ダンジョンの魔物をテイムして旅に出る話
初投稿です。よろしくお願いします。
本作に出てくる名前は実際にいるかもしれない方達とは何ら関係ありません
この世界は大きく分けて二種類の生物達が生きている世界であるり、片方は人種と呼ばれており更に魔族、獣人族、人間族三つの種族に分けられる。
魔族は人種の中で一番魔法が得意な種族であり、物理攻撃が苦手な種族である。
獣人族は魔族とは逆に人種の中で一番身体能力が高い種族であり、基本的には身体強化魔法以外使えない種族である。
人間族は魔族ほどでは無いが様々な魔法が使うことが出来、獣人族ほどでは無いが身体能力が高い種族である。
魔族は魔法が自分たちほどでは無いという理由から獣人族と魔族を嫌っており、獣人族も同じように身体能力が自分たちほどでは無いということで魔族と人間族を嫌っている。そして人間族も自分たちとは違う体の部位があるという理由から魔族と獣人族を嫌っている。
このように人種の中の三つの種族は互いに嫌い合ってはいるが唯一、同じように嫌っているのが人種ともう一つの生物である。
それは魔物、人種を見れば子どもだろうが老人だろうが襲いかかる種である。
魔物は基本的には人種が多く居るところ以外はどこにでも居る。例外的に人種がテイムなどをした魔物は冒険者ギルドでテイムしたものの道具として登録されている。
そして魔物を殺すと経験値というものが取得でき、それが一定量になるとレベルが上がる。レベルが上がると体力や魔力といったものの絶対量が上がり身体が強化される。
同じ人種を殺すことでも経験値は取得できるが魔物の中で最弱のスライムより低い1しか経験値は取得でき無いのでそう言った行為をするものはあまりいない。
人種の中の人間族は始め、それぞれが勝手に魔物を倒していっていた。だが返り討ちに遭うことがあまりにも多く人間族は冒険者ギルドというものを作った。
始めは薬草採取や町や村の雑用そしてスライムといった弱い魔物の討伐を行うEランクから始まり、実績を上げることでランクが上がり倒すことが許可される魔物の種類も増える。
そして冒険者ギルドに登録している者達の中でCランク以上が行くことが許可される場所がダンジョンである。
ダンジョンは単なる洞窟のような場所からの地下100階層以上の場所が世界各地にある。地下に行くにつれ魔物は強くなっていき最下層にはダンジョンボスと呼ばれる強力な魔物がいる。
人間族の調査ではダンジョンのモンスターはダンジョンボスも含めてどれだけ殺しても新たに生まれてくると考えられてきた。これは冒険者ランクBから許可される50階層のダンジョンの一つでの話。
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ダンジョン51階層
ダンジョンには人種には知られてはいないがボス部屋の下にもう1階層ありそこではダンジョンに入ってきた人種に倒された魔物達が集まっていく。そこで魔物達は受けた傷を癒やしている。そして倒された魔物と同種の魔物が傷を癒やした順に戻っていく。なので実際には新たに生まれているのでは無い。
そして先程、倒されたボスの魔物が51階層に血まみれで転送されてきて、やっと意識を取り戻したところである。
「あー、痛いのー。やはり殺されるのは何度やっても馴れん。というか先程の奴らここ最近ワシが復活する度に来とらんかのー。のうー、オーガAよ」
「グゥーガー(そうですね。ボス)」
「グゥガ、グゥガグゥガグゥーガー(ボス、俺なんて戦ってる最中に角折られたんですよ)」
「それは辛いのー、オーガαよ角はオーガにとって象徴であり、最大の弱点じゃからのー。それにお主はオーガの希少種のレッドオーガじゃから人種にとっては単なるレアアイテムとしか思われてないのじゃろうな」
「グゥガー、グゥ(ハァー、そうなんですかね)」
「まぁー、オーガαよ。お主は倒されたんじゃからしばらくは休めるじゃろ。今はオーガβが行っとるがオーガγからΩの22体お主の前に出番があるじゃし。」
「グゥーグガァ。グゥ、グゥガグゥガグゥーガ(まぁーそうですね。あっ、じゃー再生終わったんで休んできます)」
「うむっ、ではの。奴らも今日はワシを20回ワシを殺したし、昨日も20回倒した後ワシが呼び出されることも無かったから臓器が回復次第休むとするかの。それにしても今日はワシが倒された後スライム一体でさえ来んのー。それにワシを20回も連続で倒すとは一体何者なんじゃろな?人種の人間族のようで人間族では無いような魔力。のぉー、オーガAよ。」
「グゥガグゥー。グゥガグゥガグゥー(そうですねボス。私もあのような者聞いたことがありません。)」
「ブゥモブモー(おいもありません)」
「ギーギー(俺もないー)」
「ギャシャギャシャー(知らないです)」
「オークABも、ゴブリンZAZもデビルアントABCもか。ふむ‥‥‥」
「ピギュ、ピギュ~(ボス~、ぼく知ってるよ~)」
「うん?何を知っているのじゃスライムAPOA」
「ピギュ~、ピギュピギュ~、『ピギュ』ピギュ~(あのね~、お外にいる友だちに聞いたら~、『ユウハン様』っていうんだって~)」
「うん?ユウハン様?とな」
「ピッ、ピギュ~『ピギュ』ピギュ~(あっ、間違えた~『ユウシャ様』って言うんだって~)」
「ユウシャ様‥‥‥あーなるほどの、勇者か」
「ギー、ギーギー?(ボス、ユウシャ様って何ですか?)」
「うむっ、勇者とはな異世界から勇者召喚の魔方陣を用いてこの世界に召喚された者達のことを言うんじゃ。恐らくは人間族が同じ人種の魔族や獣人族を殺すか奴隷にするかするために召喚したんじゃろ。ここに何度もワシを倒しに来るのはそのためにレベルを上げる‥‥‥ハァー、まだ奴らボス部屋に居るようじゃ。しょうが無いのー、身体も回復したし行ってくるかの」
「グゥガグゥー(行ってらっしゃいボス)」
「ブモブモー(行ってらっしゃーい)」
「ギーギー(行ってらっしゃーいボス)」
「ギャシャギャシャ(行ってらっしゃいませボス)」
「ピギュピギュ~(頑張ってね~ボス~)」
そんな会話をし、このダンジョンのボスは足元に出現した転移の魔方陣に吸い込まれるように消えていった。
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ダンジョン50階層ボス部屋
ダンジョンのボス部屋は不思議な仕様になっており、部屋に入ると扉に鍵がかかりダンジョンのボスの魔物が出現する。この扉はボス又はボス部屋に入ってきた人種どちらかが死ぬまで内側から開くことは無い。だがボス部屋を覗き誰かがボスと戦っている最中は入らないと言うのが冒険者の暗黙の了解になっている。更に、どちらかが死ぬと扉は開くがボスの魔物が死ねば復活するまでの間は出入り自由になる。
しかし今、ボスがまだ復活してないのにも関わらず部屋の扉は開かなくなっており、部屋の中には一人の女の子が扉を叩きながら外にいるはずの仲間達と話をしている。
「お願い、開けて!何でこんなことするの!」
「ハハハッ、同じ勇者なら自力で開けてみろって。俺は右の人差し指でしか押してないんだぜ。なぁー、皆!」
「ホントね。そらは優しいから手加減してくれているのに、こんなことも出来ないなんて」
「ふんっ、ホントだな」
「確かに」
「‥‥‥ホントに同じ勇者なんて思えないくらい弱い」
「ねぇー、何でこんなことするの開けて」
「何でって?決まってんだろ!俺みたいなイケメンが能力が雑魚だけどクラス一美人のお前に目をかけてやってたのに!何が貴方とは付き合えませんだ!お前に選択肢なって無かったのによ!‥‥‥だからお前みたいに俺の言うことを聞かない奴らのための見せしめになってもらうんだよ。」
「そ、そんなことで‥‥‥」
「良いじゃないかな~、優菜。優菜は元の世界でいつも他人の為によく動いていたし。この世界に来て初めて、役に立てるんだから‥‥‥」
「桜子、私達友だちでしょ。お願いそんなこと言わずにそら君を説得して!」
「ゴメンね、優菜。私、正義君のこと好きなの。正義君に協力したら私も正義君のハーレムに入れてくれるの。(それに私があなたの友達のふりをしたのはそらに近づくためだから)ゴメンね優菜」
「そ、そんな‥‥‥」
「桜子はお前と違って俺の言うことはちゃんと聞くし、魔法での攻撃とかもちゃんとしてくれる。なのになんだお前はテイマーなのに一体も魔物をテイムしてない。何が『魔獣にも意思はある』だ。そんなもん、攻撃して屈服させてやれば良いん「ガチャン」‥‥‥ふんっ、やっと扉が閉まったみたいだな。じゃーな、役立たず。ハハハッ」
そう言い残し優菜を除いた勇者達はボス部屋前の広場の中央にあるダンジョンの入り口前に戻れる転移の魔方陣で戻っていった。優菜はそれでも叫び続けた。自分が友達だと思っている桜子が絶対助けてくれると。だが外側から扉が開けられることは無く、背後に現れたのはこのダンジョンのボスであり、いつも皆が戦ってくれ自分は戦うことは無かったベヒモスであった。
「グガァァァァ」
「ヒィーーー。お願い開けて!助けて!」
優菜は背後に出てきた魔物に恐怖し、扉を叩き続けたがその声を聞いているもの達は誰もいない。だがそれでも叩き続けた友達を信じていたからいや、信じたかったから。
ベヒモスには声は聞こえなかったがそんな姿はたまに自分を殺すために冒険者が使う手であり、扉が突然開いてそこから攻撃されることもあったので、扉に注意しつつも優菜に向かって走って行き、扉が開く様子が無いことに疑問を持ちながら右前脚を振りかぶり優菜を攻撃した。
「グフッ」
ベヒモスの攻撃は直撃し優菜は吹き飛ばされてしまったが、生きてはいた。自分で戦うことは少なかったが召喚した国の兵士とのトレーニングには参加していたし、自主トレもしていた。何より他のクラスメイトと一応はダンジンに入るたびにパーティー登録はしていたのである程度はステイタスがあったおかげだ。
だが、優菜はは所詮テイマーなので他のクラスメイトと比べると低かったので骨が何本か折れてしまっていた。
「グゥッ」
優菜は骨が折れたことによる痛みに耐えながら走馬灯のように今までのことを思い出した。
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優菜は両親と妹の四人家族の家庭で育った。両親が共働きだったのでよく妹の世話や家事の手伝いをしていた。それは両親が共働きだからというわけでは無く、『妹が泣いているだからあやす』、『洗ってないからお皿を洗う』といった感じで褒められたいからとかお小遣いが欲しいからと言ったことは考えずに行っていた。もちろん、褒められるのもお小遣いがもらえるのは嬉しかったが自分から妹をあやしたことなどを言うことは無かったので両親が気づいてないことの方が数多くあった。
そんな感じで成長していき小学生の時に優菜の周りには男女関係なく集まっていた。男女関係なく接してくれる彼女は人気者であった。もちろん、そんな彼女を嫌う子たちもいて嫌がらせや、悪口を言われたりしたがそんな子達もいつの間にか仲良く遊ぶようになっていた。
中学に入学してからも同じ小学校の人達とは仲良く出来てはいた、だが別の小学校出身の男子の殆どに惚れられてしまい、その男子達と同じ学校出身の女子達の恨みを買ってしまった。この時その女子達に言われて初めて自分が美人なのだと知った。確かに、小学生の頃にはよく友達にはかわいいと言われてはいたが彼女から見ればそれぞれに良いと思うところはあるのだが、そんなことを言ってしまえば更に関係は悪くなると思い、自分が出来る範囲で手伝えることは行っていった。
そして高校に入学してからも同じようにやっていっていたのだが、顔だけは言い男子に目をつけられてしまい桜子以外は仲良くしてくれなかった。
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優菜は吹き飛ばされて痛みに耐えていたが、顔を先程の場所に向けてみると更に攻撃しようと迫ってくるベヒモスを見て自分の死を覚悟した。一応は剣を持ってきて入るし魔法も少しなら使えるが、骨が折れていることによると痛みとクラスメイト達が複数で何とか闘える姿をいつも後ろから見ていたので自分ではかなわないと思い涙を流しながら目を閉じた。
だが、自分の意識が途切れることは無く骨が折れた痛みが続くことに疑問を持ち目を開いてみるとそこにはベヒモスがしっかりといた。
(あー、ダメだ。ホントに死ぬんだ)
そう思いながら再度目を閉じるが又もや意識が途切れることは無く痛みのみが続いている。
(なぜ殺さないんだろう)
そんなことを思っていると突然、
「お主、ワシと戦わんのか?」
そんな声が聞こえたので、自分と戦わないのかというとに疑問をもちながら誰かが助けに来てくれたと思った。
「お願い、誰かは知らないけど助けて!」
そう叫んだ。
「そんな、叫ばんでも目の前に折るから聞こえとるわい。それにワシは目を開けば目の前におるじゃろ」
優菜は目の前にいると言うことに疑問にもちながら目を見開くと目の前にいるのはやはり先程のベヒモスであった。
「あのー、もしかしてあなたが喋っているんですか?」
「もしかしても何もここにはワシとお主しか居らんじゃろ。それにワシが喋っていることに驚かんとはな‥‥‥でっ、どうするのじゃ戦うのか?」
「いえ、驚いてないわけじゃありませんよ。骨が折れているのでその余裕が無いだけです。あと、私には戦う力なんて無いですし殺してくださって構いませんよ」
そうベヒモスに言うとベヒモスはその巨体を退かせた。
「いや、お主が戦わんのじゃったらこちらも戦う気は無い。それに骨が折れているのはワシのせいじゃな。回復させるとするかの」
そう言いベヒモスは優菜に軽く右前脚を乗せ回復魔法を施した。
回復魔法は良く効き折れた骨もしっかりとくっついた。
「ありがとうございます。でも、ほっといてくれても良かったんですよ。私には戻るところも無いですし」
優菜は涙を流しながらそう言った。
‥‥‥何かあったようじゃな。どうじゃ、いっそのこと口に出してみてはその方が楽になると思うんじゃが」
ベヒモスにそう言われ優菜は涙を流しながら自分にあったことを言った。異世界人であること。この世界で役立たずだったこと。それでも頑張ろうとしたこと。
「もう耐えられないんです。こんな危ない世界に無理矢理連れてこられて、自分が役立たずで、友達だと思ってた桜子も私のこと友達だと思っていなくて‥‥‥」
「‥‥‥そうか、大変じゃったなそれは。のう、お主。お主がよければわしらをテイムしてくれんか?」
「えっ‥‥‥」
「わしらは基本的にはダンジョンから出ることはできんのじゃがお主がわしらをテイムしたいならテイムを承けようと言っているのじゃ」
「えっ、でもダンジョンの魔物はテイム出来ないって習ったんですけど‥‥‥」
「そうじゃの。じゃが、特別な方法を使えば出来るのじゃ」
「‥‥‥どうしてそこまで」
「まー、お主への同情もあるが、何よりお主はわしらに魔物にも意思があることを分かってくれとるからの。」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「あのー。ほんとに良いんですか?」
「よいよい。それにもう二つ言わしてもらうなら最近ずっと負けてばかりじゃし、同じ者達とばかり戦ってそろそろ飽きているのじゃ」
「‥‥‥クスッ、クスクスクス。そうですか、じゃお願いします」
「やっと笑ったの。そなたはその方が良い顔じゃ。ちとまっとれよ。」
そう言うと優菜は嬉しそうな恥ずかしそうな顔をし、ベヒモスは足元に魔方陣を出現させいなくなってしまった。
数分待っていると目に前に又もや魔方陣が現れ、すぐに直径20㎝台の丸い水晶を咥えたベヒモスが現れた。そしてその水晶を渡すような素振りを見せてきたので受け取ると身体に溶け去るように消えていった。
「あのー、今のは?」
「先程の水晶はこのダンジョンのコアといっての。ダンジョンのコアを人族が手にすることでそのダンジョンの所有者になることが出来、ダンジョンのモンスター全ての主にもなるのじゃ。他にも色々あるがお宝が新たに出現することはお主行わない限りが無いの~」
「えっ、いやいやいや。ダンジョンを私のものにしたらダメでしょ!」
そのベヒモスの発言に優菜は驚きを隠せなかった。だかベヒモスは
「大丈夫じゃよ。それにここは今のところダンジョンでは無くなっているからの」
「ど、どういうことですか?」
そう聞くとベヒモスはダンジョンコアを手にした事で起こることで重要そうなことを話し始めた。
ダンジョンコアを手にした者はダンジョンの支配者になること
新たな支配者が現れるとダンジョンは閉じられ中の人族も全て追い出されること
支配者はどこからでもダンジョンの中に戻れること
ダンジョン内の魔物は支配者の獣魔になること
ダンジョン内の魔物を外に出すとほんの少し弱くなるということ
その魔物は外で死んでしまっても基本的にはまたダンジョンで復活すると言うこと
等々を教えられた。その教えられた事に頭を抱えたくなった優菜だったが一番思ったのは
「まさか、ダンジョン内の魔物全てなんて‥‥‥」
「ワシはちゃんとわしらをと伝えたよ。それに数が多くても何も問題ないじゃろ」
「いや‥‥‥食費とかどうするんですか」
「あー、大丈夫じゃよ。ダンジョン内の魔物は外の魔物と違って、魔力さえ吸っていれば良い。それにたまーに何かを食べたいと思ったときは回復中の奴らを少し食わしてもらえばいいからの。」
「エー、じゃーこれからは私に言ってください。毎食は無理だろうけどほんのたまにくらいなら外の魔物で何か料理とか作りますから」
「‥‥‥良いのか?わしらは別にお互いを食い合っても‥‥‥」
「貴方たちが良くても私が嫌なんです!」
「まー、お主が主じゃ。お主の意見に従おう。‥‥‥それではもう今日は遅い寝てはどうじゃ」
「あっ、は「クゥーー」ッッッ」
「その前に飯にしようか。それにお主があるなんじゃから気楽に話して良いぞ」
「あっ、はい。‥‥‥一回ぐらいご飯食べなくても大丈「クゥーーーー」‥‥‥」
「クックック、身体は正直じゃな。何も持っとらんならまだオークが何体か意識も無く回復していなかった奴らがいたはずじゃ。確かオークの肉は人族にとって高級じゃったな」
「いや、だから「クゥーーーーーーーー」‥‥‥」
「食うじゃろ?」
「コクッ」
「ではワシに掴まっておきなさい」
そうベヒモスが言うと優菜はベヒモスの足に捕まった。
「では行くとするかの51階層へ」
そう言うとベヒモスと優菜の足元に魔方陣が現れ、二人の姿はボス部屋から消えていった。
その後、優菜はオークの肉の美味しさに感激し計5キロのオークの肉、ダンジョンの植物フィールドにいたトレントが作った高級果実10個を食べその日はベヒモスのそばで一夜を過ごした。
次の日また新鮮なオークの肉を少し腹に傷があるオークから貰いそのオークに謝ろうとしたのだが、どうやら昨夜自分たちの肉を美味しそうに食べたことが嬉しかったらしく、笑顔で渡してきたので少し申し訳ないと思いながらも食べた。
その日は取り敢えずベヒモスに『セバス』と名をつけ、他の魔物数体に名をつけて、人化を行ったセバスと共に旅に出た。その度の道中に獣人族の奴隷を助けたり、病気の魔族達を助けるために山に入りそこに住むドラゴンに気に入られるのはまだ彼女が知らない未来の話。そしてダンジョンが次々と使えなくなっていくのはこの世界の誰も知らない未来の話。更に、彼女が僅か半年で冒険者ギルドのAランクになり『黒髪の魔物女王』と呼ばれ他のクラスメイト以上の人気者になるのは作者も考えていない話。
ただ一つ作者が言えることは顔だけはイケメンの『そら』君の名前を漢字で書くと『宇宙』であり、両親が名付けた本当の読み方は『アース』であるという事を書いている最中に思いついた事だ。
おわり
感想お待ちしています