79 緊急会議
きんきゅーかいぎ!
みんなしゅーごうー
授業が終わると同時に急いで家へと帰った狐白は、宿題も何も手にかけずにゲームにログインした。
同時にメールでギルドメンバーに緊急収集をかけた。
「さて、後は待つだけだな……」
「どうしたんだい、やけにそそっかしいねぇ」
慌てていたせいか、背後にいる人物に気づかなかった。
そこにいたのは、黒い装束を着た青の鍛冶師ことホーであった。
見慣れない姿に困惑しつつも、久しぶりに会えたことに喜びを感じていた。
「もう着いていたのですか!?思ったより早かったですね」
「転移すればすぐにつけるさね。むしろ、座標がわからないギルド施設を探すのに苦労したよ」
「それは……伝え忘れてましたね、スミマセン」
狐影が頭を下げてるところに、ジェフリーとクロム&ノアルが合流した。
本来なら今すぐにでも会議を開始したいところだが、初対面の相手を放置するわけにもいかず、まずはお互い自己紹介させることにした。
「えー、こちらフレンドのホーさんです。自分の持つ武器を作成してくれたのも彼女で、ギルド経営を安定させるために来てもらいました」
「ヨロシクだヨ。私の名はジェフリー」
「私はノアルだよ」
「私はクロムなの」
「ご説明にある通り、私の名はホーだ。一応青の鍛冶師で名の通った元青空騎士団スミス団長だ」
ホーの自己紹介で一同が困惑の渦に飲まれることとなった。彼女を呼んだ本人も例外なく沈黙した。
「どうしたんだい、変なことを言ったつもりはないが」
「いえ、大アリだヨ。ナゼ青空騎士団の、ましてや団長クラスの人材がここにいるのネ」
「よくわからないけど、すごーい」
「わけわからないけど、すごーい」
「高い地位にいたとは思っていましたが……ちょっとそれは予想外です」
「別に名誉もなにもないよあそこは。少なくともあんなブラックな環境には戻りたくないね」
「そうですか」
予想外の発言に話が飛んだが、今度こそ本題に入ることにした。
ホーも追加された席に座り、会議に参加する。
「こうして緊急会議を早々に開くとは自分も思ってもいませんでしたが、それ相応の議題が舞い込んできました」
「マア、実際そうかもしれないけどネ。ギルドの危機でもない限り、慌てることはないヨ」
「今度の休日、ここスラム街が青空騎士団によって襲撃されます」
「………ワッツ?」
「青空騎士団が攻めてきます」
「ゴジョウダンヲ……」
「冗談で緊急会議は開けませんよジェフリーさん」
「………」
これまた深刻な沈黙が重くのしかかる。
そして息を合わせるように、
「ギルドの危機ダネ」だよ」じゃん」さね」
語尾は違うが、それぞれ同じ結論に至ったようだ。
それから、白夜の名を除き余すことなく事の顛末を語った。
ジェフリーは机に突っ伏し、ホーはまたかと頭を抱え、双子はにじみ出る怒りを抑えていた……いやマジ暴走だけは勘弁してくれ。
「てなことで、この事態を解決するため今すぐに方針を決めるべきでしょう。行動は明日から、少なくとも自分の決断で大きく未来が変わるでしょうし」
「さて、どうしたものかね。やり方はいろいろあると思うが、少なくともソーラ達と当たるのは確実だろうね」
「まず狐影はどうしたいのネ?やるべきことより、どうしたいのかが先じゃないかナ」
「確かに……そうですね」
狐影は一度冷静に考えた。
ギルドを守るために必要な行動という観点に着目し答えを導く。
「えっと、前提としてここを守るためにはスラム街を守る必要があります。ただ、事を構える相手が青空騎士団っていうところが問題なんですよね」
「というと?」
「今回の襲撃は騎士団が正義でスラムの連中が悪という前提で事が動きます。もし、ソーラ達を追い返すことができても、結果として自分達が悪に加担した不届き者として今後の信用が底に落ちてしまうのです」
「勝っても負けても都合が悪い……か。解決するべき根本が見えてきたねぇ」
「じゃあ、それを解決する糸口を探しましょう」
この緊急会議はまだまだ続く。
これもギルド存亡のため、ソーラに一矢報いるため。
次回、土




