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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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51 船着場での出合い

「とあるハッカーの異世界放浪記」を早く書き進めたい。


でも、忙しいし時間がない。


でもでも、ロマンの詰まった作品を公開したい。


でもでもでも、早くしようとして手抜きはいけないし。


でもでもでもでも……以下略



 無事に船着場まで来た狐影は、そこから見られる景色に見入っていた。


 この場所へ来るのは2回目となるが、いつ見ても感動を呼ぶ絶景だ。


「船が到着しましたー。乗船する方は速やかにー」


 次々と乗り込むプレーヤー達。だがその人数は割と少なく、狐影を合わせても6人程度しか見られなかった。


「さて、自分も乗りますか」


「ねえ君。もしかしてアノ森で出会った狐カナ?」


「ふぇ!?」


「アー、ごめんネ。驚かせる気はなかったのヨ」


「え?ピエロ?」


「ソウ!ワタクシはカラクリピエロのジェフリー。ヨロシク!」


「よろしく…?」


「さあさあ、いっしょに乗船するのダヨ」


「ちょ、待ってください」


 黒と白を基調にしたピエロが現れた。

 初対面のはずなのに何処かで見たことがある気もする。相手側も狐影の事を知っている様子だった。

 しかし、思い出すことができないまま船は出港するのだった。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


「改めましてワタクシはジェフリー。ヨロシクなのダヨ」


「自分の名前は狐影です。せんえつながら、何処かでお会いしましたでしょうか」


「オーマイガー!ワタクシの事を覚えていない。ああ、それもそうですネ。直接顔を合わせて話してないですものネ」


 あからさまに肩を落とすジェフリーと名乗る彼を見て、狐影は慰めの言葉をかける。


「まあ、色んなプレイヤーがいますし、忘れてるだけかもしれないですね」


「そうなのネ。ワタクシは始まりの町とグラントスの間の森でアナタを見たのヨ」


「森……もしかして、見てました?」


「ソウソウ、散らばったPK達を追いつめる様子は爽快だったヨ。ちなみに、残ってた2人はワタクシが倒しておいたのヨ」


「そうだったのですね」


 まったく気づかなかった。先程背後から声をかけられた時も、全然気配を感じ取れなかった。


 そもそもジェフリーから感じ取れる感情は独特で、ほぼ白色で統一されているイメージだ。

 これほど感情と表情が一致していない人は初めて見た。正直気持ち悪くもある。


「どうしたのカナ?複雑な顔だヨ」


「いえ、何でもありません」


「気楽にするのが一番だよ。ワタクシはいつでもハッピーの味方さ」


「ハッピーの味方?」


「ソウ!笑顔が一番ハッピーが一番。笑顔を作りハッピーを守るのがワタクシの生きる意味なのサ」


「生きる意味……」


「じゃあこれから、同じ時間を共にする仲間たちに笑顔を届けに行くのダヨ」


 こうしてジェフリーはこの場を去っていった。


彼はカラクリピエロ言った。彼の話す言葉一つ一つに感情がこもっておらず、本当に人形と会話した気分だった。

 彼は一体何者なのか、そんな疑問が残った。


=☆☆=☆☆=☆☆=


 変なピエロと出会ったが、他にもいろんなプレーヤーが乗船していた。


 今乗っている船は、野良のプレーヤーが一緒に乗船するいわばフリー船だ。貸し切りでは無い分無料で、美味しい料理付きといった豪華仕立てなのだ。


「その代わり、物資が豊富なため海賊に狙われやすい」


 船内を見て回ったが、食料品やプレーヤーが売り払ったであろうモンスターの素材まで見られた。


「これじゃあ、安心してログアウトできないなぁ…」


 空いた時間で動画編集をしようとと考えてたが無理そうだった。それに、池周辺を撮影した動画の投稿がまだなので早く投稿したい。


「ひゅあ!??」


 尻尾を何者かが触れたような感覚が全身を走る。いや、実際に誰かが触ったようだ。


「尻尾フワフワだ〜!」


「尻尾モフモフだ〜!」


「ちょっとやめて」


「ごめんね~」


「悪気はないんだ〜」


「「ただ、魅力的な尻尾が気になったから〜」」


 完璧なまでの阿吽の呼吸。というか、双子のタンゴ。

 双子らしき少女二人が、謝りつつも尻尾をモフり続けていた。


「くすぐったいのでストップ」


「「はーい」」


 何この子たち。

 黒髪で青い目を持った小さな女の子が二人。背の低い狐影よりも数センチほど背が低かった。


 そんな子供相手に振り回される狐影だった。


 もしかしたら、今度の月曜日にまた投稿するかも?

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