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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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67 何者

 落下事件と称された幻の大会本戦。

 その次の日、狐白はいつものように登校していた。


 いや()()()()()()()は間違いだろう。昨日から頭の中を何かが渦巻くようで気持ち悪い。


「やっぱり昨日、大会で起きたことが原因かな。でも、あの光景はリアル()()()


 その事がずっと気がかりとなっていた。


 校門前へ着くと、一度足を止めた。


 ソーラこと煉との因縁が片付いていない事を今更思い出す。大会予選会では狐白の方が勝っていた。しかし、落下事件を理由に彼は不問にするかもしれない。


 どちらにしろ、今更どうでも良いことだった。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 ガラッと教室の戸を開ける。こちらから挨拶をしても帰ってくる言葉はない。だから今日も挨拶はしない。


 カバンを置き、席につくとそれを見計らったかのようにお決まりの三人が声をかけてくる。


「やあ狐白。昨日の落下事件は災難だったな」


「大会本戦が中止になったことにより、最終的な戦績がわからなくなってしまった。そこで、ある提案をしよう」


 巧弥はいつも通りに話しかけてくるが、煉はソーラの時と同じ口調が定着してきている。

 だが、大介だけ黙り込んでいた。前回の時といい雰囲気が変わった気がする。


「その提案とはずばり、ゲーム内で直接対決をしようではないか」


「お断りします」


「何故だ!?」


「……なんか、嫌なんですよ」


 その言葉を発した時、空気が凍る感覚に襲われた。

 これは比喩ではない。背筋が震え上がり、息が白く染まった。ただならぬプレッシャーに三人は絶句した。


「数日はゲームを触りたくありません。対決も今は気乗りしないので受けません」


「……」


 三人は言葉を失った。凍えるような寒さはいまだ収まらない。


「わかったならどっか行ってください」


 狐白が視線を離すと、空気が戻った。まるで狐に馬鹿されたような体験だった。


「……何なんだよ今の」


「巧弥、煉、今日はもう止めよう。狐白も……迷惑だったよな」


 こうして三人は、その場を立ち去って行った。

 そんな彼らを後ろ目に狐白はつぶやく。


「今更、気づいたんですか」


 正直辛かった。


 狐白にとってのいじめの認識。小さい頃から君の悪い子だと忌み嫌われていた。転校を繰り返す中でも中の良い友ができることはなく、最初っから仲に亀裂があったかのようだった。


 今思えば、煉や巧弥、そして大介のような三人は珍しかったのかもしれない。


 はっきり言って嫌いなのだが、向こうがこちらを嫌ってるわけではない。そんなの最初っからわかっていた。人々が嫌う、感情を読み取るこの能力で理解していた。


 本当は仲良く遊びたいのに、天邪鬼になってしまう。


 でも、それ以上の絶望を知った。


 血みどろに染まった光景はまさしく『戦争』だった。


 それは明らかに、地球で起こった戦争ではない。人外を含む多くの種族が理由数多に殺し合っていた。


 それを知ってからは、蔑まれていたあの過去がかすれてしまった。


 その虚構な記憶に苦しめられていた。


「…………」


 気がつくと、その日差しが傾き沈む最中だった。

 そろそろ涼しくなってきた。


「なぜだろう……懐かしい」


 この言葉に意味はない。

次、休みてーけど月曜で

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