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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第5章 変わる変わるその色は
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110 隠すものに暴く者あり

 ただ今投稿予定の五時間前。その予定に間に合わせたい一心ではなく、だた書きたい衝動で書いてるのから重症だよね。明日学校あるのに、いや今日か。

 一度人間不信になってから、あまりまともな会話をする機会が減った。故に誰かと話すのが苦手だった。

 更に付け足すならば、気遣いのミスが相手の感情を大きく揺さぶる事に繋がる。時にそれは、感情が視える狐白にとって胸苦しいほどの後悔を生む。


「すみません、変なこと言って………」


「いや、別に見慣れた光景だからいいよ。ところで今のは狐白から……いや、白夜と言うべきかしら。彼から聞いたの?」


「まあ、そんなところです」


「しかし、姿は似ても似つかない姿にしてるのに、よく分かるものね。こっち(ゲーム)で面識があるわけじゃないのに」


「……そうでしたか」


 正直ここで同一人物なんだと明かしても特に問題はない。わけのわからぬまま手にした異質な力を隠すための行動は、その必要性を無くしてきているからだ。


 ただ、説明するのが面倒くさいだけだ。なんせ、何故正体を隠したのかは今と昔で違う気がするから。昔はただ純粋にバグを受け入れれず理解もできず、他者に知られたくないがために姿を偽った。


 しかし、炎竜フェルドラドとの対話を起点に偽る像が変わりつつあった。


『ほう、お主は感情を読み取れるというのか。そんな人物、今まで1人しかいなかったな』

『そういえば、その者も白い耳と尻尾を持った種族だったな』


 彼の言葉は、隠すものを白夜から狐白へと変えていくことになった。何から隠しているのかと言われたら、自分自身もうまく答えられないが。


「狐影?おーい」


「あ、すみませんボーっとしてて。とりあえずいったん休憩しますか。自分は読み終わった本を片付けてくるので、ミラさんはメービィーさんをなだめていてください」


「そうね、了解」


 今はもう廃れて霊が飛び交うこの場所で、礼儀正しく本を元の場所に返す必要性はあるのか。図書館のルールは、そこに住まう霊こそがその叫びと悲鳴が叫ばれる間は無に等しいだろう。


 その悲鳴の根源、叫ぶ霊を容赦なく狩る存在。


 そんな双子の様子をふと気にかけた。相変わらずその無双っぷりに変わりはなかった。

 

「本当にえげつない」


 心なしか、悪霊は双子を恐れているようにも見えた。人が恐れるはずの霊を恐怖に陥れるなんて、どれだけ末恐ろしい存在なのだろうか。


「確か一度、双子の……ノアルだったか?が、本気で怒ったときの殺気はとても怖かった」


 恐怖………それは様々な形で現れるものだ。


 死の恐怖、未来の恐怖、真実の恐怖、無知の恐怖


 ()()()()


「………っ!?」


 一瞬取り乱してしまったようだった。見知らぬ、だが重くのしかかる恐怖の感覚がこの身をむしばんだのだから。

 それらから逃げ出すための本能だったのかわからない。わかったのは、このアルケミナ大図書館に閃光とも思える破刃が全域に走ったことだけだった。


「なに、攻撃!?」


「なに、ヤバイ!??」


 お気楽だった双子も、この突然の現象に困惑を隠せなかった。


「うそ、本が………図書館が」


「………なにぃ、今のプレッシャー?とっさに結界で、身を守っちゃった……メェ?」


 騎士団の二人も、この恐怖に肝を冷やす。

 同じ空間にい全てのプレーヤー、ましてや霊ですら身を隠し、騒音は静粛を生んだ。


「ハァ………ぁ、ぁ」


 身を包む汗が気持ち悪い。これほどまでに取り乱すとはもう病気の域であろう。


「あ、あそこにいたメ。大丈夫メェ?」


「さっき凄い斬撃みたいなのが……ってすごい汗じゃない。本当に大丈夫なの」


 異変に気付いたメービィーとフォーミラは駆け寄るやいなや、深刻な顔で寄り添ってくれた。


「こっちからだよね。あ、狐ちゃん!」


「やばいよまずいよ、狐ちゃん瀕死だよ」


 程なくして来た双子もまた同様に。こんな状態でも、一人じゃないと思えば少し気が楽になる。


「………ねえ、なにこれ?」


「どうしたのミラちゃん。それって、鉄の扉?」


 目の前には、先程の破刃で壊したであろう本棚の奥に頑丈そうな扉が姿を示す。斬撃の跡が目立つが、それだけだ。先ほどの斬撃でさえ防ぐこの扉の先には何が隠されているというのか。


「これって、もしかして隠し扉じゃないの」


「狐影ちゃんはこれに気づいて……狐影?ちょっと大丈夫なの!?」


「………」


 だんだん意識が薄くなっていくのがわかる。激しい頭痛と倦怠感が同時に襲ってくる感覚が、降りかかる言葉の嵐さえもさえぎる。それからの記憶は切れた糸のごとく断たれていた。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


 人の知らぬ間に、あるいは寝ているる間に、皆は噂する。


《公開掲示板・ゲーム考察の沼地》


1無名:はい、これから沼考察事務所の戸が開きます。


2無名:なにその入り?


3無名:今日の議題は噂の定番白霊狐(はくれいこ)です。またもや、やらかしてくれたようです。


4無名:最近だと、スラム襲撃事変の話になるのだろうか。


5無名:騎士団は崩れ落ち、現地の人々も本来表立って顔を出さない。故に聞く話全てが噂でしかないのだが、ここで正確な情報を知れるのだろうか。


6無名:それは知らん。実際に見たわけでもないのだから考察も噂も全て妄想でしかないのだから。


7無名:分からないから考察するのだろうが、あくしろよ。


8無名:確かにその通りだ。とはいっても、人の周辺を考察するっていうのも何かと変態的な行為で気が引けるのだから。


9無名:謎と偉業を残したスターだからね仕方ないね。生きる都市伝説としてこれからも我々考察の思考の種を絶えず創るす花であれ!


10無名:素直に気持ち悪い(自身を含む)。


11無名:まあ、話を戻すとしよう。まず白霊狐のの正体は『狐影』という名のプレーヤーだったらしい。狐影は黒一色の小柄な軽装プレーヤー。話では、とあるスタンピードにて前線で活躍した人物らしい。


12無名:それに加え、増援に来た青空騎士団の団長ことソーラに膝蹴りを繰り出した人物が彼らしいな。いや、彼女だろうか?


13無名:なんやかんや中性的な人物らしいからね。そこは皆も迷ってるっぽいし、ここでは統一して『彼』でいこう。


14無名:後の偉業は、灰色(はいいろ)盗賊団(とうぞくだん)をソロで討伐。後のギルド駒狐(こまぎつね)の仲間と協力して流星(りゅうせい)海賊団(かいぞくだん)の船三機を撃沈させたりと、これまたいろいろと。


15無名:とはいえ、白霊狐と同様に偉業を成したことには変わりない。その名を認知され始めたかと思いきやその正体が白霊狐本人だったのだから、みんな震え上がったよ。


16無名:それも最終的には白霊狐と狐影。白と黒が混ざり合ってまた別な凄いやつになったからね。


17無名:まあ、スラム襲撃事変ではいろんなことが起こりすぎて話が絶えない。これから本題を語り合う上で知っておくべき最低限は、白霊狐が覚醒し進化し、奥義スキルを実力で打破したこの事実だ。


18無名:補足として、奥義は強すぎるが故に奥義でしか対抗できないという共通の認識があった。それを素の能力で対抗し、勝ったらしい。


19無名:その実力も凄いし謎だけど、なんかそれを隠そうとしなくなったよね。今もなお九尾の尻尾と耳をあらわにしたまま隠れなくなってるし、少し残念ではある。


20無名:それも確かに考察するべき要所。隠れる理由がなくなったのか、あるいはいまだ何かを隠しているのか。妄想の域を出ないが、やはり謎を解き明かしたくなるものだ。それをこれから考えていこうじゃないか。

次回、掲示板での話

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