56 大会予告
ついに、夏休みが終わります。
あれから何事もなく目的地のイスティアに到着した。
海賊達は傭兵に連行されていき、狐影達は賞金を得た。
「本当にいいのか、わけまえが同じで?」
「そうだ。俺らはほとんど働いてないぞ」
「それでも、戦友だった事には変わりない」
「どうか遠慮せず受け取ってくれ」
こんな形でプレーヤー同士中が深まった所もある。
狐影はというと……。
「フワフワだぁー」
「モフモフだぁー」
「……」
また双子に尻尾を触られていた。
「まあまあ狐影チャン。この子達も頑張ったのだし、大目に見るのダヨ」
「そうですけど、正直ムズムズするというかくすぐったいというか…変な気分なのですよね」
「ねえねえ狐ちゃん。一緒にフレンド登録しようよ」
「ピエロさんも一緒にフレンド登録しましょうよ」
「オ!イイネ」
「そ、そうですね」
ちょっと…いや、結構個性的な四人だが、相性としてはかなり良い方なのかもしれない。
そして、この時の繋がりが、大きな未来に続いている。
……かもしれない。
=☆☆=☆☆=☆☆=
あれから二日後、狐白は学校へ行く準備をしていた。
ここ二日間は、ゲームの感覚から現実の感覚へ戻すためにログインをひかえていた。
もしあの三人に勘づかれたらと思うと鳥肌が立つ。絶対ろくな目に合わない。
だからいつも通りの変わらぬ生活を送ればいいのだ。
=☆☆=☆☆=☆☆=
いつもと変わらぬ通学路。だけど、懐かしい風景に思える。それもそうだろう、ゲーム内ではかなりの時間を過ごしたのだから。
「こんな所に自販機あったっけ?あ、これ美味しいやつ」
こんな感じで新鮮な空気を楽しみながら学校へ着いた。
久しぶりと話す生徒、挨拶を交わす先生、悪ガキ三人。
生徒には話しかけられないし、先生に深い関心を持たれてないし、悪ガキは三人いるし……。
「おおーーい!気付けーーーー」
「うっさい!耳元で叫ぶな煉」
「いやー悪い悪い」
「でも、狐白ちゃんの方がうるさかったぞ」
「ぐう…あれ?」
さっきまで三人だったはずだが煉と巧弥の姿しか見えない。大介は一体どこへ……
「すきあり!」
「ヒャウ!」
なんか変な声が出た。どうやら大介が忍びより、弱点である脇腹を触ってきた。
たまらず狐白は女の子の様な可愛らしい声を出してしまった。
「相変わらず可愛らしい声してんな」
「多分、女装したほうがモテるぞ。大介もそう思うよな?」
「お、おうそうだな!」
「あれ?」
ここで違和感を覚える。いつもなら三人で大爆笑ししている場面だが、大介だけぎこちない気がする。
なんだか、困惑している様子だっだ。
「ハハハハ…あれ?どうしたんだ大介?」
「ホントだ。浮かない顔してんぞ」
「いやあ、えっと…そろそろ時間がヤバいと思ってな」
「うわっ!マジだ」
「急げ!教室は遠いぞ」
大介の様子がおかしかったのは事実だ。それでも時間がないので、三人の姿が見えなくなってから教室へ向かった。
=☆☆=☆☆=☆☆=
休み開けテストは難なく終わった。勉強量は少なかったが、思った以上に書けて自分でもびっくりしたほどだ。
狐白はいつも通り帰ろうと準備してると、あの三人の会話が聞こえた。
「なあなあ。新しい大会の情報が出てたよな」
「ああ、まさかバトルロイヤルが出るとは思ってなかったよ」
「明日から開始だし、早速行くよな?」
「もちろんだ」
「この僕なら決勝まで上り詰めるのは苦じゃないな」
「おいおい。ゲームのキャラが出てきてるぞ」
「あーすまんすまん。調子のった」
いつもならそそくさと帰る場面だが、つい三人の話に耳を傾けてしまった。
「おい狐白ちゃん。何盗み聞きしてんだ?」
「お?女子もこの話に興味あるのか」
「じょ、女子じゃない!」
帰らなかったせいで、早速目をつけられてしまった。
次の朝5時投稿です。




