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第9話 -友

★ 第9話、前半はミィア視点になります。短いですが後半と合わせて1セットなのですぐに後半も投稿する予定です。

それでは、本編へどうぞ!

 校内の廊下を歩く中、私は先程タカに言われたことを思い出していた。


(ミィアには、もう友達が一人いるだろ)


あ、あれってタカはもう、私と友達ってことだよね。


(私の初めての友達……か)


 心の中に浮かんだ友達というワードに、私はほんのりと頰を赤らめるが、今はそれよりも学校の友達を作らなきゃと自分の頬を両手で軽く叩く。タカと友達を作ると約束したんだ。頑張らなきゃ。


「よし!」


 教室の扉の前に着いた私は再び気合いを入れ直し、意を決して扉を開いて教室に入った。


「お、おはようっ」


 ――ガヤガヤガヤ

 自分では大きめの声で挨拶をしたつもりだったのだが、教室内に響き渡るクラスメイト達の楽しげな声に、私の勇気は残念ながらかき消されてしまった。仕方なく自分の席に座り、ガックリと肩を落とす。さっそく失敗してしまった。緊張と恥ずかしさで鼓動が急加速するのを感じる。


(やっぱり無理だ)


 心の中でそう呟き、自分が諦めかけていることに気付く。どうしても他人と話す時、うまく言葉が、声が出なくなってしまう。やっぱり自分には友達なんて出来ないのだろう。そう思った時、タカの言葉が頭をよぎった。


(せっかくの学校なんだから、ミィアには友達と楽しい学校生活を送って欲しいんだ)


 いつもそうだ。タカは異世界に来たばかりなのに、昨日会ったばかりの私のことをよく考えてくれる。やっぱりタカは救世主なのかもしれない。それならきっと、あの時の言葉も私を思って言ってくれたことなのだろう。なら、私も彼のために、そして自分のためにもちゃんと友達を作らなくちゃ。再びやる気を取り戻した私の鼓動は、もう速くない。まずは誰かに話しかけることから始めよう。

 ――ガタッ

 とりあえず近くの席の人に話しかけようと、意を決して席を立った私だったが


「はーい、一時間目の授業を始めるぞー」


という声と共に教室に入ってきた先生をみて、渋々再び席についたのだった。

★ 果たしてミィアちゃんに新たな友達は出来るのでしょうか? 今回のように前半をミィア視点、後半をタカ視点で書いていく予定です。

ちなみに後半は一応、新キャラ登場します。

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