04エミルの授業
では、はじめましょう
眼鏡を掛けエミルさんが鞭のようなものを持ちながら
話している
・・・
怖い
「どのような訓練をこれからするのですか?」
「まず基礎の魔力を感じるところから始めましょう」
「魔力を感じる?」
エミルさんの説明では、魔力を感じるためにはまず目を閉じ落ち着いてイメージする
イメージとしては、体の心臓あたりに空気が吸い込まれる穴を想像する
次にその穴の中の空気を少しずつ出す
何かが湧き出してるのを感じ取る
ほんの少しかもしれないので集中する事
そして、もし感じ取れたらそれが魔力であるという事になる
「できるかな・・・」
「まずはやってみましょう」
「(えっと、空気を吸い込む穴)」
黒くて、何でも取り込む穴
空気を吸い込み・・・
吐き出す!
「(あははは ぶはははははは)」
ファイアが笑いこけてる光景が目に浮かぶ
ああ、これが純粋なる殺意と言うものか・・・
やること6回
「なんだか白い霧のようなものが出てるのを感じます」
いうなれば、ドライアイスみたいなものが出てる気がする
ドライアイスってなんじゃ!!
「それが魔力です。」
「次にこの魔力を魔法として体の外に出します
「では一番簡単な魔力さえあればだれでもできるもので行きましょう」
魔力があればだれでもって・・・ちょっとだけ心が・・・
なおファイアは爆笑の模様
「では手を前に向けて魔力泉から魔力がでるのを感じつつ右手から出るのをイメージしてLV1の呪文ファイアと唱えてみましょう」
「魔力泉って?」
「心臓にある黒い穴の事です、魔力が湧き出ることから魔力泉と言われています」
「なるほどってよりによってあいつの名前かよ」
あいつの名前かよ
「(貴き存在が宿ってるんだ敬えよ)」
「(はは、ファイア様・・・あとで殺す)」
「(ん?何か言ったかね)」
勇気ある沈黙
「大丈夫ですか?具合悪いですか?」
「あ、大丈夫です。ファイアですね」
前方に手を向け
えっと魔力を感じつつ右手から出るのをイメージと
何回もやったおかげか魔力を簡単に感じることができて右手から出るのもイメージで来た
「ファイア」
白い霧がものすごい勢いで右手に流れて火となって出てきた
え・・・
あれ、いつの間に寝たんだ?
「(寝たんじゃなくて倒れたんだよ)」
「(どういう事?)」
ファイア曰く昨日ファイアと唱えた時魔力がすごい勢いで流れて止められなくて尽きるまで火が燃えていた
そして、魔力が尽きると倒れたそうだ
魔力が無くなり倒れることを「魔力の消失」最悪の場合は死ぬらしい
僕の場合は死んでもおかしくなかったが
何故か無事で翌日には何ともないと言う不思議すらあった
誰かがドアをノックした
「おはようございます、具合を見ようと通りかかったのですが・・・元気そうですね」
ごく不思議で納得していない顔でこちらを見ているエミルさん
「おかげさまで助かりました、ありがとうございます。エミルさん」
エミルさんは困った顔をして
「私助けられませんでしたよ・・・
あの時私はあらかじめ耐火装備をしてたのですがマントと服の一部が焼けてしまいました、二つとも特上級の代物でした。賢者の手から出る火が収まるまで待つしかありませんでした」
「でも倒れてたのを助けてくれましたよね」
「それは当然のことをしたまでです。お気になさらずに」
何だろうこの空気感
「あのもしよかったら昨日の事を詳しく教えてもらってもいいですか?」
「なぜあのようなことになったのか確証を得ることはできませんが、仮説でよければ話させていただきます」
エミルさんによれば、イメージは間違っていないとの事
通常であれば一瞬小さな火が出るだけのはずがまさか止まらずに出るとは予想外だったらしい
考えられるのはイメージによって本来閉じていた蓋を一気に開けて
本来抑えていたものが無くなったため噴出した、その様な状況で魔法を使ったため
制御できないと考えられる
「なるほど、では閉じる方法を先に学んだ方がいいのですね」
「そうでございますがもうお身体は大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ!ピンピンしてます」
覚えないと自分自身が危険極まりない
そして、朝ごはんを食べ
二日目の特訓を開始した
「では、魔力制御法の訓練を開始します。昨日の失敗点は量です。本日は量を任意にできるようになりましょう」
「はい!」
それからエミルさんの指導が始まる
話してくれた話をまとめると
魔法を出すイメージをした後に霧が湧き出る穴に蓋をするイメージをする事
そして、出た魔力を任意の大きさに分け強弱をつけるために使う分の魔力だけ
残し、他は壁をイメージしてその中に閉じ込めるらしい
蓋と言うのは魔力泉から出る魔力を封じ込める物で魔力封と言うらしい
「そうです、そのまま魔力を減らして止めてください、封の外に出している魔力量大体でいいですが後どれぐらいありますか?」
「多分LV1のファイアでしたら起こせます」
「でしたら、それを出し切りましょう」
体から残りの魔力を出し切る
すると、急な疲労に見舞われた
僕の体は地面に倒れる
「あ・・・れ」
「大丈夫です?」
「あ・・・はい、ちょっと疲れたのかも」
「はい、単に疲れたわけではありませんよ、魔力の消失です」
「でもそれって蓋を開けてる状態ではないですか?」
「蓋を閉じてる時全ての魔力を使い切ると魔力の消失も起きます、死にはしませんが疲労に覆われます。つまり蓋を完全に閉じて使い切ってはならないのですよ」
「じゃあ僕が蓋の存在を知らなかった時、ずっと閉じてたんじゃないの?それはどういう事?」
「(それはな、少しずつ漏れてるからだよ)」
で、デタ!!!
「(デタ!ってなんだよ、幽霊じゃないんだからよ)」
「(幽霊じゃなくてもビックリするよ!)」
「(それぐらいなんとなく分かれよな)」
「それは生きる者ならば誰でもですが無意識のうちに魔力泉から魔力が少し外に出ています。支障がないので大丈夫ですよ。全く無いと魔力の消失で倒れちゃいます。」
「さぁ最後に少しだけ魔力を残す事を踏まえてもう一度練習しましょう」
エミルさんが話し終わり、もう無理と地面に倒れているときに大臣が入ってきて王様に呼ばれた