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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第5章 変わる変わるその色は
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119 粗末な情報収集

 我日常では、本編とはまた関係のない詩的文面をよく書いています。

 人の真理を説いた文だの、鬱をこじらせた文だの、書くと頭がスッキリして気分が良くなります。

 アルケミナ大図書館で発見された鉄扉の探索が明日に迫るころ、すでに何人ものプレーヤーが挑んでいたようだった。

 それもネット掲示板を見れば容易にわかることである。


「挑む……で良いのか? 扉の先にすら進めてなさそうだが」


 言葉の通り、未だあの扉を開閉で来た者はいない。そもそもの話、扉といういうよりも耐久力が設定された壁と呼ぶほうが自然だ。

 現状として何人ものプレーヤーが鉄扉前へ集結し、今でも破壊工作が行われている。


「攻撃力の低い攻撃はそもそも弾かれることに加え、無駄に耐久値が高いようで。それでも八割も削り切る猛者達は凄いな」


 とは言ってみたものの、別の掲示板では意外なことが書かれていた。


『発見時の耐久値は、既に三割以上削れていた……故に白霊狐、もとい狐影のダメージ出力が異常だと推測できる』


 発狂した手前にもかかわらず、貢献人だの、チート野郎だの好き勝手言ってくれていた。中には奥義を使用したのではという考察もなされていた。


 奥義とまではいかないが、得体のしれない技なのは確かだ。現状の白霊狐としての実力。むしろ狐影と混ざりあった新たな存在と言っても過言ではない。


 新たに名乗るとするなら、魄霊狐(はくれいこ)だろうか。


「魂魄……人の魂。生魄……月面の暗い影。一応これで名乗っておくか。できれば認知度の高そうな場所に」


 今まで通り()()霊狐と口にしようともその漢字の変化に気づけるはずもなく。だからこそ些細な変化でありながら、その字に込められた意味を誰かに気づいてほしいと言わんばかりに、内心興奮していた。


「あ、ホムラさんの開いてる掲示板だ。偽物……の場合は、ファンに敵視されるということで誰もやらなそうだが。でも見た感じ本物か」


『鉄扉の破壊に携わるということで、協力してくれる人集めるよ。みんなの力を合わせて技放つので』


 なんとも言葉足らずな文面だ。同じ霊狐の名を持つ者同士として、何をしたいのか想像は容易いが、そうでもない皆は納得してくれるものなのか。


 と考える間もなく、彼女と同じギルド人から一般プレーヤーまでが名乗り上げた。その数の多さから、収集をかけた本人によって厳選が始まってしまった。


「大体使うのはライフポイント(HP)だろうけど、それを回復ではなくダメージ出力に回せる……って言ったところかな」


 常に他人からHPを搾取し続けなければダメージを出せない、そんな能力であるなら不便極まりないだろう。だから自身のHPを糧にダメージを出す、というのが基本と考えるのが無難か。

 しかし、支払った代償分を回復する手段があるならば、完全に白霊狐の上位互換となる。


 今やそれにかまわず協力な技を放った自分が言うのもあれだが、羨ましい限りである。


「不意打ちによるクリティカルと、ライフ・ザ・ドレインによるダメージで通常では出せない火力を生む。でもそれじゃあ、一撃必殺なだけで後がない。こっちもこっちで不便極まりない」


 持久力の無さは強者相手に致命的だ。ライフ・ザ・ドレインによる弱体化は、レベルが高い相手ほど効きづらくなる。


「ホムラさんはその弱点を補うために考えたのが、今回の収集ってことかな。教徒あってこその荒業か」


 知っている顔であり、かつ器の大きい彼女のところでならと、そう考えてたが甘かった。別に協力するために名乗るわけでもなく、無理にもの名乗りあげる必要だってないだろう。


「今回はもう諦めるか。でも、ホムラさんのおかげで突入に手間を掛ける必要もないって知れたのは大きいかな」


 ネット上を映し出していたモニターを閉じ、ベットに倒れ込んだ。


 予定通り物事が進むのであれば、約束通り明日はダンジョン前で、フォーミラ達と合流する手筈だ。

 できればホムラ達とかち合う形で向うことができれば先陣を切ることができる。


「…………」


 ふと、疑問に思う。


 ホムラと白夜は共通点を持ちながら、それでいて対になるように存在している。もしかしたら、ゲームに関わらず感情を視るといった能力を持っているかもしれないし、逆にホムラのできることなら自分もできるのではないかと。


「金霊狐は攻撃への変換。魄霊狐はHPへの変換。自分のは銀霊だから、向こうのは金霊かな? でも攻撃で使うのは見たことないな。条件があるのだろうか。逆に銀霊には何故、消費もデメリットもないのか。はたまた別の……」


 もう夜遅い。ゲーム中は仮眠状態になるとはいえ脳は休まらない。活発に働いていた脳もいつの間にか静粛となり、軽い寝息と共に朝を待つのだった。

 小説を書く上で、場の空気を表すのに「静粛……」ばかり使っている気がします。一体これまで、何回連呼したことでしょう。

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