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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第2章ゲームに慣れてきたころ
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14 不気味な自分

…テ…テストつらい…グフッ←気絶(過呼吸)

 生まれた時からそうだった。でも意識し始めたのは5歳のころ。

 感情表現が豊かになる中、ふと相手の感情が我が物のように読み取れたのだった。

 おかげで、人と接するのに人一倍有利になってたと思う。


 その頃は良かった。陽気な子供ならともかく学生となった今では化け物を見るような顔をされた。

 一緒に遊んだ友達には「気味が悪い」と言われ、近所の人たちは「不気味だ」と噂する。


 次第に「あそこの子は心を読む」と思われ避けられるようになった。


 追い打ちに、病弱な母がこの世を去った。弱った心にそれがとどめを刺しに来た。


 でも自分は我慢した。それは転校した後も。

 まだ応援してくれる『誰か』がいると心の底から感じられたからだ。

 大好きな父でもなく、死んだ母でもない、名前の知らない誰かが…


 =☆☆=☆☆=☆☆=


「…夢か」


 幼少期から今までの人生を振り返ったような夢を見た。ここんとこ毎日。


 ダンテさんには適当にごまかし、理由をつけてログアウトして早1週間。

その間ゲームをしようなんて考えれなかった。

だけどやることがない。


 夏休みの宿題は、無心で進めるうちに終わってしまった。


 電子書籍も今連載してる分は全て読み終わってしまった。


 動画やニュースも気になるのがない。


「…」


 朝食が喉を通らない。

 食パン1枚食べ終えるのに1時間ぐらいかかった。


 こんな状態は、母が死んだ時にもあった。

 ただただ無心で、何事にも興味を持てずただ1日が過ぎるのを待っていた。


「ほんと何やってるんだろ、自分」


 興味なさげにパソコンを開く。

 すると公式のブログに『第二回武道大会開催決定!』というのを見つけた。


「大会…イベントのことだよな?」


 【グランド・エデン】はイベントを定期的に行っており、上位入賞者にはレアアイテムが譲渡されるらしい。


「観戦するのもよし、レベルを上げて出場するのもよし。ただ己の力を見せつけましょう。また、前回上位になったプレーヤは予選大会免除となり、前回出場していないプレーヤの中からも大会への推薦状がもらえるかもしれないのでチェックしてみてください……か。もっと簡潔にまとめてくれないかな」


 ちょっと説明が長い気がしたが目をつぶる。いや、そんなこと思ってるのは自分だけか?


「にしても推薦状ね…」


 ふとケータイのメール履歴を見てみる。ダンテから、数件メッセージが来てたが無視する。ただ1つだけ運営からのメッセージが紛れてあった。


『運営から武道大会の推薦状を譲渡されました』


「勘弁してくれよ、運営」


 苦笑する狐白の目には少し光がともってた。


=☆☆=☆☆=☆☆=


 広がる森、透き通った池、大型の猪に虫のごとく群がるプレーヤ…


「いや、最後の光景はなんだ」


 久しぶりのVRゲームなのに気が抜けてしまう。


 フレンドリストには「ログインしていることを隠す」という設定をONにしておいた。

 ダンテには会う気にはなれない。


「さて、譲渡品、譲渡品…これか」


 インベントリから推薦状を取り出すと画面が飛び出してきた。


『大会に出場しますか? YES/NO 』


 白夜は迷わずNOを押した。大会に出場する気はなかった。

 正直に言うと、おおやけの場には出たくない。


「あんまり柄じゃないんだよな…」


 その後招待状は、特等席のチケットに変わった。運営もなかなかあざとい。


【特等席のチケット】レア度5

武道大会の特等席に座れるチケット。使い捨て。

外から見えないガラス張りでできた個室に入ることが許され、大会の途中出場が許可される優秀なチケット。


「…運営は自分に何を求めてるんだ?」


 その意図を読み取ることはできなかったが、このチケットがとある事件を起こすとは白夜を含め誰もが想像していなかった。

あくまで趣味で書いた凡人作品ですが、面白いなどのコメント・ブックマークは作者のモチベーションを上げます。


投稿日は、毎週土曜朝5時に投稿いたします。楽しみにしててね(*^-^*)

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