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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
64/132

63 決着

 ソーラは、騎士の誇りにかけ、強さを求めた

 様々な戦闘が巻き起こり、ソーラと白夜のの二人だけとなった。


「片付きましたね」


「ああ、そうだな」


「……」


「……」


 ギンッ!


 再び刃物と刃物がぶつかり、その音が響き渡る。

 ここからは正真正銘本気の戦いだ。レベルは未だ同等、己のスキルと技術が勝負の鍵となる。


「銀霊!」


「ファントム!」


 銀霊を召喚するも、レーザーの攻撃で相殺されるどころか貫通した。それは着弾と同時に爆発し、結晶の粒が飛び散った。


「痛…これ、ギリギリで避けても破片で大ダメージ受ける」


「クリスタル・ナイトはスピードが落ちる代わりに、あらゆる恩恵を受けるのさ。だが……」


 目にも留まらぬ速さで、懐に入り斬撃を繰り出される。


「そもそも、速さを極めた僕には足かせにすらならないのさ」


「ぐっ、つまり速さは変わらないって訳か」


 ここで、斬撃によるダメージを受ける。体力は少ししか残っていなかった。


「これでトドメだ!」


「守護の宝霊術」


 連続で二撃目を入れられるが、体力は減らなかった。


「何!?」


 困惑しているすきを見て、白夜は腕を掴み空中へ投げ飛ばした。


「うおっと!?」


「銀霊!」


 5体の銀霊がソーラを囲むように展開した。

 その銀霊はその場で消滅し、()だけが残った。


魂霊(こんれい)縛符(ばくふ)


 札と札を繋ぐように光の線が五芒星(ごほうせい)を描きソーラを捕縛する。


「動けん!?」

 

「銀霊!」


 身動きの取れないソーラにそれは直撃し、爆発した。そのまま地面に落ちてくる。


「……ダメージは与えたかな?」


 流石に倒せたとは思っていない。

 煙の立ち上る中、ソーラの影に近づきトドメを指しに向かう。そこにあったのは……。


「ッ!?鎧だけ」


 すぐに背後から気配が感じ取れた。だが、彼の攻撃を完全に防ぐことはできなかった。


 守護に宝霊術が砕け、白夜の体力が0となった。

 負けたのだ、あのソーラに、あの煉に。


「まじかよ…」


「いい戦いだったよ、白霊狐」


「……くそっ」


 その言葉を最後に、白夜は消えていった。


=☆☆=☆☆=☆☆=


 あれから配信を切り、白霊狐から白夜へと姿を変えた。そして、とある酒場でチコの実ジュースを飲んでいた。


 子供が酒場ヤケ飲みしてるシュールな絵ができた。


「はーーーーー、負けた」


 このグチを聞いてくれる人なんて誰もいない。白夜は、ただ一人、隅で悔やむばかりだ。


「……あ、あれ?もしかして白夜ちゃん!」


「え、この声……もしかしてホムラさん?」


「久しぶりー」


 突然現れては突然抱きつかれた。ここまでの仲になった覚えはない。絶対リンが嫉妬してしまう。


「ホムラ様、はしたないですよ」


「あ、リン酸もいた」


「やっぱり発音変じゃないかしら」


「気のせいです」


 嫉妬してしまうではなく、していただった。


「ところで白夜、こんな所で何してたの。お姉さんに話してみて」


「とりあえず離してくれませんか、苦しいです。あと周りの目線が痛いです」


「あ、ごめんね!」


 ホムラを敬うプレーヤーからの嫉妬の視線が刺さる。特にリンの視線が。


「えっと、何があったかですよね……実は試合でソーラに負けたことが悔しかったんです」


「ソーラって、青のソーラ?」


「そうです。最近知ったことなのですが、彼が学校で同じクラスの人なんですよね」


「友達だったんだ。仲いいの?」


「いいえ。彼のことは嫌いです」


「あ、ごめん…」


 見るからにシュンとした姿を見せるホムラ。謝れと言わんばかりの思念が飛んでくる。


「えっと、ちょっと言い過ぎました。ただ、本当に悔しくて悔しくて」


「別に、白夜が悪いわけではないよ。だから落ち込まないできっと私が、決勝で敵を取ってみせるから」


 ここでホムラが白夜の手を取る。驚きながらも冷静に、白夜は会話を続けた。


「決勝?」


「そう、すでに最後の大会日時と出場者が決定したのよ。そこにソーラもいるから、こてんぱんにしてやるわ」


「……なんで自分にここまでしてくれるのですか?理由が思い浮かばないのですが」


「あら、理由なんてなんだっていいのよ。炎竜から救ってくれたのもあるし、リンが白夜のことを気にかけてたからね」


「ホ、ホムラ様嘘はおやめください。私はいつでもホムラ様一筋です」


「ごめんごめん、アハハ」


「謝ってばかりなのは変わってませんね」


「それは……確かに今後気を付けるべきね」


 何気ない会話の中で、白夜の瞳からは屈辱の念は消えていた。

次、月曜

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