34 狐の狩人
なんか物足りないので今回は2つ~^^
森を出てから数時間。満月の美しい真夜中となっていた。
現実ではまだ30分しか経っていないが、1日の半分のほとんどを徒歩に費やした疲れが押し寄せてくる。
「はあ、流石に休もうか。ゲームとはいえこのままだと倒れる」
近くの木を勢いよく駆け上がり、途中の枝に座る。
アイテムボックスから取り出した水袋を飲むと、今までの疲れがスッ…と消える。
「は~生き返る。眺めもいいし…ゲーム最高ー」
今思えば、かなりなじんできたと思う。
バグから始まったゲーム人s…狐生?…だった分不安があった。なのに今は、不安が綺麗サッパリ無くなるどころかワクワクしている。それに、1か月経っていないのにもかかわらず沢山の思い出ができた。
「なんか毎日が忙しくて…でも充実してて、楽しくて…そうそうこの場所にも思い出が」
急に言葉が詰まる。忘れていたが、この場所は危険地帯で多くのPKプレーヤがはびこっている。特に、馬車の襲撃被害が多いらしい。
「そういえば、ここに来る途中何台かの馬車を見たが…」
よく見ると、向こうに明かりが見える。その場所は以前『白夜』としてプレイしてたころにキャンプした広場だった。それを遠くから観察する人影もあった。
「あー狙われてる。あいつは下調べに来てるってとことか?」
他に人影は見えなが、襲撃者が1人なんてことはありえないので何処かに必ず潜んでるのだろう。
「あれ、無視するわけにいかないよな。護衛もなんか弱そうだし」
寄り道になるが、PKプレーヤを討伐することに決めた。ただし、白霊狐としてではなく狐影として討伐に向かう。スキルを使えば正体がばれる可能性があるので使えないので、プレーヤースキルでなんとかするしかない。でもこれはいい訓練になる。
偵察していたプレーヤが森の奥へ走りだす。狐影も枝を飛び移りながら後を追う。すると、とある洞窟にたどり着いた。中から複数のプレーヤが出てくるのが見える。
「作戦会議でもしてるのか?もう少し様子を[バギッ!]…え?」
足場にしていた枝が急に折れ、勢いよく落下すし体力が減少する。
「イタタ…あれ?」
少し遅れて状況を理解する。とりあえず目の前のプレーヤに注目されてる。
「あ~、えっと。自分のことは気にせずゲームを楽しんでください。では…」
逃げるが勝ち、こうしてPKプレーヤと狐の追いかけっこが始まった。
「あ、こら待てー!」
狐影以上に状況を理解できていなかったPKプレーヤが思い出したかのように声を上げて追ってくる。速さに自信がある狐影だったが、彼らの方が速いらしく距離がどんどん縮まっていく。
「くそ…ふっ」
進行方向を曲げ木の裏に隠れる。
「まて…い、いない⁉」
木の裏にはだれもおらず、困惑するプレーヤの背後に痺れが走る。
「いでっ!くそ、クリティカルかよ」
木の上からの奇襲だったが倒しきれなかった。再び、にらみ合いの状況へと戻った。
相手は6人に対してこちらは1人の絶望的な状況。しかし、狐影の目には闘志が映っていた。まさしくそれは「獲物を見る目」であった。
「な、なんだ?やる気になったのか」
目を見た彼らはただならぬ恐怖に襲われる。
数秒の沈黙の末、1人のプレーヤーが動き出した。彼は弓の弦を引き矢を放つ。それはスキルのより強化された矢だった…はずだったが。
「甘いよ、君たち」
放たれた矢は狐影の手の中にあり、一番近いプレーヤーの額に突き刺されていた。即死クリティカルとなったその一撃で彼は砕け散った。
「うおぉお⁉こいつ…速!」
視点を合わせた瞬間、また狐影の姿が消える。
残ったPKプレーヤは残り5人。普段襲う側の彼らが襲われる恐怖を味わう羽目になるとは思いもしなかっただろう。
狐影は狩りを始めた。無慈悲の狐。恐怖のハンター。
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。
投稿日は、毎週土曜朝5時に投稿いたします。楽しみにしててね(*^-^*)




