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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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62 青と白の攻防

 

「あなたは、白霊狐で間違いありませんね」


「あなたこそ、青空騎士団のソーラではありませんか」


 予期せぬ遭遇。数多あるフィールドの中で彼と出くわすとは誰が予想できてのだろうか。


 伸びた背筋、自信に満ちた鋭い目。彼があの煉だとは到底思えなかった。なにせ、キャラが全く違うのだから。


 互いに静粛を保ちながら集中していた。

 そこへ一枚の木の葉がひらひらと落ちてくる。それが地面へついた時、静粛な時間が断ち切られた。


 ギンッ!


 美しい金属音が鳴り響く。

 ソーラはそのレイピアで、白夜はその()で双方共に打ち合った。


「おや、長刀ではなく刀を使うのですね」


「ハンデですよハンデ」


「……なるほど」


 次々と目にも留まらぬ速さで攻防を続ける。それは互角の戦いだった。


「……」


「……」


 沈黙の後、二人はマップの中心を目指して走り始めた。

 このまま戦いが長引けば、どちらかが勝ってもレベル差で他プレーヤーに倒されてしまう未来は目に見えていた。


 攻防は続けたまま、道中モンスターやプレーヤーを倒しながら中心に設置された大経験値を取りに向かう。


「ハア!」


「ぐわっ!」


「そら!」


「グフっ!」


 ここまで多くの経験値を得ているものの、お互い差は開かないでいた。やはり、どちらかが先に大経験値を得るかが勝負の鍵となるのだろう。


 ソーラは持ち前の速さと剣撃を駆使し、プレーヤー(経験値)を見つけては疾風のごとく斬りつけ倒す。切られた相手はそのことに気づくこともできない。


 白夜は()を取り出すと、プレーヤー(経験値)にしれっと貼り付け走り抜けていく。するとたちまち魂狐(コンコ)霊炎(レイエン)が発動し、炎上する。


「そんな技持ってたんだね、白霊狐」


「そちらも、速さに磨きがかかってますね」


 そうこうしてる内に、大経験値が見えてきた。その途端二人は全速力でそれに手を伸ばす。


「瞬歩!」


「アクセル!」


 あと少し、手が届くというところでそれは消えた。

 さあ、大経験値は誰の手に!??


「よし!大経験値ゲット」


「え?」


「ん?」


 大経験値を得たのは第三者のプレーヤーだった。


「あれ、他にも人が!?よーしこてんぱんに……」


「「何してくれてんじゃ!!」」


 お互いすの口調で、正義のパンチを食らわした。

 ソーラはクリスタルを、白夜は霊炎を拳に纏わせ顔面に当てる。


 倒せはしなかったが、遥か彼方に飛んでいく。


「ふう、全くの予想外だったよ」


「同感です。殺しそこねましたし」


「どうする、白霊狐?」


「そうですね…とりあえず、周りを片付けましょうか」


「そう…だな。確かにこれはきつそうだ」


 多くのプレーヤーが二人を囲むように立っていた。


「1、2、3、4……これ生き残り全員いますね」


「強者相手に数で圧倒しようて考えか。猿知恵だな」


「こうしましょう。こいつら全員倒してから決着をつけるってことで」


「イイね。それには賛成だ」


「魂狐霊炎!」


 霊園を身にまとい、札が白夜を囲むように空を舞う。


「クリスタル・ナイト!」


 クリスタルを身にまといそれは鎧となった。彼が歩むたびに地面から結晶が出現する。


 初めに白夜が瞬歩で切り込み、そこから銀霊を展開する。何人かその銀霊を相殺したが、ダメージを与える。


「へっ、あんたが言ってたんだぜ、相殺できるって」


「……その得物、手放したほうがいいですよ」


「なに!?」


 彼らの武器には札が貼られたあった。あの銀霊は目眩ましであり、本命は札を付けることにあった。


 その札はたちまち爆発し、多くのプレーヤーを脱落させた。


「聞いてないぞ、そんな技」


「ホントそうだよね」


「ソ、ソーラ!」


「君たちの事見たことあるな。僕ら騎士団が倒したPK達だね」


「くっ!」


「ま、全員がその仲間ってわけではないけど、恐らく君が(うなが)したんだろうね。このチーミング行為を」


「う、うるせー!あんたらみたいなバケモンに勝つにはこうするしか無いんだ」


「そうか、残念だな……ファントム」


 クリスタルでできたオブジェ出現し、レーザーを放つ。

間一髪で先程の男は避けるが、後ろにいたプレーヤーに当たってしまう。


「何だと!?」


「ここは男として身を盾にするべきだったね」


「この腹黒ヤロウ!」


 ほとんどヤケクソになっていたが、男はソーラに向かって切りかかった。


「鋼剣!」


 しかし、そんな攻撃がソーラに当たることはなく、カウンターで体を切り裂かれた。そこからクリスタルの花が咲く。


「最後の攻撃はとても良かったよ」


「ちくしょう…!」


 数で有利となったはずが、圧倒的な力の差で押し負けてしまった。

 そこへ、最初に殴り飛ばしたプレーヤーが戻ってきた。


「くそ、やっと戻ってこれた……ってあれ」


  多くのプレーヤーを一網打尽にしたことで、ソーラと白夜のレベルが己と同等の位に達してることに気づいた。


「何が、あったんだよ」


「あ、戻ってきた」


「待っていましたよ、少年」


「ヒイッ」


 これが彼の、最後の言葉となった。

 

白霊狐こと白夜は、ステータス画面が無くなった時点で新たなる能力を得ていました。スキルの有無は彼の意識次第なのです(意味深)


次回、土曜日に投稿。


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