63 決着
ソーラは、騎士の誇りにかけ、強さを求めた
様々な戦闘が巻き起こり、ソーラと白夜のの二人だけとなった。
「片付きましたね」
「ああ、そうだな」
「……」
「……」
ギンッ!
再び刃物と刃物がぶつかり、その音が響き渡る。
ここからは正真正銘本気の戦いだ。レベルは未だ同等、己のスキルと技術が勝負の鍵となる。
「銀霊!」
「ファントム!」
銀霊を召喚するも、レーザーの攻撃で相殺されるどころか貫通した。それは着弾と同時に爆発し、結晶の粒が飛び散った。
「痛…これ、ギリギリで避けても破片で大ダメージ受ける」
「クリスタル・ナイトはスピードが落ちる代わりに、あらゆる恩恵を受けるのさ。だが……」
目にも留まらぬ速さで、懐に入り斬撃を繰り出される。
「そもそも、速さを極めた僕には足かせにすらならないのさ」
「ぐっ、つまり速さは変わらないって訳か」
ここで、斬撃によるダメージを受ける。体力は少ししか残っていなかった。
「これでトドメだ!」
「守護の宝霊術」
連続で二撃目を入れられるが、体力は減らなかった。
「何!?」
困惑しているすきを見て、白夜は腕を掴み空中へ投げ飛ばした。
「うおっと!?」
「銀霊!」
5体の銀霊がソーラを囲むように展開した。
その銀霊はその場で消滅し、札だけが残った。
「魂霊縛符」
札と札を繋ぐように光の線が五芒星を描きソーラを捕縛する。
「動けん!?」
「銀霊!」
身動きの取れないソーラにそれは直撃し、爆発した。そのまま地面に落ちてくる。
「……ダメージは与えたかな?」
流石に倒せたとは思っていない。
煙の立ち上る中、ソーラの影に近づきトドメを指しに向かう。そこにあったのは……。
「ッ!?鎧だけ」
すぐに背後から気配が感じ取れた。だが、彼の攻撃を完全に防ぐことはできなかった。
守護に宝霊術が砕け、白夜の体力が0となった。
負けたのだ、あのソーラに、あの煉に。
「まじかよ…」
「いい戦いだったよ、白霊狐」
「……くそっ」
その言葉を最後に、白夜は消えていった。
=☆☆=☆☆=☆☆=
あれから配信を切り、白霊狐から白夜へと姿を変えた。そして、とある酒場でチコの実ジュースを飲んでいた。
子供が酒場ヤケ飲みしてるシュールな絵ができた。
「はーーーーー、負けた」
このグチを聞いてくれる人なんて誰もいない。白夜は、ただ一人、隅で悔やむばかりだ。
「……あ、あれ?もしかして白夜ちゃん!」
「え、この声……もしかしてホムラさん?」
「久しぶりー」
突然現れては突然抱きつかれた。ここまでの仲になった覚えはない。絶対リンが嫉妬してしまう。
「ホムラ様、はしたないですよ」
「あ、リン酸もいた」
「やっぱり発音変じゃないかしら」
「気のせいです」
嫉妬してしまうではなく、していただった。
「ところで白夜、こんな所で何してたの。お姉さんに話してみて」
「とりあえず離してくれませんか、苦しいです。あと周りの目線が痛いです」
「あ、ごめんね!」
ホムラを敬うプレーヤーからの嫉妬の視線が刺さる。特にリンの視線が。
「えっと、何があったかですよね……実は試合でソーラに負けたことが悔しかったんです」
「ソーラって、青のソーラ?」
「そうです。最近知ったことなのですが、彼が学校で同じクラスの人なんですよね」
「友達だったんだ。仲いいの?」
「いいえ。彼のことは嫌いです」
「あ、ごめん…」
見るからにシュンとした姿を見せるホムラ。謝れと言わんばかりの思念が飛んでくる。
「えっと、ちょっと言い過ぎました。ただ、本当に悔しくて悔しくて」
「別に、白夜が悪いわけではないよ。だから落ち込まないできっと私が、決勝で敵を取ってみせるから」
ここでホムラが白夜の手を取る。驚きながらも冷静に、白夜は会話を続けた。
「決勝?」
「そう、すでに最後の大会日時と出場者が決定したのよ。そこにソーラもいるから、こてんぱんにしてやるわ」
「……なんで自分にここまでしてくれるのですか?理由が思い浮かばないのですが」
「あら、理由なんてなんだっていいのよ。炎竜から救ってくれたのもあるし、リンが白夜のことを気にかけてたからね」
「ホ、ホムラ様嘘はおやめください。私はいつでもホムラ様一筋です」
「ごめんごめん、アハハ」
「謝ってばかりなのは変わってませんね」
「それは……確かに今後気を付けるべきね」
何気ない会話の中で、白夜の瞳からは屈辱の念は消えていた。
次、月曜




