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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第3章ゲームの行く末
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20 ゲームらしさの足りないゲーム

最近忙しくなってきました。予約はしますが、今後投稿が送れるかもしれません。


 アップデートが無事終わったようなので、ゲームにログインする。


「やっとログインできた。30分待ちはもう嫌ですね」


 30分の間『ログイン中…』をずっと眺めて待機させられていたのでイライラしていた。

 それだけ大勢のプレーヤーが同時にログインしてきたのだろう。


 今は『鉱山都市・グラントス』の宿に泊まっている。

 だが違和感を感じた。身に映る風景がまるで本物にしか見えないからだ。


 アップデート前は少なからず現実ではないゲームだと認識できていた。プレーヤーやモンスター、建物、植物もただの立体的な物体のようなものにしか見えていなかった。


 だが今はどうだろう。今まで疑似的だった世界が本物のように見えるのだった。


 いつものマントを羽織り外に出る。

 初めに感じたのは、日の光が当たる感覚だ。


「凄い、温かい…あと眩しい」


 飾りではない本物の太陽の下にいる感覚。

 これだけを取ってもゲームが進化したのだと実感できる。


 そして…


「このお花。レイドスから輸入した貴重な花なのよ」

「まあ、おひとつくださるかしら?」

「まいど。350リルだよ」


 NPCが買い物している。それどころか表情が豊かになり、物の関心を持つようになっている。

 おそらく、NPCに感情を導入したからだろう。


 外の風景を見るべく町の門に向かう。途中屋台にも寄った。


「まいど嬢ちゃん」

「ありがとうございます。以前も購入しましたがとても美味でしたよ」

「照れるな嬢ちゃん。まだこんな小さい屋台しか出せねえが、いつの日か店を構えるつもりだぜ」

「そうなんですね、頑張ってください」

「可愛い嬢ちゃんだ。ほれ、串焼き1本おまけだ」

「いいのですか?優しいですね」

「その代わり、またここに寄ってくれよな」

「はい」


 店を後にする。正直NPCとこれほど会話が成立するとは思わなかった。


「店を構えるとか言ってたし、この街も発展していくのかな」


 NPCの生活する範囲も広くなった。ここまでくると本物の「人」と間違えそうだ。


「お、門が見えてきた」


 門を見張る兵士に身分証明書を見せる。これは以前と変わりのない作業だ。

 許可を得て門を通ろうとした矢先、パーティーを組んでると思われる人たちが必死に駆け込んでくる。


「なんなんだよあれ。怖すぎるだろ…」

「どうかしましたか」

「なあ、聞いてくれよ!」


 大人げないぐらいに号泣しながら、一部始終を語ってくれた。


 いち早くログインできた彼らは早速いつもの狩場に出かけたらしい。

 そこは『トレント』といわれる木のモンスターがいるらしいが、それを見た途端に悲鳴を上げ逃げて来たらしい。


「リアルになりすぎて、本物の化け物に出くわした気分になって…」

「腰を抜かした仲間がやられて砕け散ったのを見た途端みんなで逃げ出したんだ」


 彼らはそのまま町へ入り、ログアウトした。もしかするともうゲームに戻ってこないかもしれない。


「リアルすぎるのも考え物だな」


 門を抜けると岩で挟まれた道に出る。そこを抜ければ平原にたどり着く。


「動く岩、獰猛そうな鳥、オレンジ色のスライム…どれもリアルだ」


 空を照らす太陽、肌をくすぐるそよ風、鼻に残る草花の匂い…どれも今までなかった感覚だ。

このゲームが何を目指して作られてるのか分からない。


「これはまるで、本物の異世界」


『楽しくなりそうだね』と、どこからかささやかれたような気がする。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 グランド・エデンVRゲームを経営する会社『スタンド・ライト』

 そこの開けた部屋に会社員が集まっている。


「みんなご苦労だった。明日から日替わりの連休を取らせるので、ゆっくりしてくるといい」


「「「「はい!」」」」


 給料を受け取り、家に帰る。

 そんな中で1人、電車内で爆睡し終点まで寝過ごした者がいたという。


 駅員いわく…

「状況を理解したとたん、死人のような目で倒れられた」

 と話していたそうだ。

 その後は無事弟さんの介護の元、無事家へ帰れたそうだ。

あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。


投稿日は、毎週土曜朝7時に投稿いたします。楽しみにしててね(*^-^*)

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