17.5 ホムラは誓う
番外編?
私はホムラ。本名は茜
グランド・エデンにて【狐の羽衣】という名のギルドを立ち上げて4週間。全プレーヤーの3割が所属する大規模ギルドとなった。
多くの人が私を慕ってくれた。
『弓を引くあなたは美しい』
と、口をそろえて話す。それがとてつもなく嬉しかった。今でも、勇気を出して設立して良かったと思う。
ギルド設立前は、ごく普通の無名プレーヤーだった。
フレンドは少なくパーティーも組まず1人で行動することが多かった。
思えば、そのころの私は全力で楽しめてなっかた。
そんな私を変えてくれたのが1体の大きな狐だった。
いつもの様にレベル上げをしていると突然、濃い霧が現れた。
狩場にしていたこの森でまれに起こるイベントだ。
モンスターの戦闘はできるだけ避け、抜け出すことだけを考えていた。
最近得たスキル【生命視】を駆使することで、無事霧を抜け出すことに成功した。
しかし、広がる光景は森の外ではなく小さな神社の前だった。
その屋根の上で、人間サイズの大きな狐が9本ある尻尾を揺らしこちらを睨んでいる。
「そなたが、新しい狐の神子殿か?」
人語を話した。屋根の上から飛び降り近づいてきた。
とっさに弓を構える。
「落ち着け。敵意はない」
「え?」
「あなたは導かれたのだ。新たな狐の神子となり我が力を受け継いでほしいのだ」
戸惑った。
違和感無い動作から、とてもNPCには見えなかった。
だが、何を思ったのかとっさに「はい」と私は答えていた。
狐は黄金色の光となり、帯状に伸びて体を包みこむ。
気が付くと、種族名が『ゴールド・フォックス』となり役職も『金霊狐』に変化していた。
レベルがカンストしたプレーヤーは進化することができる。
上位プレーヤーことバイオレットも『赤魔女』という種族に進化してるらしい。
レベルカンストをしていなかったものの、イベントを通して進化できた。
この喜びをベストフレンドのリンに話すと、泣いて喜んでくれた。
また、この経緯は今は隠した方がいいとアドバイスもくれた。
それからのこと、狐の化け皮を使い進化したことを隠して今に至る。
闘技場での披露は成功だった。そのまま勝ち続け優勝を飾るはずだった。
でも、パンドラっていう乱入者に優勝を奪われそうになった。
今でもあの顔を思い出すとぞっとする。
体をむしばむ様な感覚が全身を走り、思うように動けない。
絶望した。でも私は助けられた。
私より小さい、狐の少女に…
私は思った「この恩は絶対返す」と。
そのために、彼女を自分のギルドに誘う。
そこで恩を返そうと強く誓った。
少女…『白霊狐』の情報は少ない。でも必ず見つけ出す。
この恩を返すまで小さな背中を追い続ける。
「あなたのことが知りたい。あなたと話したい。あなたにまた…会いたい」
ホムラこと茜は、白霊狐の映像を眺める。
あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。
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