59 強者出現
モブキャラ……じゃなくなってきてる件
大会二日目。
現実では全国的にきれいな空模様が出ているとのこと。だがそんな事実には目もくれず多くの人達がグランド・エデンにログインするのだった。
狐白もその一人であり、朝早くからゲームを立ち上げていた。
「さて、軽く観戦でもしとこうかな」
ゲーム内からも試合が観られるので、さっそく観戦してみる。
全ての試合でAIによる実況が行われており、見るだけでもかなり楽しめた。
『さあグリコ選手、怒涛の魔法攻撃を繰り広げています。戦況を打破する者はいるのでしょうか』
「あ、グリコさんだ。相変わらず迫力はあるけど…」
『おっと攻撃が止んだぞ!?これはまさか、MP切れだー!』
「それで、リンさんがグリコさんにとどめを刺して一位と…」
なんやかんやでリンが戦う姿は初めてだった。
彼女が持つ武器は特殊で、リング状の剣をヨーヨーのごとく振り回す姿はまるで踊り子だった。
「剣には魔法属性が付いてたし、役職は魔法剣士といったところかな」
他にも、知ってるプレーヤが多く参加していた。
赤魔女さんこと【バイオレット】さま?、ドSに磨きがかかってます。
フルメートになってる【ジャン】さん、なんか久しぶりです。
闘技場でなんか印象に残ってる【ミケ】さん、彼女はケットシーです。
陽気なピエロの【ジェフリー】さん、相変わらず不気味です。
金霊狐の【ホムラ】さん、ちょっと装備変わってますね。
双子の【ノアル&クロム】、お互いソロでも大暴れ。
そして…
「青空騎士団の【ソーラ】ね…最初の速攻具合が似てる。考えることは同じかよ」
相手が狐白だからと手加減する気はないらしい。
こちらも真剣にいかなければ勝てなさそうだ。
「じゃ、自分も行きますか」
=☆☆=☆☆=☆☆=
あれから何試合行ったかは覚えていない。だがその全てを一位で飾っていることは覚えている。
「銀霊を対策するプレーヤーや立ち回りに頭を使うプレーヤーも増えて来たけど、問題なさそうだな」
そうして油断し始めたころに、彼が現れた。
「残り1人。あそこにいるプレーヤーを倒して終わりだ」
この背後からの奇襲で今回も難なく終わるはずだった。
「だがしかーし、終わらんのだよお嬢ちゃん」
「なっ!?」
その槍攻撃を防ぎ、白夜を跳ね飛ばす。
「す、すごい馬鹿力ですね」
「ペン回しの達人とは俺のことさ。さあ、共に戦おうじゃないか白霊狐」
彼は同じ船に乗って旅をした一人だ。深い関りはないものの、個性的だったのでかなり印象深かった。
「銀霊!」
「きかん!こんなもの全て薙ぎ払ってくれる」
「なら、クナイで」
「だからきかんと…どこに行った」
「ファントムミラージュ」
「お、増えた?」
「これで仕留め…」
「増えたところで、無駄なものは無駄だ!」
槍をとにかく振り回し、背後からの攻撃も真上からでも全て攻撃を相殺されてしまう。
「今ここでお前を倒し、名声を挙げさせてもらう」
「やれるもんならやってみなさい」
普通に戦っても勝率は半分程度だろう。ここで連勝を止められる分けにもいかない。
「一応警告しとく。ペンさんはこれを全て相殺しきれる?」
「何が来たって問題はな…い。何ですかその炎?」
「魂狐霊炎。形が違うだけで銀霊と同じやつだよ」
「…ご説明感謝しとくよ」
次話、月曜日!




