31 見つけるべきもの
グランド・エデンを遊ばなくなってから、4日が経過した。
昨日は夕方に就寝したが、起きた時間は朝の9時と少し遅かった。
鏡を見ると薄いが、目の下にくまができている。いつぞやの3人組に馬鹿にされて以来、健康体を常に意識していたのだが、この頃無理をしすぎた。
目のくまがなくなるまで、極力外出は控えようと思う。
何度も言うが、狐白は虐められている。主に大介・煉・巧弥の3人で、よくからかいに来る。だが、それだけだ。ノートに落書きをされたり何かを隠されるといったことはしない。通信アプリで悪口を言われることもない。むしろ、それらのアプリを持っていない。
直接手を出されない分、大きな問題になることはないがそれ自体が問題だ。
狐白は過去に「心を読む気味の悪い子供だ」と近所からよく言われていた。
大好きだった母が息を引き取った。それは、とてもつらい経験だった。
泣いていた自分を支えてくれた父は今、アメリカに出張しているので家に居ない。
助けてくれる人はそばにいない。先生も大きな問題ではないと無視する。ほかのクラスメイトも助けてくれるほど親しくない。
狐白は孤独だった。
視界がぼやけてくる。頬をくすぐるように雫が垂れる。
「こんな現実より、グランド・エデンの方がよっぽど楽しいよ…」
投げ捨てるように言い放ったが、声がかすれてしまう。喉はカラカラだ。
キッチンへ向かい、冷蔵庫からジュースを取り出す。
それは、アメリカに出張中の父が送ってきたものだった。コップへ注ぎ口に運ぶ。甘ったるい飲み物だった。
=☆☆=☆☆=☆☆=
『追伸・友達と仲良く遊べるようにリアル・ライトを送っといた。たまには息抜きしろよ』
=☆☆=´;ω;`=☆☆=
ふと、手紙の文章が頭に思い浮かぶ。ちょっと前まで忘れていた文章。
自分の部屋へ戻り、引き出しから例の手紙を取り出す。
「友達と…仲良く」
以前読んだときは、遊ぶ友達がいると勘違いして送ったのだと思っていた。なのに、今読むと違う意味に思えてくる。
(友達になるきっかけになると思って送ってきてくれた?)
それが真実かは分からないが、不器用なあの父なら全然ありえることだ。思えば背中を押してくれるのはいつも決まって父の言葉だった。
「なんか、すっきりしたな」
パソコンに電源を入れ、今後の予定をメモする。
『過去の白霊狐について知る。そのために、遺跡や資料を探る』
『グランド・エデンを遊んでいるであろうクラスメイトを見つけること』
たった2つだけだが簡単ではない。名前も容姿も違うプレーヤーの中から見つけることはとても困難で、遺跡や資料に至っては情報が少ない。
それでも、努力しよう。自分を見つけるために。
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。
投稿日は、毎週土曜朝5時に投稿いたします。楽しみにしててね(*^-^*)




