2 さっそくバグった
ここから本編(?)ほどほどに頑張ります。
ゲーム機を頭にセットし、ゲームを起動する。
ふと目の前は暗くなり、モニターのようなものが出てくる。
『遊ぶゲームを選んでください』
自分はは1つしか入ってないソフトをタップする。
【グランド・エデン】というファンタジーアクションゲームだ。
いつぞやの三人組が話してたものと同じだろう。
ゲームが始まると早速キャラクター作成が始まり、目の前に自分とうり二つな模型が出てくる。
「せっかくなら、今よりもっとかっこよ…く…え?」
操作が上手くいかずキャラクターが作成できない。とたん周りが砂嵐の風景になり恐怖に包まれる。
次の瞬間、狐白は空中に投げ出されていた。
「え、ちょ…あああああああああああああーーーー!?」
泣きながら木々をすり抜け池に落ちる。数秒ほど閑散とした時間が経過する。
「…溺れる!」
慌てて池を飛び出し辺りの現状を確認する。
「ここは?まさかもうゲームの中!?」
池の水面をのぞき込む。
移ったのは白い髪と目を持った自分の顔だった。
「これが自分?バグが起きたからランダムで作成されたのか?」
操作説明書で見たようにウィンドウを開く。
プレイヤー名:白夜 職業:**** LV:1+*
体力:50
筋力:20
俊敏:35
器用:25
魔力:30
精神:20
装備:頭=なし 体=初心者の革鎧 足=初心者のズボン
靴=初心者の靴 武器:****
アクセサリー:1空白 2空白 3空白 4空白
スキル:[該当なし]
「こっちもランダムか?」
少し俊敏性が高いがどちらかと言うとバランス型だ。
だが、職業と武器の項目が文字化けてしまってる。
「運営に報告したほうがいいか?でもチートとか言われないよね…」
そこらへんの知識がないので判断しかねる。しかもこのようなバグが過去にあったのかも不明だ。
「ログアウトは…セーフポイントかテントの中で?そういえばなんで森の中に、ていうか空中から出てきたんだろ」
分からないことばかりだ。ただこの場でログアウトするべきではない。
「マップはないのか?『この周辺の地図がありません』てことは…」
つまり行き当たりばったりで進むしかない。
普通なら川沿いに進めば町にたどり着くが、ゲームの中だとそれも通用しないのかもしれない。
「うーん。何か持ち物に…【白霊狐の面】…なんだこれ」
譲渡品と書かれているが逆に譲渡不可とも書かれている。
【白霊狐の面】レア度:**
開放アビリティ:狐の化け皮 守護の宝霊術 不可視の術 破壊不可
白霊狐の力が封じられた狐の面。
装着者はその狐の特性と肉体を持つ。
【狐の化け皮】
職業や装備を偽る。
鑑定されても偽りの情報を読み取らせる。
【守護の宝霊術】
装飾されたオーブを最大5つ召還する。
増やすたびスキルの威力と俊敏性が上昇し、1つ500ダメージ分肩代わりしてくれる。
1度でMPを10消費する。
【不可視の術】
周りから視認されなくなり、音やにおい、気配を消す。
攻撃が当たると術が解ける。
「よくわからないが…強い。多分」
見た目や職業を偽れるのは、バグった今のステータスを隠すのに使える。
また、オーブを使えばモンスターの攻撃もある程度防げるだろう。
「じゃあ早速装備…おろ?」
白いエフェクトに包まれたと思いきや、尻尾と耳が生える。
「え?え?白色の尻尾と…耳…え?」
狐の特性と肉体を持つとはこういう意味だったのだろう。コスプレしているようで、流石に恥ずかしく思う。顔を赤らめつつも【狐の化け皮】を発動する。
職業:****を職業:シーフに、
武器:****も武器:ナイフへ変える。
見た目は、耳と尻尾を隠しただけだ。
「あとは町を探すだけ!」
訳の分からぬ今の状況から逃げたしたい一心で、街を探し始めるのだった。
バグで強い装備を得るなんてチートじゃん!と思うそこのあなた。正解(*'ω'*)
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。