01
神への信仰心が自らを救うと信じられた時代があった
魔族と人族が戦ったときに世界を救おうとした人々が居た
彼らは勇敢に戦い魔族を消滅させ
世界が平和になった
だがそれも長くは続かなかった・・・
一人の少年が光の中から現れる
「え!ここって何処?」
見渡す限りの草原に少年が一人ポツンと立っていた
「僕って誰?」
そして、一瞬にして
回りが暗く、闇に包まれる
瞬時に恐怖が少年震えあがらせる
「うああああ」
完全に何も見えない・・・
そして、次の瞬間には赤く焼けた大地の上に居た
「なんだこれ・・・」
少年は唖然としていた
恐怖に対する脳の処理が追い付いていないのか
それとも恐怖を追い越して、何故が勝ったのか
恐る恐る地面を触ってみたが熱くない
何所かで誰かに見られている気がする
「誰か・・・居るのか?」
・・・
少し経って少年の問いかけに応える声が一つ
「(はぁー久々の来客だ)」
「あの・・・何言ってるの」
「(君さ、名は?)」
少年はこの状況が、分からなくただ答えるしかなかった
「名前は・・・分からない」
「(へー。なんでここに来たの?)」
「自分で来たわけじゃない、何故か草原に居たけど、周りが一気に暗くなって、それで気づいたらここに居た」
「(ふーん)」
そいつは僕の状況を理解してそれ以上聞いてこなかった
少しの沈黙がありそして・・・
「(じゃあ君は”ファイア”って聞いた事ある?)」
頭がズキズキと痛む
「いや、ないけど。」
体のあちらこちらがすごく痛い
立っていられない
「(君、体に異変が起きてるね?)」
「体が痛い」
「(あははは、実に素晴らしい!)」
急に笑う声に謀られたと感じる
僕は痛みで今にも意識がなくなりそうだった
「これ、あんたがやってるのか?止めろよ」
「(それは私がやってるわけではないが、完全に関係がないわけでもない。まぁこの空間ではここら辺が限界かな)」
「なに・・・言ってんだ・・・?」
「(さーて少年よ世界へ戻ろうか、私の名はファイアお前の魔法だ)」
僕が気を失う前に見た最後の光景は真っ赤な大地の上を真っ赤な服を着た男がゆっくりと自分の近くに歩いてくる姿だった
・・・