77 かつての仲間
ゲーム『グランドエデン』にて、ギルドというものは大きな存在である。その組織が大きければ大きいほど、この世界に影響力を持つようになる。
それはプレーヤーに、ではなく主にNPCといった機械的な者たちにとってである。
例えば大規模ギルドの『青空騎士団』はNPC達に本物の騎士として尊敬されている。それ故、討伐依頼や遠征依頼が集まりやすい。
さらに、その功績からとある王国の本格的な騎士として雇用されているらしい。
同じく大規模ギルドの『狐の羽衣』では、宗教的な物が確立されそうになってる。もちろん教祖はホムラである。
多大なるプレーヤーがホムラ様と崇める余りそれがNPCにもそれが移ってしまったのだ。
それをきっかけに、各商人との貿易の幅が広がったという。
このように、ギルドの知名度及び規模が壮大であればあるほどゲームを有利に進められるわけである。ギルドを設立する大きな利点はこれだろう。
「しかし、ギルドには人数上限が設けられており拡張するためにはそれ相応の施設及び功績が必要と……」
狐白は今、ネットに書かれたギルド説明表を確認していた。
つい昨日ギルド『狛狐』を設立し、そこのリーダーを務めることになったが、生憎それ相応の知識が足りないためジェフリーに教えてもらったサイトを確認しているところだった。
「要するに、知名度を上げNPCに好感を持てれば利益を得られると。でも、今の人数じゃその利益は期待できないな」
まず人数が足りない。また、武器の整備や備品の整理をまともにできるサポート要員に適した人物がいない。
最低でもあと二人。それも今足りない技術を持ったプレーヤーでなければならない。
「とりあえず、知ってる人を誘ってみるか」
そうして狐白はゲームにログインするのだった。
=☆☆=☆☆=☆☆=
「それでアタシに声をかけたってわけかい」
「はいそのとおりです」
連絡先の相手は、狐影の装備を作成した青の鍛冶師ことホーさんである。
過去に路地裏で彼女と会い、その後スタンピードなどのイベントをともにした友達だ。
こうして連絡をとるのは久しぶりであるが、この話にあまり気乗りはしていないようだった。
「いやー、アンタの頼み事なら正直聞き入れたいところだけどねぇ。前にも話しただろ、過去にギルドを抜け出したって。あんまりいい思い出が無いわけだよ」
「はい、覚えています。ですが前にも話した通り鍛冶師のつてが一切ないんです。ホーさん以外」
「同じギルドに入ってる奴らにはツテがないのかい?」
「なんかそうらしいです」
「………」
なんか呆れられてしまった。
ホーは数分考えた後に答えを言った。
「わかったよ。アタシが行かなかったらまともに運営できなさそうだしね」
「ありがとうございます」
話も終わり通信を切ろうとしたとき、ふと疑問がよぎった。
「ホーさんホーさん。今からこちらに来るって事ですよね。護衛も何も無くて大丈夫なのですか?」
当たり前の疑問だ。
そもそもホーは青空騎士団から抜け出し、追われる身となっていたのだ。等の本人も第一の島『イスティア』から出られないと言っていた。
だが、そんな心配は必要なかった。
「そこは問題ないさね。アタシの作った装備があれば隠密もお茶の子さいさいさ」
「無事にたどり着けますか?」
「当たり前だ。でも、いざって時には助けに来てもらうがね」
「はい」
こうして、狐影は通信を切った。
するとホーのいる路地裏はまた静かになった。
「さて、準備するかね。遅いと心配されそうだしね」
ホーは広げられた部品や武器類を全てしまい込み。一呼吸おいてから装備を変えた。
「これを身に着けたのも久しぶりだね。さあ、行くよ」
黒を貴重にした軽装装備。狐影のものとは違い、所々の金属部品が良い味を出したロマンあるものだった。
路地裏を出ると日差しが少々きつく思えた。狐影と別れていらい、あまり外には出ていなかったせいだろう。
だが、ホーの顔には期待の笑みが浮かんでいた。
ホーの特殊装備は、狐影のものとは違いカッコいい装備です。もちろん性能も凄いとかそうでもないとか




