表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
61/132

60 熱気増長

「おい、この試合観てみろよ」


「なんだ?てか、残り二人ってもうすぐ終わる試合じゃねーか」


「そうなんだけどよー、この残った二人の戦いが熱いらしーぜ」


「マジかよ。誰と誰なんだ?」


「ペン回しの達人?ってやつと、あの白霊狐が戦ってるそうだ」


「一人は知らんが、もう一人の白霊狐は知ってるぜ。急激に名を知らしめたあのプレーヤーのことだろ」


「そうだ。だがもう一方のほうもなかなか強くて、接戦になってるそうだ」


「マジかよ。じゃあ観ていくか」


 =☆☆=☆☆=☆☆=


「小癪な!その程度で倒しきれると思ったのか」


 ペンは槍を回転させることで迫りくる霊炎(レイエン)を防ぎ、最小限のダメージで済ましたのだ。


「はいでた、ペン回しの本領」


「お褒めにいただき光栄です」


 何気ない会話を交わしながらも、熱烈な戦闘は続く。


 白夜はその身に魂狐(コンコ)霊炎(レイエン)を身に纏いペンを攻める。


 逆にペンはその得物を振り回しながら常に白夜を攻めたてる。


「これだけの密度で攻撃しても、ほとんど防ぎきるとはねー」


「おれも、あんたがこれ程の隠し玉を持ってるとは思わなかぜ」


「あと、言っとくが長物を持ってるのはあんただけではない」


「なに」


 白夜は空中に一本の線を描き、長刀を召還する。それを持って、さらなる反撃に出た。


「こっちは一切出し惜しみをしない。あんたも本気を出したらどうだ」


「はっ!ばれてたってか」


「流石に人力でここまでできるとは思ってなかったですが、やはり()()ですね」


「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか。ふう…闘気(とうき)解放(かいほう)!」


 次の瞬間、凄まじい波動が周囲をざわめきたてる。

 吹き荒れる土煙に顔を覆った隙を見てか、ペンはその槍を白夜にめがけて投げつけてきた。


「なに!ぐぅ…」


 白夜も、流石に槍を手放さないと思い込んでいたせいで油断していた。もう少し判断が遅ければ腹に穴を空けられていたかもしれない。


「これは、予想外です」


「もう、楽しい会話は終わりだぜ。嬢ちゃんよ!」


 今度はその闘気で複数の槍を展開し、白夜めがけて一斉掃射する。

 その場は土煙でおおわれ、誰もが大打撃を与えたと思い込んでいた。


「どうだ。倒しきれずとも、いいのが入ってるだろ」


「…どうかね」


「!?」


 煙が晴れたところで、白夜の懐に光る物体が見えた。それはすぐに砕け、塵となって消えていった。


「まさか、無傷だなんてことはないよな」


「今のは守護の宝霊術と言ってダメージを肩代わりしてくれるのさ。こんな自分でも人間なんでね、あの速さと密度は避けれなかったよ。でも言ったよね、出し惜しみはしないって」


「くそっ!」


 ペンはその闘気の槍をその手に持ち、白夜に迫る。

 

槍糸(そうし)炎嵐(えんらん)!」


 矛先から糸を引くように炎を巻きあげ、乱撃を繰り出す。


魂狐(こんこ)妖万花(ようばんか)


 対して、炎から一変して細かい花吹雪となった妖術に銀霊を添えて、立ち向かう。


 いまだに終わらぬこの戦闘を、多くのプレーヤーが凝視していた。


「なんなんだこの戦い。白熱じゃねーか」


「白霊狐は分かるけど、このペン回しとかいう変な奴もスゲーな」


「でも聞いたことないし、無名だろ。こんな猛者が今まで隠れてたなんて」


「いや、白霊狐も今まで見たことのない大技を出しまくってるよな。燃えて来たぜー」


「ど、どっちが勝つんだ!?」


 こうして、長丁場となっていたこの熱戦に終幕が訪れた。


 お互い、力がこもった最後の一撃を放った。


「おぉらああ!」


「はああ!」


 ゲーム内全体が静粛に包まれる。


『勝者が決定しました』


勝ったのは白霊狐の白夜だった。「おおー!」とゲーム全体を騒ぎ立てる。


 白夜は、狐の化け皮を発動し身元を隠したうえでロビーに戻ってきた。


「ふー、なんとか勝てた。…ってなんか凄い騒いでる」


「白霊狐はまだ来ないのか!?」


「話を聞かせてくれー」


「あー。そういうことね。身元隠しててよかった」


 このイベント大会も、熱気あふれる大騒ぎとなっていった。

っ次回、土曜日投稿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ