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ゲームは狐と共にあり  作者: フィング
第4章みんな個性豊か
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103 星に願いを

 書き終わったー…一日一作、良くても二作、で~も次の日にゃ、脳がダメに~(*'▽')

 多大なる犠牲の元、この戦争は終わりを迎えると思われた。しかし、たった一人のプレーヤーによって延長戦へと移行することとなった。


 そんな悲劇の中心に彼女は、メービィーは立たされていた。


「置いて行かれた挙句、この仕打ちは酷すぎるメェ~!」


「だったらなおさら張り切れ。あんたら騎士団のせいでボロボロになった我々が戦っているのに、そういう嬢ちゃんは何怖気ついてるんだ!」


 迫りくるは大量のアンデット達だ。このゲームにて、そいつらは死にある程度の耐性があり簡単には死なない。にもかかわらず、倒しても倒しても減るどころか増える一方だった。


「船長、これ以上持ちこたえられそうにありません。銃弾や砲弾も尽きかけ、前衛もほぼ壊滅状態です」


「ほかギルドは何してやがんだ!?」


「その…それぞれリーダーをロストしているため、まともに動けないとのこと。また、闇討ちを得意とする者達のため、集団戦闘を得意としていないとのこと」


「くそったれが!おい羊の野郎、この状況を打破できねぇのか。少なくともこれはお前ら騎士団はこんな時の打開策の一つや二つ持ち合わせていないのか!」


「わ、私なんて…今ここで結界を張るだけでせぇいっぱいだメェ」


 そう。今このスラムの中心部であるこの広場に、巨大な魔方陣が展開されていた。これにより、地面からアンデットの軍勢が湧き出ることもなく、侵入されても弱体化をほどこせる代物だ。

 しかし、このグリコが発動した『死んだ(デット・イン)宴の時(・ワンダーランド)』は奥義と呼ばれる最強レベルの技であり、対抗手段は同じ奥義をぶつける以外にないと言われている。


 偶然にも相性の良かったメェービィーが残っていたおかげで壊滅を逃れているが、そう長くは持ちそうになかった。


「私だってこんなの怖くて汚くて嫌なのに…」


 ついには、その少女に瞳に涙が浮かび上がってきた。

 その強さに期待され、逆に期待通り動けなければ失望される。皆の顔色をうかがいながらの生活は慣れない。むしろ疲れていく一方だ。


 それでも、我慢して我慢して…それでも、つらくて辛くて。


 滴る涙は、何かの上に落ちた。それはあの双子がそばに置いてくれた小さなスライムだ。


「あ、スライムちゃん。ごめん、私の涙なんか汚くて嫌だよね?こんな時にメそメそする友達なんて嫌いだよね?」


 スライムに言葉を発する力はない。その代わりか、伸びた触手によって涙を拭きとった。


「…え?」


「・・・」


 スライムは何も答えない。


「・・・」


 星は願いを叶えてくれない。


「スライム…ちゃん?」


 だが、愛されし者は例外だ。


()()()()()…」


「星に…願い…を?」


 羊座星雲・白星(スター)()艦船(キャビン)


 広場は光に包まれた。眩くも優しい癒しの明かりは傷つきし者を癒し、死にゆくはずの存在はそれを嫌った。


「お、おいアンデットどもが逃げてくぞ!?」


「奇跡だ…」


 そんな中メービィーはというと、その身の周りに星が飛び交い目には羊座のシンボルマークが浮かび上がっていた。


「もう、メそメそしたくないよ。もう、嫌われたくないよ。これ以上、みんなに絶望の表情をさせるのは…だメェェェェ!」


 輝く満月を背に、メービィーは空に手を差し伸べると小さな流星が降りそそぐ。地にそれが当たれば跳ね上がり、光の中から金平糖が現れる。


「なんだこれ?」


「星…というか金平糖(こんぺいとう)みたいだ」


 このメルヘンチックな光景に、プレーヤーはやはり困惑を隠せないでいるようだった。ただ、その中の一人による悪ふざけにより、この技の真価が判明する。


「おいこれ、壊すとバフがかかるぞ!しかも、色ごとにその中身が違うみたいだ」


「マジか…おお、すげぇ!」


 金平糖はプレーヤーに多大なる強化と自信を与えた。それに対しアンデットの軍勢は、逃げ場のない神聖な光に怯えてばかりでまともに動けていないようだった。


「凄いな嬢ちゃん。見直したぞ!」


「あ、船長さんだメ。この力にはまだまだ先があるメェ!」


「心なしか、嬢ちゃんの羊化に拍車がかかってるような…」


 今度は地面からコットンが湧きだし、それが集まって大きな羊が形成された。


「集え、白星(スター)()(シップ)


「ダジャレじゃねぇか!」


「…あれ?あ、ホントだメ」


 シープ()な見た目のシップ()といったちんけなダジャレに盛大なツッコミが入る。

 それはさておき、その羊は群れを成し空から舞い降りる金平糖もとい星を食べた。それによって毛の色を変え、属性を得た。


「突撃!白星(スター)()(シップ)


 羊の猛進は次々と湧き出るアンデットをことごとく吹き飛ばしていくのだった。


 =☆☆=☆☆=☆☆=


『メエェェェェェ!!』


 巨大な羊が火を噴き、雷雨を生み、地面を割る様子を、遠くから彼らは見守っていた。


「えー、お宅の羊さん威勢良いですね」


「お、俺のアンデットの群れがいともたやすく…」


「いや、この際それでよかったわ!んで、これからメービィーのこと下に見れねぇーじゃねえか!」


「まあ、アーラ…いや、力が抜けた。話す気力もない」


「ホント、今日はびっくりする事ばかりだね」


 加勢に行くつもりが、突然のメービィーの覚醒により役目を失った。今までの状況とも相まって疲れ切るものや、それを楽しむ者もいた。


 特にあの双子が大喜びしていた。


「すっごーい。覚醒したね羊さん」


「すっごーい。進化したね羊さん」


「ん?おいあんたら、進化って…おっと、なんか凄いオーラが出てるぞ」


 手をつなぎ眺めるクロムとノアルの目には双子座のシンボルマークが浮かび上がり、微かに星が周りを飛び交っていた。


「我らは星に愛された存在」


「あの子も星に愛されてたみたい」


「「種族は星人(ほしびと)、星座をつかさどり、この世に十二人しか生まれないのだよ」」


「ワオワオ、まさかの新情報!サイトには載らない進化先。これは胸が高鳴るネェ!」


星人(ほしびと)の特徴として、同族がそばにいれば能力が覚醒し強くなる」


「今あの子のそばに、私たちのモンスターが寄り添ってるからね」


「二人だけで…いや三人?」


「「双子座は二人で一人!」」


「あー、二人だけであれほどのパワーを?」


「そうだね」


「そうだよ」


「十二人みんな集まれば、最終奥義が使えるよ」


「ホウホウ、これまた新情報!奥義たは別の新たな単語、最終奥義!」


「まあ、確かにこの双子が使ってた奥義は強くも範囲が狭かったな」


「なんだと!俺以外にこのガキが…!」


 トレントに吊るしあがられ、カンガルーにパンチされるグリコを無視して皆は会話を進めた。


「しかし、メービィーの今使ってる技も奥義なんだよな?」


「そうらしいが、発動条件が簡単かつ実用的だ。グリコほど脅威的ではないが、集団戦闘に特化している。メービィーらしいスキルだな」


「なあ、結局あのまま放置でいいのか?このまま朝まで押し切っちゃいそうだけど」


「フフフ、この程度で勝ち誇るなど滑稽だな!アンデットらが窮地に陥った時、奥義はさらなる真価を発揮する…ハベシッ!」


「うるさいよ、君」


「やっちゃえ、カン・ガー・ルー」


 二匹に増えたカンガルー(カン・ガー・ルー)にサンドバックにされるグリコを放置して皆は話を続けた。


「そいつそんな名前だったのか。ふふ、面白いイントネーションだな。はははは!」


「アーラが柄になくツボってる」


「…あ?」


「あ…って、いつも怒ってばっかのアーラが笑うとこなんてあんま見ないじゃん。やっぱ、笑った方が可愛い…」


「馬鹿にしてんのか!!!」


「ばっころろびぃーーん!!」


 アーラの渾身のパンチで四回転スピンを繰り出した山田を放置し、会話は進んだ。


「とりあえず、加勢も何もしていないのにこっちは負傷者が二人も出たらしいが、向こうはヘルプ行かなくても問題なさそうかな」


「…くる。やばいの」


「どうしたんだい狐影。やばいのって…おいおい嘘だろ、死体が山になって固まってく!?」


 遠くからでも分かるぐらいに巨大な死体の山が形成され、だんだん巨大なモンスターへと姿を変えていた。完成するはまるでキメラ。問題なのはその巨体だけではなくその数。二体…三体とその数を増やしていった。


「だぅ…だ、から言ったろ…この程度で…勝ち誇るな…って」


「グリコ…あんたはもう喋んな。で、あれ何?」


「おうぃ()つめふぁ()れたアン()ットは、その肉体を結合しきょうふぁ()されるのだ。さらに、受けたこうふぇ()きのたいせいもふぇ()る」


「了解、メービィー達だけじゃ対処がむずいってことね」


 皆、その手の武器を持った。


「今度こそ、加勢しに行くぞ!」


 腐肉が集ったこの町で、皆は鼓舞する。

 次回朝の五時、土曜

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