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第2話 -異界-

「取ってくれてありがとう」


 ミィアはお礼を言いながら、愕然(がくぜん)と固まる俺の手から自分の帽子を受け取ると、再びそれを頭に被った。

 非現実的な猫耳が見えなくなり彼女が普通の少女の姿に見えると、理解不能の光景にエラーで機能停止していた俺の脳が再び動き出しハッと我に返る。だが、頭の中はまだ混乱しており、めちゃくちゃな考えしか浮かばない。

 なんとか落ち着き、今までのことを整理すると現状を説明できる、ある一つの仮説にたどり着いた。


(そうか、これはアニメや小説でよく見る転生、転移モノってやつだな! それなら俺がこんなところにいるのも隕石の衝撃で死んで転生したとも考えられるし、死ぬ間際に何者かに召喚されてこの世界に転移したとも考えられる。彼女が聞いたことのない言葉で話したのも、万能翻訳機なんて便利なものがあるのも、彼女の頭に獣耳が生えているのも! ここが別の世界なら全部説明がつく。じゃあもしかして、初めて会ったこの子が俺のヒロインなのか……?)


 こういうアニメや小説だと、最初に出会う女の子がメインヒロインと相場が決まっている。そして、主人公はヒロインと共に問題を次々と解決していき、世界の危機を救うんだ……

 そんなことを考えながら、俺はミィアのことを見つめる。急に考え込んだり、かと思えば自分のことをじっと見つめる俺を、不思議そうに首を傾げながらミィアもこちらを見ていた。


「うっ……」


 目が覚めてから色々なことがあり、やっと別の世界に来たと結論がついた俺は身体中の痛みとともに自身が傷だらけだったことを思い出した。


(いてて……しっかし全身傷だらけだな……転生したのならこんな傷が残ってるとも思えないし、爆風で飛ばされた時についたものなら転移モノか?)


「傷が痛むの?」


 俺が痛みに耐えていると、ミィアが心配そうに聞いてくる。


「ああ。よくわからないけど多分、隕石の爆風に飛ばされた時についたんだと思う」


 幸い、全身の怪我はそれほど酷いものではなく、骨折などはしていないようだ。


「傷の手当てをしないと……一緒に私の家に来て。家に帰れば薬があるから」


 そういうと、ミィアはクルッと(きびす)を返し、スタスタと歩いていく。


「え? あ、ちょっと……」


 いきなりついてこいと言われ、俺は困惑する。だが、この世界についての知識をもっと得るには、初めてこの世界で知り合った彼女に聞くのが一番早いだろうと思い、急ぎ足で彼女を追いかける。どちらにしろ、結局のところは、なるようにしかならないのだろう。

★ どうも、迅です。今回は少々短い内容になりました。

ですが次話-知識-は長い内容になっていますので、3話と4話の二回に分けての投稿になる予定です。

ちなみに、今回は前書きを書きませんでしたが基本、前書きは気分次第なのであったりなかったりすると思います。

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