第1話 -旅行-
★ 空宙の流星 第4章、開幕です!
今章は豪華二本立てとなっております! 前半はミィア視点をメインに、後半はタカ視点となります。
それでは、本編へどうぞ!
新しく同居生活を始めた私とタカは、お互いにある取り決めをした。タカは私の家に住む代わりに仕事である自警団からの収入のいくらかを生活費に充てるということを約束し、私は今まで通り基本的には家事全般をやるということになった。そして、もう一つ。用事がない場合はなるべく毎日家に帰ってきて夕食を一緒に食べること。これは私がタカにお願いしたことだ。
お母さんを弔った次の日、私は自分の気持ちに気付いてしまった。生まれて初めての恋。誰かを好きになるのが、こんなにふわふわした嬉しい気持ちになることだなんて知らなかった。そんな大好きな人と出来るだけ長く一緒にいたいと思った私は、そんなお願いをしたのだった。
そうして始まった同居生活も、やがて私の日常になっていった。朝起きてタカと一緒に朝食を食べ、学校に行く。学校では同じ教室で勉強をして、最近は休み時間も教室にいることが多くなったタカとそれからミュウと一緒に過ごす。放課後、タカは仕事があるため街の警備に行き、私は家に帰る。たまに一緒に街を廻るけど、大体私は家でタカの帰りを待っている。その時はすごく寂しいのだが、タカが帰ってきた時に『おかえり』と言えるのは、一日の中で一番嬉しく感じる瞬間なのだ。そして一緒に夕食を食べ、やがて眠る。そんなささやかな幸せを、私は噛みしめながら毎日を過ごしていた。
幸せな日々は、燃える枯れ葉のごとく勢いよく炎が上がり、あっという間に燃え尽きてしまうように過ぎていった。
やがて季節は夏になり、学校も長期休暇に入った。授業がない分、もっとたくさんタカとおでかけしたり、お話ができると楽しみにしていた私だったがタカは自警団の仕事やクプゥちゃんに会いに行ったりと色々と忙しく、あまり一緒にいられない私は頬を膨らませるのだった。
そんなある日、ミュウから大きな湖の畔にある別荘へ一緒に行かないかと誘われた。なんでも砂浜があり、綺麗な湖だから水浴びもできるんだとか。ついでにタカも一緒に来ていいとのこと。そこで私はふとひらめいた。
湖に行けばタカも仕事を気にしなくていいし、一緒に遊べる。タカともっと仲良くなれるチャンスかも……!
そう思った私は迷わずミュウに行くと伝えると戦場に向かうべく、目をキラキラさせながら喜ぶミュウを置いてその場を後にした。
やがて旅行の当日、私たちはミュウの家の車に乗って湖へ出発した。街と街の間を走る機関車もあるのだが、今回行く別荘は機関車の通路の近くではないため車での移動なのだそうだ。ちなみに車は前に運転席、後ろに対面式の横に長い席があり、私たちは後ろの席に座っている。今日の為に色々用意してきた。タカを振り向かせるために頑張らなくちゃ! と思っていたのだが……
「にぃに、すごい! はやい!!」
車の窓から過ぎ行く景色を見ながらはしゃぐ少女を、私はむすっとしながら横目でチラッと見る。
そりゃまあ、なんとなく来るとは思っていたけど? 長期休暇に入ってからしょっちゅうタカに構ってもらってたんだから、今日ぐらいは私に独占させてくれてもさぁ……
そんな自分勝手な文句を頭の中で並べたてながら、私は正面に座るタカをちょっと眉をひそめながら見つめる。クプゥちゃんを連れていきたいと言ったのはタカなのだ。けれど、すぐに視線を逸らした。
最近ずっとこうだ。普段、一緒にいる分には問題ない。だけど、どうしてもタカの顔を見つめると顔が赤くなってしまうのだ。あと、何かの拍子でタカに触れたりすると心臓が跳ね上がり、体がビクッとなってしまう。
もっと好きな人の近くにいたいと思うのに、体が言うことを聞いてくれない。それがここしばらくの私が抱える、一番の悩み事だった。
★ 夏休み、湖のほとりの別荘……そう! 第4章前半はあの定番回となります!?
次話は最初ミィア視点ですが、ほとんどタカ視点となります。




