラム街に知り合いがいるのです」


「なるほど。だから前回、決断するのを躊躇してたんだんな」


 ギルド狛狐のメンバーを知り合いと称し、同情を誘う狙いだ。もちろん、これで襲撃がなくなるなどと甘い考えは持っていない。


「その知り合いには、このことは話したのか?場合によっては奇襲から正面突破に切り替えなきゃならねーし」


 巧弥が当然の疑問を投げかけてくる。


「……言っていません。ただ、この言葉を信じさせる根拠はどこにもありませんが」


「まあ、ありがとう。ちなみに、その知り合いの名は?犯罪プレーヤーなのかい?」


「名前は狐影。狐に影でコカゲと読みます。犯罪プレーヤーではありませんね」


「では、何故その者はスラム街にいるのかね?」


 通常の者なら確かに理解しかねる行動であろう。わざわざ危険なプレーヤーの中心に行くなどはっきり言って自殺行為に思えるだろう。


「彼のギルドがスラム街にあるんですよ。何でも土地がそこにしか残ってないとかで」


「確かに、それで困ってる者も多いと聞く。だが、ギルドを新たに設立するより今あるギルドに入ったほうが何かとお得だろうが、なぜわざわざスラム街に」


「活動方針が他と噛み合わないんですよ。共にダンジョンやイベントをこなすのではなく、遺跡の調査を得てグランドエデンの世界を探ろうといった集まりなんです」


「それはそれは興味深い。その狐影とはどこで知り合ったのかな?」


 大介の追撃で復活が遅延されていた煉が問う。

 なんやかんやで、ゲームないの白夜のことを気にかける傾向になりつつある。この興味本意の質問もその一端であろう。

 ただし忘れてはいけないのは、白夜と狐影は同一人物である事実だ。

 ある意味、こういう自分語りでボロを出すのが一番怖い。前回の狐白が白夜であるとバレた時は妥協できたが、今回はバグに近い知られてはならない情報なので特に慎重に答えるべき内容だ。


「ふ……船。複雑な事情のある自分を護衛してくれた。まあ、出会ったの自体はたまたまだけど」


「そうか。では狐影もアルデンに来たばかりなのだろうか……」


 このタイミングで、煉の言葉を遮るように戸が開き先生が入ってくる。

 悪いが時間切れだ。でも、ギルドの印象を焚き付けさせる事ができた。


 これで釣れるといいのだが。

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