03
「起きられましたねお身体の調子はいかがですか?」
女性が入ってきた
「少しだけ頭痛がしますがなんとか・・・あなたは?」
「私は王宮で侍女をしていますメイミンと申します」
なんかすごくきれいな人だ・・・
「(おい、聞こえてるぞ)」
「え、もしかして声に出した!?」
「え?」
「(お前の心の声とか感情はこっちにも反映してくるんだよ、変な事考えるんじゃないぞ!)」
うわー完全なプライバシーの侵害だなこれ
「あいよ(心の中)」
「あ、気にしないでください!たまに独り言を喋る癖があるので」
「そうですか、でもこれから謁見される王の前では決して独り言を言わない様にお願いします、王はその様な行為は嫌いなので」
「はい・・・おう?」
「はい、フレンドラー王です」
「え、もう一回聞きますけど、俺これから王様に会うの?」
「はい、そのため私が呼びに来ました」
ここは素直に行くしかないよね・・・
「さぁ王様がお待ちです、ここを真っ直ぐ歩いてください。扉が見えましたら待ち止まって開くのをお待ちください。その後王の前へ、絨毯のすぐの場に衛兵が居る場に跪きください、王が顔を上げてよいと言った場合のみ顔をおかげください、そして問いかけには的確にお答えを」
「メイミンさんは来ないの?」
「私はここに立ち入ることは許されておりませんので」
王宮で初めて喋った人が去って行く少年の心は一気に不安になった
少年は歩き出す扉へと
「ファイヤ、大丈夫かな?」
「(もちろん大丈夫だ、それに何かあれば・・・)」
「何かあれば?」
「(お前には私が付いている全部燃やし尽くせ!!!)」
あーお前に聞いた俺が馬鹿だったよ、余計不安になってしまった
「(少年よ、お前はいきなり聖物の前に現れたんだ、すぐさまお前が何者か調べられただろうよ、その上であの部屋に留まらせしかも謁見まで、させるんだ。お前が誰かはわからんがだがお前が特別な力を持つ人間であることぐらいはわかる。だから案ずるな)」
案外まともなことを言ってくれた、ちょっと吃驚
「(おい!人が冷静にしかも怖がらせない様にしてるんだ感謝しろよ!)」
「ありがとうございます!」
「(分かればよろしい)」
少年は扉の前に立ち止まった、衛兵がみんなこっちを見ている
「なんか吐きそう」
「(こんなことで吐きそうとか肝っ玉が小さいやつめ)」
扉が開く
目の前には金で輝く玉座その周りには大臣がずらりと並んでいる、そして王様は玉座の上で待っていた
一歩一歩前へ絨毯のすぐそばまで衛兵が居るので跪こうとしたときに俺は転んだ
「いたたた」
みんながじっとこっちを見ていた
心の中でファイヤが笑っている
あとで、殺す!
「申し訳ありません」
王は優しく言葉をかける
「大丈夫か少年」
「はい」
「少年面を上げよ」
少年は顔を上げたすごく優しそうな、おじいちゃんがこっちに微笑みかけている
「私の名はディアス・フレンドラ―このフレンドラ―国の国王だ」
「少年名は?」
「分かりません」
王様が眉間にしわを寄せた
「では、なぜ我が宝物庫で倒れてた?」
「信じてもらえないかもしれませんが俺はさっきまで草原に居ました。そのあと気を失って気づいたらここに居ました」
「なるほどな」
王様が近くの大臣を呼び寄せ話しかけている
大臣が去って行った
「では少年何がわかるんだ?」
「なにもわかりません・・・」
「そうか、今身体の具合はどうかね?」
「少し頭痛がしますが大したことはありません」
10分ぐらい王様と話をした
すると大臣が帰ってきた手に何か持っている
大きい水晶の様な物だ
「少年よこの水晶に手をかざしてみなさい」
「(ファイヤ、翳しても問題ないのか?)」
「(この水晶はお前の魔力量を量ろうとしてるだけだ、手をかざすことに危険はないがだが・・・まぁこの状況翳す以外にないでしょう)」
「(分かったよ・・・)」
少年が手を水晶に翳すと水晶が激しく点滅しだした
そして光が一気に強くなり水晶が燃え上がった
「(あーあやっちゃったね少年)」
「(えええええ)」
「急ぎ鑑定結果をここにもってこい!」
さっきまで優しかった王様が大声でそれを言う
少年が怖がって謝ってしまう
「ごめんなさい!」
王様は少年を見て穏やかな顔を取り戻し
「いや、気にすることは無いどうやらそなたには大いなる魔力が備わっているようだ」
「(まぁ気にすることないって)」
「(ファイヤこういうことになると分かってさせたな!!!)」
「(いや、ここまで水晶が燃えるとはさすがに思わなかったよ、うん)」
「(どうなると思ったんだよ!?)」
「(あの水晶は魔力を量るものそしてお前の中には私が存在するこういう時お前の魔力と俺の魔力に反応して水晶が反映されるんだよ、基本的には水晶の中に火が現れるのだ、でも今回火は水晶を包み燃えた)」
大臣が小走りで帰ってきた
それを王様に渡し、王様が見る
すると、やっぱりと顔が明るくなった
「少年、精霊を継承したな?」
「(誤魔化せないよね?)」
「(まぁ無理だな)」
「多分ですが・・・はい」
衛兵と大臣がどよめく
王様は玉座後ろの石像に向かい跪く
「ああマリア様、このようなときに精霊使いの大賢者を我が国に賜るとは感謝します!」
「・・・はい?」
少年はこれからもっとやばい事が起こることをまだ知る由もなかった