46 ギルドの関係
3ッ亀
戦闘開始から時間が経ち、夜が明けようとしていた。プレーヤは疲れた様子が伺えたが、ギルドの到着を聞いた途端に元気を取り戻していった。
そんな中で『狐の羽衣』や『青空騎士団』といった大規模ギルドが来たことに対し、驚きを隠せずにいた。
「なんでソーラのところのギルドが来てるのよ!?」
「あー。どうかしましたか、ホーさん?」
「……っ!狐影、戻っていたのね。でも今は静かにしてくれないかね」
「あ、はい」
迷惑だったと耳を倒してしょんぼりする狐影だったが、ホーの見る視線の先にギルドが集まっていることに気づいた。
「あのマークは青空騎士団でしょうか、ソーラのとこの」
「ええそうさね。出来れば奴らと会いたくなかったね」
これまで以上に深刻な顔をしているだけでなく、憎悪と嫌悪の感情が青空騎士団へ向けられてた。
「よくぞ耐えた、プレーヤー諸君。我ら青空騎士団が来たからには、ここグラントスを最後まで守ってみせよう」
「いいぞ、ソーラ団長!」
「カッコいいぞー、ソーラ団長!」
正直痛々しいが、これでもついてきてくれるプレーヤーがいることを見ればそのカリスマ性を認めるしかない。
「正直、聞いてて痛々しいわよ。ソーラ」
「ほお。そこにいらっしゃるのは狐の羽衣団長、ホムラさんではないですか。闘技場以来ですネ」
「その団長って言い方、気に入らないわ。そんなことよりまさか、あなたが指揮を受け継ぐつもり?」
「そのつもりだが、何か?」
「ギルドとしての実力なら私達のほうが上だわ。普通なら私が受け継ぐべきよ」
「何をおしゃっるかと思えば、プレーヤーを捨て駒にするようなあなたが?」
「あなた、何を言って…」
「だってそうじゃないですか。炎竜とやらから逃げるために、ギルドメンバーですらないプレーヤーを囮にしたのでしょう」
「それは違う!あのときは、私達を助けるつもりで」
「少し考えれば分かりますよ。レベルの低いプレーヤーを残し、強者のあなたは無様に背を向け逃げたのだろ?挙げ句の果てに、その取り残されたプレーヤーはあれ以来姿を見せていないと聞きましたが?あなたのせいで、ログインしなくなったのではないでしょうか」
「……」
「おや、言葉が出ないようですね。先程言ったことの真偽が分からない以上、軍の指揮をあなたに任せることはできません。異議のある者は居るかね?」
誰も声を出さなかった、いや出せなかった。事実、彼の言ってることは正論で弁解の余地がなかった。それに、今ここで大規模ギルド相手に異論を述べる者など……
「シャドー・コーティング……異論あるわ!!」
「ぐほっ!??」
シャドー・コーティングをまとった狐影が、ソーラの顔面めがけて膝蹴りをお見舞いした。
「な、何をする。セーフティーエリアじゃなきゃ死んでた威力だぞ!」
「何って、異論を申しに来ただけです。あと先程の攻撃で即死クリティカルが入りましたね」
「そんな簡単に即死が出てたまるか!」
「そうだ!てか誰だ!」
「異論があるなら口で言え!実力行使なんてみっともない真似……」
「みっともないのは君達です。相手の気持に配慮せず、それこそ即死級の精神攻撃をあなた方は放っていたのですよ」
「は?いや、正直何言ってるか」
「ホムラさんの表情を見れば誰にでもわかりますよ。今どんな気持ちにさせられたか」
ホムラの表情を見ると下を向いて号泣しており、よく耳を澄ませば「ゴメンナサイゴメンナサイ」と繰り返し連呼していた。
「現実の顔もわからない他人にかける言葉は考えたほうがいいですよ。そんな小さな器じゃ、誰もついて来なくなりますよ」
「だ、黙れ。僕は悪人を断罪しようとしただけで」
「その真偽は分からないのですよね?まだ悪人と決まった訳じゃないのでしょう」
「くっ……」
「まあこれ以上言うと、ブーメランが飛んできそうなので下がりますが少しは反省してください」
「……だから何だ?お前一人の一存じゃ何も変わらんだろうが!」
「はい。ですので自分からは一つだけ。ホムラさんに対して謝ってください」
ソーラは歯を食いしばり沈黙した。すると、その後ろから一人のプレーヤーが前に出て来た。その人物に狐影は困惑した。
「すまんが団長がこの調子じゃ謝れんだろう。だからここは俺が代理として謝らせてもらう。申し訳なかった」
その大きな体を倒し、頭を下げた人物に狐影は…白夜には見覚えがあった。
馬車襲撃の時共に戦い、フレンド登録もしていたダンテだったのだ。狐影になってから交流を持たなかったが、こんな場面で再開するとは思いもしなかった。
ゴールデンウィークだやっふぉーーーーーーーーーーーい!!!!




