ルルの推理
ルル視点
神託が下った。
世界を震撼させている【歪み】の発生場所を知らせる神託。
次の【歪み】の発生場所はなんとパミリオール地下神殿内だという。
闇の大伸を奉り、昏きモノが地上に進出しないように封じている場所だ。
大戦が始まる前、神々がこの世界を形作ったときから存在しているとされている「深淵」。
それは冥界につながり、冥府の王アバドが治めていたという。
だがアバドは他の神々に反旗を翻し、大戦が勃発。
アバドは英雄たちによって葬られ、深淵は、闇の大神によって封じられた。
その封印の要となっているのがパミリオール地下神殿である。
パミリオール地下神殿は王都近郊にある。
そこで【歪み】が発生するとなれば、それは王都民に恐怖を与える。ただでさえ魔都が滅びたばかりで世界中が混乱しているというのに。
魔都の再来になるのではないかと。
ここも滅ぶのかと。
だがその予想は大きく外れた。
【歪み】で現れたのは災厄ではなく人間。
意思疎通をはかれる、破壊を行う事もない非力な少年少女達であった。
彼らは誰なのか。
またたく間に国中に広まっていったこの噂は、今王都の中心の話題である。
敵か味方か。
ルルもまた、その疑問が晴れない内の一人である。というのもそれは一人の男の所為だった。
青井周一。
初めに話しかけられた時は驚いた。
敵意は感じなかったが、術を見破られた。
隠蔽していたのにもかかわらず。
隠蔽には自信があったにもかかわらず。
その後も、得体の知れない凄みを感じたり、英雄の遺産について知っていたり。
疑念は深まるばかりだった。
一番最悪なのは彼がこの一連の事件の首謀者であること。
歪みを任意で発現させられるのだとしたら脅威以外の何者でもない。
どちらにせよ様子を見よう。
さて、一先ずはと…。




