35 狩られる者たち
「お、おい。どうすんだよあいつ」
「知るか馬鹿もん。とりあえず探せ!」
「お、オッス!」
彼らはそれぞれ背を合わせ円を描くような陣形をとった。アーチャーも弓を下げナイフをとる。
「親分よぉ、どこにも見えませんぜ。襲ってくる様子も…」
「あぁ?どうした」
そこには、死亡し砕けた直後の仲間の姿が目に映る。なんと陣形の中心に黒き狐が侵入していたらしい。
「…ッ距離をとれ!」
追撃を避けることはできたが分担されてしまった。
「こ、こんなのやってられっか!」
「おいこら待て!」
「その通りだ。なんで俺らがこんな目に遭わなきゃいけないんだよ!」
恐怖にあらがえず全員逃げ出し、親分ただ1人残ってしまう。
「お前ら…いやむしろ好都合か?」
彼は背後の大盾をしょうめんに構え叫ぶ。
「ゴールデン・ボディ!」
スキルにより、金色のオーラをまとい動かなくなる。
「これで最大10分間は動けなくなるが無敵だ。だからよぉ、先に逃げたやつを追ってくれやしないか?」
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《北方面》
「はあ、はあ、はあ…なんなんだよあいつ。本当に人間か?化け物だろ」
ソードマンのジョブを持つ彼は攻撃特化でスピードにステータスを振っておらず遅かった。だからこそ必死で走っていた。
「くっそー。死にたくねえ死にたくねえ死にたk[ガサッ]ひぃ!」
腰に下げてた剣をとり音の方向へ振り向く。そこには…
「ああ?なんだよホーンラビットじゃねえか。びっくりさせんな…」
首元の痺れと共に彼は砕け散った。恐怖を感じる間もなく。
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《東方面》
「速く速く。あそこにさえたどり着けば」
アーチャーの彼は、キャンプをしているプレーヤーの元へ向かっていた。無論狩るためではなく助けを求めに彼は走っていた。
「PKの俺ならまだしも、善良なプレーヤーを殺すはずは…見えてきた、焚火の」
それは希望の光にも思えたであろう。だが、足の痺れと共に転んでしまう。
「なんだ、クナイ⁉もうここまで。早くあそこへ…!」
クナイを外し立ち上がろうとするもうまく足が上がらない。よく見ると鈍足のデバフがかかっていた。
「あ、ああ…あ。タスケテ…」
必死に助けを呼ぼうと叫ぶが声にならず、彼も死に砕き散るのだった。
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《西方面》
「逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ!」
シーフの彼はとにかく必死だった。使えるスキルはすべて使い、おそらく一番遠くまで逃げれただろう。
「はあ、はあ。ここまでくればもう[ガルル]…え?」
いつの間にかオオカミの群れに囲まれていた。普段なら避けれたはずの状況だが、必死すぎて周りが見えていなかった。
「ひぃ…ぎゃああああ!」
シーフの彼になすすべはなく。飛び掛かられ絶命し砕け散ってしまった。
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《狐影視点》
なんとなくだが、とても頭がすっきりした気分だ。今まで曇ってた脳の一部が晴れたかのようだ。そのおかげか今までよりいい動きができた。無駄がなく華麗に敵をなぎ倒していく。
しかし、分散されたため2人ほど逃がしてしまった。
「あーあ。あそこで落ちなかったら…まあ過去のこと考えても意味無いか。とりあえず今はどれだけ経験値が手に入ったかを…ん?」
ステータスウィンドウが2つ同時に出てきた。片方は元のステータスだが…
プレイヤー名【狐影】 職業:**** LV:****
体力:**
筋力:**
俊敏:**
器用:**
魔力:**
精神:**
【装備】
頭=**** 体=**** 足=身軽な短パン(軽)
靴=黒狼の靴(俊敏+5) 武器:***
【アクセサリー】
1鑑定のイヤリング 2罠発見の目 3忍者の懐・クナイ 4空白
【スキル】
****** ** *** ****
一部表記は文字化けして読むことができず、もう一方のステータスも表記が所々荒ぶっていた。その非常事態に放心状態になるものの、突き抜ける日の光で我に返る。
「えっと、とりあえず町へ行こう。考えるのはそれからだ」
現時点で断言できるのは、また苦労(システム的な)する羽目になるのだろうと。
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。
投稿日は、毎週土曜朝5時に投稿いたします。楽しみにしててね(*^-^*)




