25 見世物の戦い
「どうしてこうなった!?」
と思うのもそのはず。
昨日まで数千人しか評価をつけていなかったはずが、コボルト戦の動画で1万6千人に増えていた。
たった数時間でこんなに増えるものなのかと驚愕していた。
そして…
公式『ぜひまた我が社の公式ムービーに使用したいです』
ともコメントが来ていた。
実際、公式からのコメントはこれで2回目となるので一目を置かれてることは理解した。
「どうぞお好きなように…と。いいのかなこれで?」
使用するのはいいがあんまり目立ちたくない。
いや動画に出してる時点でもう遅いか。
ゲームとはいえ手は抜かない。出せるものはいつでも出し切っている。
しかし、このままでは『シーフ』として使えるスキルが減ってしまう。
「不可視の術や俊歩はごまかせるとして…それ以外は使えないな」
ごまかしきれるだろうか、と心配になる。
謎の人物といったキャラを演じているため、今更正体をばらしたくない。まして、正体を隠してた方が動きやすくもある。
「人気者はつらいよ」
カッコつけてるのではなく素でそう思う。そして思い浮かぶことが1つある。
「協力者が必要だな」
ゲームをプレイするにあたって、信用できるフレンドを作った方がいいだろう。
『白霊狐』として共にできる仲間を…
[ピッロリン]
どこか変な着信音が鳴る。
メールの送信者はホムラのようだった。
『船の移動中にイベント発生!?できれば今すぐ来て!』
とのこと。
今までに前例のないことが今まさに起きている最中だそうだ。
メールを見た狐白はすぐリアル・ライトを起動しログインするのだった。
=☆☆=☆☆=☆☆=
空飛ぶ船の上に、白夜は立っていた。竜という存在を目の前にして…。
「白夜!ねえ聞いて。この竜が船攻撃してるらしいのよ」
カリスマの抜けたホムラが必死に説明する。
「船長が言うには、魔法防壁で今のところ大丈夫らしいけど…到着まで持つかどうかって」
リンも悔し気な表情をしている。
「なぜです?到着はもうすぐ…というか目的地向こうに見えてますよね」
雲がかかってるせいでよく見えないが、島らしき影はもう目の前だ。
「いんや。今までのスピードなら逃げ切れるかもしれんが、もうすぐ岩石地帯に入るためスピードを出せんのだよ」
「船長…」
NPCである船長の顔でさえ青ざめている。
『竜』それは伝説上神にも近き存在とも言える。畏怖堂々たるその姿からもそれが伝わってくる。
「討伐は…できるのですか?」
「一応できるようね。体力ゲージが見えるもの。ただレベルが…」
『炎竜:レベル…65+☆2』
☆2が示す意味。種族が進化した際に着けられる表示だ。
ホムラにも似た表示が付いている。
『ホムラ:レベル…32+☆1』
恐らく船内では彼女が最強だろう。
自分を除けば…
プレイヤー名【白夜】 職業:白霊狐 LV:29→34+☆1
体力:7→8
筋力:6→9
俊敏:14
器用:10
魔力:10→11
精神:2
装備
頭=白霊狐の面 体=宝霊・白狐 足=身軽な短パン(軽)
靴=黒狼の靴(俊敏+5) 武器:真意の武具[固定]
アクセサリー
1鑑定のイヤリング 2罠発見の目 3忍者の懐・クナイ 4空白
スキル
ファントム・ミラージュ 空歩 瞬歩
最初は理解してなかったが、最近になって知った。
自分は既に進化していたことを…。
「ホムラさん。提案よろしいでしょうか」
「な、何!?」
「自分が囮になって炎竜を引き寄せます。どうせこのままでは全滅ですから」
「なに言ってんの!それなら私が…」
「いえダメです。足場はほとんどなく浮いている岩石を飛び乗っていくしかありませんから」
「まさか!?」
そう、この岩石を足場にして炎竜に挑むつもりだ。
これはバーチャル・ファイターで身に着けた立体起動ができる白夜にしかできないだろう。
「ホムラさん。ここまでの同行本当にありがとうございました」
白夜は船から飛び出し、飛竜を連れて雲の中に消えていくのだった。
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。
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